気づけばあなたも本の虫。書架の底に潜って不思議な本たちの秘密を探れ!

本の知識を魔法として使用して、書架と呼ばれるダンジョンを探索するという、概要を聞くだけもワクワクする本作。
探索者(ブックワーム)の女性・ソフィーが、書架の創造主の持ち物であり少年の姿をとる本『セティ』と出会うことから、物語は幕を開けます。

本から具現化する力を駆使したバトルシーンは、臨場感たっぷり。
強敵に対しても、それぞれの能力を組み合わせたクレバーな戦法を取るなど、バリエーション豊かで非常に熱く、面白いです。

作り込まれた独特の世界観が目を引きますが、本作の魅力は何と言っても登場人物たちの関係性の変化だと思います。
最初はひたすら生意気なセティですが、彼に対するソフィーの態度が非常に柔らかくて優しくて、ものすごく好感を持ちました。
このセティがね、可愛いんです。だんだんソフィーに心を開いていって、ツンからデレが増えていく。読んでるこちらもすっかり保護者目線ですよ。
また二人と共に行動する探索者・リオンも明るいナイスガイで、ソフィーとは違う立ち位置からセティを導いてくれます。

書架の中しか知らなかったセティの世界が、どんどん広がっていく。まっさらな本に知識が書き込まれていく。
それと共に、書架の創造主であるアンブロワーズの秘密や、セティのきょうだいにあたる本たちの存在など、気になることがどんどん増えて、気づけば私も本の虫です。
多くの方が楽しめる物語だと思います。続きもとても楽しみです!

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