チョコレート食べてにんまり!生意気で強くて可愛い最高傑作

  • ★★★ Excellent!!!

 ダンジョンものはあまり馴染みがない。なので一般的な作品と比較はできないのだけれど、ダンジョン初心者も臆することなく潜り込んでみてほしい。未経験者も間違いなく楽しめるのを完全保証します!

「書架」に潜り、本(ブック)を探し求める探索者(ブックワーム)のソフィーが見つけたのは、「本の知識を食べて成長する」という、少年の姿をとる特別な本だった。
 最高傑作であると宣う少年セティ、登場時はそりゃあ小生意気!まあまあのクソガキっぷりです。そんなガキンチョにも落ち着いて対応し、優しく導いていくソフィーのすばらしい安定感と、同業者リオンの助けもあり、少年は少しずつ成長し頼もしくなっていく。
 その成長が読んでると嬉しくって、なによりそのツンツン具合が可愛くて!お母さんの気分を味わわせてもらえます。ソフィーの気持ちはきっとこういう感情なんだろうな。

 書架に潜り、繰り広げられる戦闘も見どころの一つ。セティを取り戻そうとする、彼の兄姉を名乗る人物(本)との手に汗握る戦いは迫力満点。
 それと、セティが戦闘で使う食らった本のタイトルがカッコよくってですね。氷華の兎(ラパン・ドゥ・ジーヴル)とか、こう、くすぐられるものがありませんか!?
 カタカナ苦手って人でもちゃんとルビが振られてるので、いちいち覚えなくても大丈夫な親切設計。これ、ファンタジー好きなのにカタカナ苦手勢(私)には大きなポイントなんですよね。本当にありがたい。

 ダンジョン、ファンタジー、人間ドラマ。一つでもピンとくるワードがあればハマるの間違いなし。オススメです!

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