異世界より侵攻されるこの世界で

その日、平和だった日常は一瞬にて崩壊した。
異世界キ・ガルシュによる一方的な宣戦布告。それに対し各国は現代兵器を用いての徹底抗戦を決断する。
開戦から一年が経ち、世界の戦況がどうなっているのかを知る手段は無く、ただ日本の戦況がよろしくない事だけは明らかだった。
各地が戦火に包まれ、安息の地が少ない中を俺――桟敷純玲（さんじきすみれ）は一人で生きていた。
目的も無く食料を探しては放浪を続ける日々だったが、暴徒化した男に襲われ絶体絶命の危機に陥った。
死を覚悟した瞬間、まさかの助けが入る。
翡翠の瞳、腰まで伸びた銀の長髪、凛とした佇まいで現れた一人の少女。名をアルシナート・クレナ・フェルツ。
彼女は自身を「脱走兵」と言うのだが――――。