熟れた午後

正しい者にだけ見える選択肢は

初めから二重性を強い

前提にあるはずの愛情も

形式的な欲望によって否定される

もともと平面でしか物事を捉えられない

──つまり常にあらゆる土地で

途方に暮れる醜さが

その二重性によって

ばらばらに引き裂かれる

受動の混乱と悲劇とが

初めて感じた人生の肌触りだった

月が深海へ沈んでも

新しい朝の嘲笑から

視線を逸らす事は叶わなかった

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