あなたの幸せのために、残りの人生を捧げよう
「──王よ、長きに渡りお世話になりました」
滅亡寸前の小国をたったの十年で大陸の覇者に伸し上げた天才軍師エドガー。長年国に仕え続け、その責務に追われ精神をすり減らした彼は、主であり戦友でもある国王ジョージに別れを告げアルバート王国を去ることに決めた。
国を捨て、過去を捨て、身分を隠し向かった先は遠国マーシア。そこで平穏な第二の人生を望んだエドガーであったが、運命の悪戯によりその旅路の途中、一人の少女と出会う。迷える少女メアリーの出自を知ったエドガーは、彼女が一人で生きていけるようになるまでの間、彼女の面倒を見ることにした。
それからとある村に移り住み、村人たちとの衝突や和解の中で様々な経験をしながら二人は奇妙で、しかし心温まる生活を送っていた。
そんなある日のこと、村に山賊が現れる。エドガーはメアリーを傷つけ村を苦しめた彼らを許すことはなく、平穏な暮らしを取り戻すべく山賊の住処へと向かった。そして山賊を全て倒した先で見つけたのは、ボロボロになった囚われの身の獣人の娘グレイ。
怪我を負った彼女を救おうと決めたエドガーとメアリーは、新たな家族を迎え、楽しく刺激に満ちた日々を送っていた。しかしエドガーはメアリーとの生活に幸せを噛み締めるあまり、彼女を一人前にして送り出すという本当の目的を忘れていたことを山賊の一件で思い出す。そして彼はメアリーに試験を課した。
並々ならぬ努力の末、試験に合格し自身が一人前であることを証明したメアリーであったが、彼女はこれからもエドガーとの生活を望む。
再び始まった三人の幸せな生活。しかしそんな日々は長く続かない。
平和なはずのマーシアに突如侵攻を開始したのはあのアルバート王国。戦場で再会するエドガーとジョージ。ジョージによって語られる侵攻の真意とエドガーの過去とは……。
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