異世界より侵攻されるこの世界で
霜月風炉
プロローグ
平和だった日常は当たり前ではなかった。
いつまでも平和な日々が続くと思っていた。
当たり前のように学校へ行き、友達と馬鹿をして、そのうち就職をし、好きになった女の子と結婚する。そんな誰もが享受できる日常が訪れると漠然と思っていたし、俺自身もそんな人生を歩むだろうと考えていた。
ただ、それは約束された未来ではなかった。
世界の何処かで戦争が繰り広げられ、見知らぬ誰かが死んでいく。
そんな現実がある事を頭では理解していたけども、何処か遠い場所での話であり、俺とは微塵も関係のない出来事だと錯覚していた。
そう――錯覚していた。
だが、その自惚れた錯覚を誰も咎めはしないだろう。
自分以外の、それこそ周囲の者たちも同類だったからだ。
日常の崩壊は前触れも無く、唐突に訪れた。
「異世界の諸君! 突然で大変申し訳ないが、我々の為に――この世界を明け渡してもらおうか!」
頭上から降り注いだ流暢な日本語。
見上げれば西洋風の男の上半身のみの映像が映し出されていた。
プロジェクションマッピングのようなものではない事は、素人目でも明らかだった。
そして――――、
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