群盲

明るい夜から謙譲を奪う

ランタンの発光に伴う音が

むこう岸からこちらへと

ひとすじの鉛を伝導し

はっきりと膿み爛れる

地中で眠っている肺癌患者たちは朝

神の声帯から泡を吐く

暗灰色の石の平らかな側面を

はじめから終わりまで

見ていたいびつな蜘蛛だけが

その人間的な消滅を

知っている

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