剥離せんとする爪の破片を

手の指で弄ぶより

わたしがあなたに

選ばれたという有難さのほうが

痛く

悲しかった

何故なら、

絵の具だったから

(それは水色をした)

あるいは、写真だったから

世界は二つか、

それよりもっと多い数存在して

「では無い」ほうがいつも

ここだったから

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