第43話 エンデング 赤っな鍋 1

ぐつぐつ……真っ赤だった 。



鍋もだが、家中もこちらは真っ赤な煙に包まれていた。

げほげほげほ 皆 咳き込んでいた。


巨大なバケツ4杯分の唐辛子


怪しげな毒ではないだろうかという色と異様な臭いの薬草も

それはたんまり、入っていたのだった。

それを咳き込みながらタオルを口元に巻き

サングラスもどきの珍しいメガネ(?)をかけて、頑張って鍋を混ぜるワン子。


「 はあはあ、み、水!」 

慌ててコップに水を汲み それをワン子さんに差し出すエイル。

アーシュさんこと子竜さんは口元を引きつらせていた。


「大丈夫?アーシュ?ごほ」と心配そうなエイル。

ため息をつき、うなずくと

「あ、ダメじゃないですか? 赤い子竜さんどこ行くのですか?ワン!?」


チラッとこちらを向くと何も言わず、隣の部屋から毛布を引っ張りだしてきたワン!

そして 真っ赤な薬湯を子鍋に注ぎ、

自分は毛布に身体をうずめ


(あ、そうか!変身の時、服が脱げてしまっていたんだワン!)


子鍋の薬湯を睨みつけ!一気にそれを飲み干した!! 


目が真っ赤に充血してる!

「ゴゴゴオ~!!」 「アーシュさん 子竜さんってば火を噴いてますワンワン」

「アーシュさん!大丈夫ですか?ワン!」


瞳に涙を浮かべ

「一口で、いいのに… 

何も鍋全部 一気に飲み干さなくても…」

とぽつりと悲しげに呟くエイルさん。

(何故に先に言わぬの?)




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