逃亡

海は街を越え

愛を飲んで

目蓋まで届いて

涙を奪った

投げ込まれたナイフは

銀色の魚になって

有害な泡を吐いた

罪が空を覆った

逃亡した末の

新たなる彼の地で

新たなる海に四方を囲まれた

粉々に砕かれた両足の骨が

全身をかけめぐり

十一本の指すべてが

腐り落ち

すべて等しい円の中で

ほほえみながら

長い髪の毛を

風になびかせた

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