冒険ファンタジーの魅力がこの作品に全部詰まってる!

すごく面白いです!!まだこの作品に出会っていない方はぜひ覗いてみてほしい物語です!

こちらの作品はカテゴリーで言うと「冒険もの」「ダンジョンもの」の作品だと思うのですが、まず世界観の構築がとても秀逸です。
この世界ではダンジョンを探索する者のことを「探索者(ブックワーム)」と呼びます。ブックワームは「書架(ライブラリ)」と呼ばれるダンジョンに潜り、珍しい「本(ブック)」を得るのが生業。そしてブックワームが集めるのは、様々な知識を有するブックです。ブックを獲得すれば高値で売れるだけではなく、その本が持つ特殊な能力を使うこともできます。
要はダンジョンに潜ってレアアイテムを獲得するということなのですが、世界観が「本」に関連しているところに個性とオリジナリティを感じます。他の作品では得られない、この世界だけの魅力が詰まっており、もうこれだけで冒険好きの読者はワクワクしながらページを繰ることとなるでしょう。かくいう私もその一人です。

ライブラリでブックを手に入れる際のバトルシーンは手に汗握る白熱さと緊迫感。ここが本当に面白く、手持ちのブックの知識(能力)をどう活かしながら攻略するのだろうと色々と考察しながら読めるのがとても楽しいです。
探索者(ブックワーム)のダンジョン攻略だけでも十分に面白いのですが、人の姿を取ることができるグリモワールの少年セティや、ライブラリを作ったと言われる魔術士アンブロワーズの死の謎、アンブロワーズが残したとされる7つの兄弟グリモワールの存在など、少しずつ謎が明かされていくところも読み応えがあり、早く続きが読みたくて仕方ありません。

ひとたび読み始めたらあなたはもうこの世界の虜。作者の個性が光る、けれども王道の冒険ファンタジー。万人におすすめできる素晴らしい作品です。

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