都会

六杯目の苦味によって鈍った

見知らぬ道を行き交う車が

放つオレンジ色の丸い光が

伸びて長い曲線を描く

不在の過去に腕を引かれ

罪と後悔とが包む暗がりの

中で呼吸に傷がつかないかと

案じて吐き出す声が瞬く間に

消えてなにも残らない

コートのポケットの中に

入ったままの赤い

チョコレートの包み紙と

ヘリオトロープの種

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