概要
愛とは、罪とは。
群馬県に住む、島田宗吾が何者かに殺された。探偵、辻塚留佳は、宗吾の嫁、島田亜美に疑いの目をかけるが、亜美には明確なアリバイがあった。事件を追う最中、東京都では中学教師の殺害事件が起こる。犯人は誰なのか?罪とは。愛とは。二つの事件が、辻塚留佳に、愛するということを問う。
小説家を目指しています。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心に残る素敵な作品です。
僭越ながら、まとめてここに感想を記させていただきます。
拙い文章で申し訳ありません。それでも、強く心を揺さぶられた作品で、手が止まりませんでした。
私自身、学生という立場ですが、教員を志望しており、本著で挙げられていた家庭問題、教員の働き方についての話題はよく見聞きしておりました。
特に心に残った点は、教員である以前に1人の父である、という点です。
本著でも描かれているとおり、教員は聖職とも言われ、何よりも学校での子供を第一にするべきだ、というイメージが強く持たれています。しかし、教員側の私生活についてはあまり認識されていません。個の集合体である社会が実情を知る、それが働き方改…続きを読む - ★★★ Excellent!!!対比の中心点には、常に愛がある
対比がとにかく上手い。
探偵と助手、という構図ながら。そこには、現場主義でスタンドプレーな刑事として或いは保護者や、過去の事件の被害者、喪った者と埋める者、立場と能力を利用して事件に関わりつつも、思考と行動を交え、補完しながらストーリーを進めるメインキャラクター性を与えている。
被害者と加害者、大人と子供、先生と生徒、親、とかく母と子の描かれ方も情感溢れるリアルさで真に迫ると感じられたわけだが、各々の家庭が抱える問題。ここは、著者様の後書きから納得のいく説明が得られることだろう。是非、ここまで読了してもらいたい。
対比、と最初に賞賛した通り。
それは、描かれる人間関係だけに…続きを読む