第28話 アルテイシア姫とエイル

酒に酔って赤ら顔の黒の国の貴族のお姫さまはじっとエイルさんを見てる


「アルテイア姫?」きょとんとしたエイルさん

やはり、知り合いなのかワン。 


勝気そうな大きな目をした綺麗なお姫さま

背景には 赤いバラが似合いそう


さらさらの長い黒髪をなびかせながら


まだリアンさんにしがみついたエイルに近ずく。

「アーシュ殿はどこ? 今日は珍しく一人なの?」 


さりげに横を向くアーシュさんこと子竜さん


何か言いかけて ふらつき気を失いたおれかける黒の貴族の姫

アルテイア姫 「アルテイア、アルテシア姫!!」慌てるエイルさんと子竜さん。


さっと、彼女を支えた白の国の青年リアンさん


しかし、支えてるはずの右手はない

右肩に掛けているトーガの下には何もない


腕の上の方から先がなく、つまり肘から少し上あたりで

切り取られていた。


彼が持っていた小さな魔法の石達が まるで彼女の身体を支えかのように

彼女を取り巻き 輝きながら空中を踊っている。


今度は左腕で彼女を支えなおし、

「店主!彼女を休ませるから2Fの部屋を貸してくれるかい?


「ええ、お部屋なら 空いてますからどうぞ」


黒の貴族のお姫さまを左腕に抱えリアンさん

(細身の身体つきの割りには力持ちさんだ)は


階段から、向き直りエイルさんを見ると次に

「エイル!」と声をかける!

「え」エイル


「会いたかったよエルトニア….

手紙のやり取りで近況は知ってたが おまえにどうしても会いたかった」

涼やかな瞳を細めて笑ういい感じの好青年!


あ、エイルさんてば、ちょ~嬉しそう!アーシュさんライバルの出現ですねワン


ピキイ!!!怒りマークが浮かんでいる子竜さん

シュボ!!(とここでわん子に火を噴く子竜さんことアーシュさん!) 


あっちいいワンワンワン!

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