第41話 問い詰められて 2

「彼が‥あの男がついていながら、こんな酷い仕打ちをされたのかエイル?」

「アーシュのせいじゃない!あの時、あの場に彼はいなかった」


「エイル、エルトニア、白の国へ帰るぞ」「リアん兄さん!」


「白の宗主が反対しようが、あの男が何を言おうが、知るものか!

黒と白、両国の国境の警備兵をなぎ倒しても、お前を連れ帰る!」

「リアン兄さん!」


「その焼印は彼への見せしめじゃないのか?本当は、彼のせいなのだろう?」


「ちがう!」

「たまたま、ぼくが雪花祭りの日に人買いに攫われて彼らに刃向かって

逆らったから、だから」

必死で弁明するエイルの青と琥珀色のオッドアイ

その瞳に浮かぶ涙を見て、少しだけ表情を和らげるリアン


エイルを抱きしめ

「帰ろうエルトニア」「兄さん?」  

「私達の故郷へ」


「たとえ、無理じいしても、お前を連れ帰る!」

エイルを片手で抱きしめる、その左腕に力が入る


「!」「あの男は無理やりお前をここにつれて来た」


「おまえが彼を愛していようが 彼がお前を愛していたとしても、

私は、お前の母親、いや伯母上 羽琴の姫 エリンシア姫の二の舞にさせたくない!」リアんは叫ぶように言うのだった。

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