第31話 紅茶のシホンケーキの場合

「紅茶のシフォンケーキ

レリアが大好きだった どうしてるかな?」エイル

「レリアさん? 誰ですか?ワン お友達ですか?白の国の人ですか?」

ワン子が聞く


うん、そう…と言いかけたエイルさんより先に

「エルトニアの婚約者(フィアンセ)だよ♪」と明るくリアンさん


「でええー!!!」わん子さん! 思わず飲んでいたスープを噴出し

「あの….子竜さん?」 子竜さんは大きく目を見開き、


(「知らん!知らん!知らんん!」)というジェスチャーとして

激しく、首を横に何度も振る。


恐る恐る 仲良く、目を大きく見開き

ワン子、子竜ことアーシュさんは、エルトニア姫ことエイルさんの顔を覗き込む。


微笑みが、ちょっとフリーズしているエイルさん 

あ、頭に怒りマークが浮かんでいる。


「まあ、元婚約者だけどね。」とにこやかにリアンさん。

「今はエイルとの婚約を解消して、別の人と幸せに暮らしてる。」


「え、レリアが?」とエイルさん

「つい最近、ギイリヌスと婚約した。だからまだ、レリアからは、手紙は来てないと思うが」とリアンさん


「ギイリヌス 朗らかで、控えめなやさしい人だったね。レリアきっと幸せだね。」

エイルさんにとって、大事な人が幸せと聞き、とても安心したような、なんだか嬉しそうなエイルさん。


「まあね」とリアンさん  

すでに、婚約を解消と聞き、ほっと安心する(?)わん子さんと子竜さん。


あれ? レリアって?女性名でわ?ワン?


‥ワン子がエイルが両生体、未分化体という事実は後になって知るのですワン



「ところで、リアン兄さん」「何かな?」 

「さっき、アルテシア姫と飲み比べしてビールを飲んでなかった?」

「で? そのワインは何?」


「うん?」  文句を言って、じっと睨むエイルさん

「まあまあ、ところで、エイル」


「何?」「レリアに会いたくはないかい?」と微笑んで話かける。 


「レリアに会いに白の国に一度、帰ってこない?」


はっとして、リアンさんの顔を見つめるエイルさん、 そんなエイルさんを見つめる子竜さんことアーシュさん。


「エルトニア…..


帰りたくはない? 彼に頼んで一度 故郷に戻ったら?」

「今は戻らない….有難う…僕は彼の傍にいるから」


じっつとエイルさんを見つめ、今度は白の国の言葉で、話す

(※つまり、外国語 ワン子さんには、聞かせたくはないのね)


「お前(エイル)が 白の国に対する、この国の人質だから 

帰れないと言うのかいエイル?


それとも、本当に彼の為にここに留まる気なのか?」

「時間がたち、やっと、友好条約の成果出てきた、交流も深まり、


以前は、長年、敵国だった白の国に対する

黒の国の人間の感情もよい方向へ変化している。….


とはいえ、また何が起こるともかぎらない!」


「つらい話で、申し訳ないのだが、

10年以上前、人質として選ばれたのはエイル、お前だった

姪のお前を庇い、身代わりとして、来たお前の叔母上、

羽琴の名手だった姫君は

先の戦い、この黒の国の都での戦いに巻き込まれ、

今だ、行方知れず おそらく、惨い最期だったのだろう。」


「叔母である羽琴の姫君が、

守りたかったのは 姪であるエルトニア、お前なのだよ。 

私も同じ気持ちだ」


「今なら、理由をつけて、白の国へ戻る事も可能だ」


「だめ、彼の事が心配だから 

それに僕が人質の役目を放棄して、白の国へ戻る事は!


白の国の宗主さま、白の国の支配者である、あの方が反対するでしょう?」


「彼の事はともかく、宗主の事など、気にするな エルトニア」


「だめだよ!宗主さまは貴方(リアン兄さん)を疎んでる!….

だから、リアン兄さんは厳しい前線に送られて…..」


「身分の高い異母兄弟て、いうのは難しいものなんだよ。エイル」

酒を持つ手を休めて左手で、頬杖をついて、にっこりと笑うリアンさん


「今は、隠居のような状態だからね。

この身体だし、宗主との関係も少しは よくなったよ」


「エルトニア、レリアも心配している。」


「……」「そして羽琴の姫君もこの私もお前の事を大切に大事に想っている

それだけは覚えていてくれるかい?」とリアンさん


「何を話してるかな?ワン」


「あれ、アーシュさん白の国の言葉わかるみたい?

何を話しているのですか?ワン」

「……」子竜さんことアーシュさんは黙っている。



「あ、酒が空だ!店主すまん!ワインを頼む!」リアンさんの一言

「兄さん!飲みすぎ!!」「飲みすぎだワン!!」


「へい!お待ち! あ、先ほど、黒の貴族のお嬢さんが」


「アルテア姫?」「リアンさんが酒の飲み比べをした人。綺麗な黒髪で、

瞳が印象的で、酔っ払ってしまって、2Fで休んでいたお姫さま?ワン」


「へえ、私に礼を言われ、皆さんに有難うと礼を伝えてくださいとの事、

なんでも、「急いで、金色のブルーベリーという



珍しい薬草を買占めに行くから」と出ていかれましたが」 

「なんだって!!ワン!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る