第18話「デートでも脳死な人間」


皆瀬神社は、桜が有名な公園と肩を並べるほどの知名度を誇る神社。


開運や学問、工業の神と、土地神様を祀っているのだとか。



「例祭は地元民じゃ、冬まつりとか呼んでる。12月にあるから、まぁ暇だったら来てみれば?」


「あ、夜に花火があがるやつ?」


「それ」



んで、参拝後は恒例・・・だと思うおみくじ。


完全に正月のイベントだと思うが、まぁ気にしないでおこう。



「あ、わたし中吉」


「俺は吉だ」


「面白味のない結果だね」


「おみくじにネタを求めてどうする」



まぁそんなものだろうということで、神社をあとにする。


とりあえず皆瀬の中心駅である皆瀬駅の方へ向かう。


んで、駅前のロータリーの少し手前にあるアパート。


5階建てぐらいのアパートこそが。



「ここが俺の家」


「あ、ここも観光地?」


「なんでそうなる」


「いや、今日は観光地を案内してくれるって話だったから」


「まぁそうだけど。この辺じゃ、そんなに回れるところないからさ」


「え、もう終わり?」


「うーん・・・結衣さ、寺社仏閣とか興味ある?」


「特に。てか、さっきも寺社仏閣じゃん。皆瀬神社だっけ?」


「そうじゃん!」



普段から脳死で生きていると、こういう当たり前のことすら気づかないことがあるのです。



「まぁ皆瀬神社は中でも有名だからさ。でも、他はそこまで有名じゃないし」


「でも、観光地なんでしょ?」


「まぁ。ここら辺、寺社仏閣巡りとか観光資源にしてるから」


「なるほど。つまらなそうだね」



はっきり言いますね。まぁその方が、これからの行程を考える上で助かるんですけど。



「んじゃ、ちょっとだけ移動するか」



ということで、すぐそこにある皆瀬駅へ向かう。


ここからは、ちょっとだけ電車移動だ。


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