概要
それは恋うる月の常永久の呪い――
〈月花の神子〉。それは、月の天女の祝福を受け、常永久(とことわ)の命を持つ者。
その血の一滴で、傷が癒える。その血を飲めば――不死と安寧が授けられる。
けれど、代わりに呪われる。
神子の血を与えられ続けなければ、腐り爛れた化け物に成り果ててしまうのだ。
だから神子は、うやうやしく神の代行者として戴かれながら、縛められ、殺され続けた。
不死と安寧を掲げ、人々が憧憬する都・〈まほろば〉の奥で。
不死を夢見た者たちに、己が血を与え続けるために――。
+
そんな〈月花の神子〉として生まれついた伊砂那(いさな)は、ある時、〈まほろば〉を抜け出すことに成功する。
行くあても目的もない、逃走の旅路――。
そう思われたが、途中で彼女は、己を探していたという青年、篝(かがり)と出会った。
彼は〈ま
その血の一滴で、傷が癒える。その血を飲めば――不死と安寧が授けられる。
けれど、代わりに呪われる。
神子の血を与えられ続けなければ、腐り爛れた化け物に成り果ててしまうのだ。
だから神子は、うやうやしく神の代行者として戴かれながら、縛められ、殺され続けた。
不死と安寧を掲げ、人々が憧憬する都・〈まほろば〉の奥で。
不死を夢見た者たちに、己が血を与え続けるために――。
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そんな〈月花の神子〉として生まれついた伊砂那(いさな)は、ある時、〈まほろば〉を抜け出すことに成功する。
行くあても目的もない、逃走の旅路――。
そう思われたが、途中で彼女は、己を探していたという青年、篝(かがり)と出会った。
彼は〈ま
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