記録集積-No.18
第18章【蒼氷の大翼】
第722話「強制家宅捜索」
◇“剛雷轟く霹靂王花”
現在は滅びた原初原生生物。第零期先行調査開拓団によって蒔かれた“生命の種”から生まれた初期の原生生物。
非常に強力な発電器官、および膨大な電力を保持する帯電能力を備えている。強い衝撃を受けた際にはそのエネルギーを全方位に放出し、周辺一帯の生物を破壊する。
更に開花した際に現れる雄蘂には雷の誘引能力があり、群生地では常に落雷が発生する。これにより土壌の栄養素を改変し、自身の生長に有利に働くようにしている。
また、種は風に乗って非常に広範囲に散布される。種にも帯電、放電能力が備わっており、地面に落ちた際には周囲に定着している他の植物を焼き払い、生存を図る。
一時期は地上のほぼ全てを覆い尽くし、最大の繁栄種として栄華を誇っていた。しかし、気候変動や他種族の台頭によって絶滅する。
第723話「植物園に行こう」
◇“昊喰らう紅蓮の翼花”
現在は滅びた原初原生生物。第零期先行調査開拓団によって蒔かれた“生命の種”から生まれた初期の原生生物。
莫大な熱エネルギーを内部に蓄え、高温状態にある植物。ほとんどは非常に高い難燃性、高熱耐性を備えているが、花弁だけはごく僅かな熱や光、衝撃によって発火する。その際に内部に蓄積した熱エネルギーが広範囲に拡散され、周囲の他の植物を焼き払い、焦土と化した土地に種を広げる。
発火、爆発の衝撃は凄まじく、その火柱は時に成層圏に達することもある。あらゆる有機的生命体を焼き焦がし、養分として取り込み、更に版図を広げる。
一時期は地上のほぼ全てを覆い尽くし、最大の繁栄種として栄華を誇っていた。しかし、気候変動や他種族の台頭によって絶滅する。
第724話「お土産片手に」
◇植物型原始原生生物管理研究所
地上前衛拠点シード02-スサノオに建設された研究施設。危険で取り扱いの難しい植物型原生生物を収容し、その研究を行う拠点。
八角形の建物は内部も中心を除いて八分割されており、一階層に七つのチャンバーと一つのロビーがある。
調査開拓員はチャンバーに収容された植物の研究を行うことで研究ポイントを溜め、それを報酬と引き換える。より危険度の高い植物の収容されたチャンバーに進入するためには、研究ポイントで進入権限を引き換える必要がある。
第725話「密室の中で」
◇“胎動する血肉の贄花”
現在は滅びた原初原生生物。第零期先行調査開拓団によって蒔かれた“生命の種”から生まれた初期の原生生物。
細胞壁のない動物的な身体部位を有し、その太い触手を動かすことで周囲の原生生物を捕らえ捕食する。花の内部に強い酸性の消化液を分泌しており、それによって捕食した動物を溶かし、エネルギーに換える。
また、根からは原生生物の血液を吸収し、それもエネルギーとして仕様している。特に肉食獣の血液を好むほか、複数の血液を混合させ“カクテル”のように楽しむため、知能の高さが示唆されている。
塩分を苦手としており、塩結晶によって行動を制限することが可能。しかし、塩の量が少ない場合はいたずらに神経を逆撫ですることになり、より凶暴性が高まる。
飢餓状態に陥ると、自らの触手を噛み、内部に蓄えていた血を周囲にばら撒く。特殊な分泌液が混合した血液は多くの原生生物を狂乱状態にし、大規模な“
一時期は地上のほぼ全てを覆い尽くし、最大の繁栄種として栄華を誇っていた。しかし、気候変動や他種族の台頭によって絶滅する。
第726話「食欲魔人」
◇グリーンベジタブルバーガーカロリーハーフ
植物型原始原生生物管理研究所内のカフェテリアにて提供されている完全植物性食品。バンズからパティに至るまで、全ての食材が植物性のもので構成されている。植物園内での研究活動の副産物として発生したものを使用している。
植物性なのでヘルシーだが、食べ応えは十分。特にジューシーなパティは三枚重ねで、ピリ辛のソースとの相性が抜群。レタスやトマトは当然瑞々しく、シャキシャキとした食感。
第728話「名前を呼ぶ」
◇楓葉の狭衣
味わい深い紅葉色に染め上げられた衣。精神を落ち着かせる。軽く動きやすいが、防御力は低い。
装備時、移動速度+13・攻撃力+20
第728話「長閑な交流戦」
◇だんご汁
根菜、茸、そしてだんごなどの具材を豪快に煮込んだ味噌仕立ての鍋料理。栄養満点で、滋養にも良い。食べると体が温まり、活力が漲る。
野外で調理した場合、鍋の周囲に存在する調査開拓員に“団欒の宴”のバフを付与する。
第729話「最強の大盾と鎚」
◇『耐え忍ぶ弱者の嗚咽』
自身の現在の全てのステータスをゼロにする。加えて、毎秒400ポイントずつLPを消費し続ける。更に、効果発動中は移動と一部のテクニック以外の行動ができなくなる。攻撃を受けた場合はダメージが15倍に増加し、強制的にテクニックが解除される。
テクニックの発動後、対応するテクニックの発動により、全てのステータスと消費したLPの総計が対応したステータスへと還元される。
強者の元に跪き、ただその身を曝け出す。あらゆる暴力から耐え忍び、今はただ額を擦る。いつか、その高慢な玉座に一矢報いる決意を固めながら。
第730話「突撃!竜ご飯」
◇『
〈料理〉スキルレベル70、戦闘系スキルレベル70。
戦闘調理術の基本にして真髄。己の糧となる食材、その命に感謝をこめて、手を合わせる。
戦闘調理術を一つ以上使用した後でのみ発動可能。直前に使用した戦闘調理術の数に応じて威力と範囲が増大する。
手を合わせ、真摯に祈る。その身に流れる血、その身に纏う肉、全ては大地からの贈り物。その事に感謝し、常に想い続ける。頂いた命を身に宿し、我々は先へ征くのだと。
第731話「恐らく合法」
◇“轟烈する紅蓮の小翼花”
要管理危険原生生物。非常に危険であり、領域拡張プロトコルに大きな影響を及ぼす恐れのある原生生物。管理者による適切な管理を必要とする。
原始原生生物“昊喰らう紅蓮の翼花”を他の植物と交雑させ、その能力を弱めた上で繁殖能力を封じたもの。弱めたとはいえ、その爆発力は凄まじく、地形・環境へのダメージは著しい。取り扱いには非常に高い慎重さが求められる。
第732話「親子の絆」
◇海鮮バーベキュー
新鮮な海の幸をそのまま豪快に焼いた料理。旨味たっぷりなイカ、タコ、貝、魚などの素材の味を存分に楽しめる。
野外で調理した場合、鍋の周囲に存在する調査開拓員に“シーフードファイアー”のバフを付与する。
第733話「親子の勝負」
◇ドラゴンユッケ丼
甘辛いタレを絡めた生の竜肉を熱々のご飯の上に載せ、卵黄を添えた豪勢な丼。大葉の緑が彩り、見た目にも華やか。ただし、竜肉には微量の毒が含まれているため、大量に食べてはならない。
食べると一定時間攻撃力が大きく上昇する。7%の確率で状態異常“腹痛”が発生する。状態異常の発生確率は、食べた量の増加によって上昇する。
第734話「菓子折と共に」
◇銀雪の耳飾り
綺麗な雪の結晶をあしらった、銀色の耳飾り。上質な青結晶が使用されている。非常に繊細で壊れやすい。
装備時、LPの生産能力が3%上昇する。水属性の攻性術式の威力が2%増加する。また、術式が火属性だった場合は威力が30%減少する。術式が水属性、火属性以外だった場合は威力が10%減少する。強い物理ダメージを受けた際、一定確立で耐久値が2倍消費される。
儚い雪を象った銀の耳飾り。青き結晶は冷気を放ち、水の呼び声に共鳴する。その光は冷たくも優しい。
◇氷晶石の珠環
アイテム,装飾品,腕装飾
氷晶石のブレスレット。絶えず冷気を放ち、周囲の温度を下げる。
装備時、水属性攻勢術式の威力が5%上昇する。弱い体温冷却能力を発揮する。
雪深い山奥にある溶けることのない氷の結晶体。その冷気は弱く儚いが、見誤る事なかれ。魂の潰える時、そこには冷たい手が触れている。
◇聖銀のアミュレット
アイテム,装飾品,首装飾
神聖な意味を持つ文字を象ったアミュレット。銀鎖に繋がり、首に掛けることができる。平静を保ち、邪なものを遠ざける効果がある。
装備時、機術詠唱の安定性が増加し、発動速度が加速する。心霊実体による攻撃を僅かに減衰させる。
その真意も忘れられた古い意匠の首飾り。今は古き記憶を感じ取ることもできないが、思い込みは時に何よりも強い力を発揮する。
◇第二高速装甲軌道列車ヤタガラス
施設,交通網
第二開拓領域〈ホノサワケ群島〉に敷設された鉄道網。前世代の高速装甲軌道列車ヤタガラスに比べ装甲が見直され、より強力な原生生物による襲撃にも耐えられるように設計されている。
乗せるべき者を乗せ、載せるべき物を乗せ、運ぶべき物を運び、届くべき時までに届ける。ただ実直に、ただ正確に、ただ地道に。彼らは走る、地を駆ける。
◇シーサイドムーン
食品,菓子
洋菓子カフェ〈海鳴り〉の数量限定販売の特別なシュークリーム。黄金色に焼き上げられた皮の中には、こだわり抜かれた特製カスタードクリームがたっぷりと詰められている。
静かな夜の海辺に浮かぶ、黄金の月のように。優しく甘い、至高のひとときをあなたに。
◇蔓延のエタグノイ
調査開拓用有機外装
第零期先行調査開拓団員コシュア=エタグノイ、現〈コノハナサクヤ監獄闘技場〉管理者コノハナサクヤの専用調査開拓用有機外装。強靱な植物性ナノマシンを増殖させ、大まかに猿型の外見を取る。非常に強い力を発揮し、主に危険な原始原生生物の対処などにあたっていた。
未詳イベントの発生後、神核実体と共に術式汚染を受けて暴走するが、神核実体が完全に汚染しきる前に自己封印を完遂。その後、第一期調査開拓員の働きによって神核実体から完全分離され、〈コノハナサクヤ監獄闘技場〉に収監される。
第735話「機術師を殺す猪」
◇突猪
〈黒猪の牙島〉に生息する猪に似た小型の原生生物。鋭い二本の牙を持ち、強靱な脚力で目にも止まらぬ素早さで突進を繰り返す。脂によって固まった毛皮は鎧のように硬く、厚い皮下脂肪と共に高い防御力を発揮する。また、その牙には特殊な力が宿っており、高密度エネルギー体の構造を破壊する。
突進突進! そして突進! 阻むモノは皆壊す! 遮るモノは轢き殺す! 俺の前に立つんじゃない。俺の後ろにさあ続け!
◇突猪の大牙
突猪の立派な牙。特殊な力が宿っており、暗闇では薄くぼんやりと光を放つ。非常に硬く、頑丈。内部に宿した力によって外部の力を乱し、相手の体勢を大きく崩すことができる。
◇『連なる蒼氷の刃/シリアル・アイスブレード』
三つのアーツチップを用いる上級アーツ。
三連の氷片が鋭利な刃となり、対象を攻撃する。
◇『押し潰す巨大な氷塊/クラッシュ・ギガンティックアイス』
三つのアーツチップを用いる上級アーツ。
巨大で重い氷塊を生成し、その下に立つ対象を圧殺する。
第736話「重なる一声で」
◇『叩き砕く蒼氷の弾塊』
三つのアーツチップを用いる上級アーツ。
硬い氷塊を生成し、敵を叩く。打撃属性による部位破壊力が高い。
第737話「緊急の通報」
◇GM通報
プレイ中にシステム的、もしくはコミュニケーション上の問題が発生した場合は、システムウインドウ>サポートからGM通報を行ってください。周囲の安全を確保した上で、迅速に対応を行います。
第738話「調査実験協力」
◇二重操作
口頭操作と思念操作を同時に独立して行う特殊な操作です。脳に対して非常に強い負荷が掛かるため、推奨はされません。これにより、副作用として酩酊感や高揚感などを覚える場合があります。不調をきたした場合は、軽微であってもGMへ通報してください。
第739話「帰ってきた少女」
◇気密防爆遮断隔壁扉
最先端の技術と高度な合成金属を使用した堅固な防御隔壁扉。強大な爆発にも耐え、内部に封印したものを守る。もしくは、内部のものを厳重に押し止める。
第740話「猪は止まらぬ」
◇黒鎧猪
〈黒猪の牙島〉に生息する、黒色の堅固な外骨格を持つ猪型の原生生物。非常に高い物理攻撃耐性を持っており、斬撃、打撃、刺突攻撃の全てを撥ね除ける。
脚力も高く、その突進で木々を薙ぎ倒す。額は非常に硬く発達しており、真正面から衝突すれば破損は免れない。
粉砕! 崩壊! 大破壊! 我らの道は我らが開く。何人たりとも邪魔させぬ! そこのけそこのけ猛猪が通る!
第741話「駆ける槍猪」
◇牙槍大猪
〈黒猪の牙島〉に生息する、巨大な猪型の原生生物。気性が荒く、凶暴。またその性格に見合うだけの力を持つ。前方へ真っ直ぐに伸びた牙は鋭利で、猛烈な突進と共に獲物を串刺しにする。
我が槍を見よ。磨き上げ、研ぎ抜いたこの太き槍を。万物を貫き、森羅万象を穿つこの槍を。見たならば逃げよ。命を乞い、愚かな己を呪いながら逃げよ。さすれば、その背中に穴を開けてやろう。
第742話「機体回収」
◇『凍てつく大地。凍みる肌。押し上げる霜柱。張り付く霞。滲む青き血。吹雪の歌よ称えよ。顕現せよ、漂白の女王。その聖杖で不遜なる背信者の熱き鼓動を貫け』
上級連続長大詠唱大規模多段階完全機術。10種のアーツチップ、3つのアーツセグメントによる上級固有攻性術式。
第一段階。自身の1メートル前方を起点とした扇状の広範囲に渡って、その内部に存在する生物と環境の全てを瞬間的に凍結させる。第二段階。凍結した対象を貫く巨大な氷槍を生成し、高速で射出する。第三段階。凍結した対象全てを破壊する。
術式発動後、術者は強制的にLPが1になり、移動ができなくなる。防御力が10%まで低下し、状態異常“凍結”を受ける。
冬が訪れる。全てが死する、静寂の時代がやってくる。大地は白く染まり、風は凍り付く。白と青と闇の広がる世界で、彼女は万物を慈しむ。彼女の聖杖は、彼女を称える者全てに差し伸べられるだろう。彼女の聖杖は、彼女を害する者全てに差し向けられるだろう。
第743話「猪頭の覚醒」
◇『機体修理』
〈換装〉スキルレベル30のテクニック。強い衝撃などによって破損した調査開拓用機械人形を修理し、再び稼働できる状態に戻す。修理の難易度は損傷の度合いによって変化し、修理に必要な素材の種類や数もそれに応じる。
第744話「猪人達の蜂起」
◇
〈黒猪の牙島〉に生息していた原生生物。二足で直立する猪頭の人型をしている。木を削った棍棒を扱い、膂力も強い。非常にタフで、多少の傷では怯まない。
知性は低く、短絡的。しかし凶暴で死を恐れず、より強き同胞に従う習性を持つ。
地に蔓延る野蛮なる者。牙は鈍り、瞳は濁り、毛は染まった。彼らは平伏する。かつて威を振るった大いなる主に。彼らは盲従する。深き眠りの中で力を溜める大いなる主に。彼らは蜂起する。来たるべき叛逆の時代に覚醒する主と共に。
第745話「蒼氷の甲板にて」
◇
〈黒猪の牙島〉に生息していた原生生物。二足で直立する猪頭の人型をしている。木を削った長槍を持ち、未加工の生皮を粗雑に繋げた鎧を着ている。周囲の“
鈍った牙の浅ましき猪人よ、我に続け。我が手足となって、立ち阻む敵へ突き進め。我が意は我が主の意なり。諸君らの戦果は我が主の栄光なり。
第746話「海岸線を歩く」
◇牡丹鍋
猪肉を贅沢に使った鍋料理。大勢で囲むととても美味しい。野趣溢れる味は滋養を高め、栄養も高い。
食べると一定時間LP回復速度上昇。防御力が10%アップし、1分間20秒ごとに1回150ポイントLPが回復する。
第747話「無欲の勝利」
◇喫茶〈水鈴〉
シード02-ワダツミ商業区画に建つ喫茶店。焼きたてのベーグルが看板商品で、シンプルなものから変わり種、期間限定や数量限定など様々な種類の商品がある。
カフェスペースではベーグルに合うコーヒーや紅茶を楽しむことができ、シード02-ワダツミの瀟洒な街並みを眺めながら憩いの一時を過ごすことができる。
第748話「快晴の下」
◇透き通った蒼塩結晶
純度の高い蒼塩の結晶体。非常に硬く、透き通っている。削れば舌触りの優しい高品質な食塩として料理に使用できるほか、結晶は軽量な盾や防具にも使用できる。装備アイテムの素材として使用した場合、LP伝導効率が高く、機術の発動に必要なLPを削減できる。
深い海の底、高い水圧と長い年月の中でじっくりと凝集した美しい塩の結晶。優しい波に洗われながら砂浜に流れ着き、穏やかな熱気に晒されることで密度を高め、美しく硬質な結晶となる。非常に貴重な、海からの贈り物。
第749話「露店を巡り」
◇ソルティキス・リング
透き通った蒼塩結晶を台座に載せた繊細な銀のリング。内部に機術補助回路が埋め込まれており、アーツの発動にかかる消費LP量を減少させる。また、台座の蒼塩結晶の共鳴効果によって水属性アーツの威力が増幅される。
青みがかったシルバーの美しい指輪。深い海の底で育まれた時の結晶。大切な貴方に銀の加護を。
第750話「おいなり取引」
◇エレクトリカルおいなりさん
植物型原始原生生物管理研究所内カフェテリアにて提供されている限定メニュー。“剛雷轟く霹靂王花”の研究の過程で発生した超帯電物質のメカニズムを応用した、刺激的な一品。見た目は帯電し黄色く発光するただの稲荷寿司だが、食べると瞬間的に強烈な電流が放たれる。
第751話「機械好きな少女」
◇FF型NPC-255(個体名“カミル”)による第二世代高速装甲軌道列車ヤタガラスの解説
高速装甲軌道列車ヤタガラスは地上前衛拠点なんかの主要都市と各フィールドの駅を繋ぐ鉄道輸送網よ。第二世代は第二開拓領域〈ホノサワケ群島〉の発見と同時に建設が開始されて、現在は海洋資源採集拠点シード02-ワダツミと〈花猿の大島〉、そして〈黒猪の牙島〉を繋いでいるわ。現段階では第一開拓領域〈オノコロ島〉上層を網羅してる第一世代ヤタガラスの方が規模が大きいけれど、通信監視衛星群ツクヨミの前哨調査報告によれば第二開拓領域の方が広大だから、ゆくゆくはこちらの方が総路線距離も長くなることが予想されているわね。
第二世代の特徴は、なんと言っても車体そのものが第一世代から大きく改良されていることね。車体の大部分を覆う装甲は誰かさんがテントに使ってる特殊多層装甲を採用しているわ。ブルーブラスト駆動式なのは第一世代から変わらないけど、そのエネルギー効率を上げるために金属部品は上質精錬青鉄鋼の割合が増えた新世代合金が使われてるの。より正確に言えば811上質精錬青白黒合金がほとんどで、これによってとっても綺麗なナイトブルーの車体に仕上がってるの。ちなみにエネルギー効率は第一世代と比べて22%ほど上昇したそうよ。群島を繋ぐ橋を渡ることが多いから、車体の計量化も図られていて、第一世代から5%くらい軽くなってるわ。最高速度もカタログスペックだと時速700km出せることになってるけど、レールや橋梁の損耗を考えて普段は時速300km前後で走ってるのは周知の事実ね。路線のメンテナンス任務は常設されてるらしいから、アンタも生産スキルを鍛えて協力したらいいんじゃないの?
そうそう、第二世代は車両の内装にも拘っていて、大部分を占める通常客車も座席を斜めに配置することで通路の幅と座席の快適性を両立できるように工夫が成されてるわ。車窓はより広く拡張されつつも防御性能は落とさないように特殊な強化ガラスが使われているんだけど、これは強い衝撃を受けて破損しても無色透明な薄いフィルターのおかげで破片が拡散しないようになってるの。普通の客車以外にも第二世代には新たに特別客車や有料のVIP車両もあるらしいわね。一度くらい乗ってみたいものだけど、アンタがその乗車料払えるか分かんないわね。真偽は定かじゃないけど、伝説の稲荷寿司弁当を販売するおいなり車両なんてのもあるらしいわ。
第二世代ヤタガラスの機関部出力はさっきも言ったように金属部品の改良なんかで第一世代と比べて50%以上上昇したみたいだけど、その分車両の連結数を多くしてるわ。第二開拓領域をより効率的に開拓するため、一度に運べる調査開拓員や物資の数を増やす為ね。あとは装甲自体も第一世代と比べて分厚く重くなってるの。これは第二開拓領域が第一開拓領域と比べて危険性が高くて、〈
そうそう、第一、第二世代どっちもそうなんだけどね。ヤタガラスの先頭車両、つまり機関車両だけど、そこには有事に備えてBB式大規模物質消滅爆弾っていうものが搭載されてて、管轄管理者と指揮官の承認が合った場合には――。
なに? 時間が無い? あら、もう〈コノハナサクヤ監獄闘技場〉に着いたのね。やっぱり第二世代は快適だわ。しかたないから残りの解説は後にしてあげる。この〈コノハナサクヤ監獄闘技場〉の設備もなかなか興味深いところがあって――。
第752話「個性の芽生え」
◇デラックスユラユラジャンボたこ焼きEX
水影のユライユリ収監を記念して開発されたたこ焼き。88種のフレーバーと8種のサイズを展開するシリーズのうち、三番目の大きさの詰め合わせ。888個のジャンボたこ焼きの中には88種類のフレーバーがランダムに入っている。
みんなでもひとりでも! ドキドキハラハラのたこ焼きパーティーで盛り上がろう!
第753話「挑戦する男」
◇ジャンボバケツフライドポテト(クリムゾンホットヴォルケーノハバネロキリング味)
とても大きなバケツに入ったフライドポテト。総重量5kgの大ボリューム。カリッと揚がったフライドポテトはサクサク食感で無限に食べられる。
7種のスペシャルフレーバーのうち、クリムゾンホットヴォルケーノハバネロキリング味はとっても刺激的。手に汗握るスリリングな戦いのお供にぴったり。
非常に辛い商品です。辛いものが苦手な方や小さなお子様はご注意ください。状態異常解除薬などは売店でも販売しております。
第754話「相性の利」
◇
中位霊獣。獣の血を飲み続け、怨念を受けながら死んだ鉄鎌鼬の骨片より召喚される。骸となってなお、激しい吸血衝動を持ち、研ぎ澄ました鋭利な腕部の鎌で熾烈な斬撃を放つ。肉を断ち、血を啜り、飽くなき渇望を僅かでも癒やすものを求め、彷徨っている。
第755話「存在の理由」
◇『斬咬刃』
〈剣術〉スキルレベル70のテクニック。二刀流専用。
二振りの刀で両側面から対象を挟み、切り落とす。
対象の急所に当てた場合、クリティカル攻撃力が50%増加する。
獰猛なる獣は一咬みで獲物の喉笛を噛み斬る。そこに慈悲も憎悪もなく、ただ目的の達成のみがある。
第756話「その先へ征け」
◇試作品稲荷寿司-No.297
管理者コノハナサクヤが秘密裏に製作している特別な稲荷寿司。沸き上がるインスピレーションと創作意欲の勢いの果て、誰も止める事ができない暴走の産物。
No.297は植物型原始原生生物管理研究所にて管理されている“我が身喰らう黒炎の蛇草”をベースに開発が行われた。
絶えず自壊と再構築が繰り返され、分子レベルでの活発な流動が行われている。斥力発生装置による浮遊状態でのみ安定で、別の物質と触れた場合には激甚な物質崩壊、および局所的な対消滅が起こる可能性が高い。
“口の中に入った瞬間、舌が溶けるような刺激的な味わいが広がるのう。噛まずとも解けていくのじゃ。これならば咀嚼機能が衰えた者でも問題なく食することができるじゃろう。おあげの下にある米は黒い炎に包まれておって、それもまたジュワジュワと面白い刺激となっておる。
しかし食感は面白いが味は単調じゃ。というより、食べた時点で味蕾センサーが崩壊するから、一般の調査開拓員が食せば無味となるじゃろう。そこを上手く改良できれば、更に良いおいなりさんになると思うのじゃ。
それ以外の問題点は、囓ってしまうとその時点で半径5kmの範囲内が崩壊する可能性が出てくることと、丸呑みした場合は適切な防護機能が無ければ機体諸共灰燼と帰すことくらいじゃな。
美味しさは25点、危険度は98点。総合評価は☆2つじゃな。”
――〈おいなりさん研究家Tさんのレビュー〉
第757話「立ち込める暗雲」
◇烏龍茶
お湯や水を注ぐだけで簡単に作れるお手軽パックシリーズ。独特な香りの広がる味わい深いお茶。飲むと心が安らぐ。
フィールド上でも調理可能。飲むと一定時間LPが徐々に回復していく。
第758話「空から来た子」
◇試作・高度降下用パラシュート
試験運用中のパラシュート。理論上は高度2,000m以上からでも安全に降下することが可能。タイプ-フェアリーなどの軽量機体の場合、傘体展開部の機構が不安定な挙動になる可能性があり、改善が求められている。
第759話「蒼氷の巨人」
◇大規模相互循環式纏装機術“
27個のアーツチップによる、15種の上級機術を複合し、相互に連結した上で術者自身を核として展開する特殊なアーツ。非常に扱いが難しく、また消費するLPも膨大になるが、単身で環境すら変えるほどの絶大な力を発揮することができるようになる。
“蒼氷の巨人”は五つの属性のうち、水の力を持つ者。その力は三相に及び、周囲の水の全てを意のままに操り、使用することができる。
第760話「巨人対決」
◇粉砕する聖鎚
三つのアーツチップによる上級攻性アーツ。邪悪なるものを破壊する聖なる鎚を生成する。
破壊属性値+500、部位破壊値+45%、属性増幅+20%の巨大なハンマーが出現する。出現後は自由落下し、術式が崩壊した場合消失する。
第761話「お墓参りへ」
◇〈上級機術師指名任務;暗き穴に眠る月〉
危険度:レベル5
場所:アマツマラ地下坑道
説明:
〈アマツマラ地下坑道〉内部にて、採掘作業員から原因不明の振動および
なお、本件には機術に対する高いスキルレベルが要求される。また予測される危険度も高く、あらゆる事象において不明瞭な点が多い。そのため、T-2により上級機術師指名任務に指定される。
遂行報酬:上級アーツチップ
第762話「吊られた人参」
◇『解剖鑑定』
〈鑑定〉スキルレベル30、〈解体〉スキルレベル70のテクニック。
死んだ原生生物の身体を解体し、その構造や状態を精査する鑑定技術。原生生物の死因などを特に詳しく調べることができる。
第763話「立ち上がる巨人」
◇『
5種の攻性機術を内包する輪唱機術。五人の機術師に“
第764話「無自覚な天才」
◇『広がる稲妻』
二つのアーツチップによる初級アーツ。
自身を中心にした円形の範囲内に放電し、周囲に存在する対象を感電させる。
第765話「熾烈な競争」
◇『天地鳴動風林火山五色彩色極光線』
火、水、土、風、雷の五属性を複合する大規模なアーツ。五属性が渾然一体となった極太のエネルギー線を放ち、その線上に存在するあらゆるものを消滅させる。その圧倒的な破壊力から10秒間のみしか発動できず、その後30分は再使用ができない。
第766話「氷の輝き」
◇『荒れ狂う氷礫の嵐』
四つのアーツチップによる上級アーツ。黒雲を生み出し、鋭い氷礫の雨を降らせる。氷礫が刺さった対象は傷を起点として凍結し、完全に凍結した場合は崩壊する。
第767話「一矢の下に」
◇『白氷矢貫くはただ一つの獣』
六つのアーツチップによる上級アーツ。細い氷の矢を放つ。貫通力+200、凍結中の対象に威力増大、猛獣系の対象に威力増大。複数の対象を狙うことはできない。
第768話「戦いの功労者」
◇状態異常“凍結”
長時間寒冷環境に身をおき続けたり、大規模な水属性機術を使用し続けたりした場合に発生する。機体の大部分が凍結し、身動きが取れなくなる。状態異常発生中、行動が大幅に制限される。また、装備中のアイテムを変更することができなくなる。
第769話「ただ一人に送る歌」
List
重要度☆☆☆
☑服を褒めてもらう
☑芸術広場へいく
☑戦旗店〈KOYO〉へいく
☑喫茶〈リトルギャング〉でお茶する
☑ランチハウス〈白い亀〉の苺マカロニグラタンを食べる
☑手を繋ぐ
☑歌を送る←やっぱなし
☐自室に誘う
☑野次馬共を〆る
第770話「大空を翔る翼」
◇『空翔る七彩の大翼』
大規模相互循環式複合機術。五属性の攻性機術、防御機術、支援機術によって構成される大規模なアーツ。それぞれが高いレベルで調和を取ることにより、高速で飛行するアーツオブジェクトを出現させる。
周囲の原生生物を自動的に捕捉し雷によって攻撃する。また外部からの攻撃は展開された障壁によって阻む。炎と水蒸気による爆発を強風によって促進させる。オブジェクトの基幹は高硬度の岩石系オブジェクトによって構成され、機術発動中の無防備な機術師たちを保護する。
第771話「甘い甘い夢」
◇〈フラワーサン〉
海洋資源採集拠点シード02-ワダツミ商業区画にあるカフェ。ふわふわで分厚いボリュームたっぷりなパンケーキが看板商品。様々なトッピングを自由に選び、オリジナルのカスタマイズを作ることができる。
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