記録集積-No.25

第25章【海底都市の人魚姫】

第1071話「祝祭の乙女」

◇特別取調室

 中央制御塔内、人工知能矯正室の一角に設置された部屋。特殊な防御構造と頑丈な装甲壁を備え、非常に攻撃的な調査開拓員や重要参考人を保護、確保するために使用される。瞬間調光ガラスの窓で仕切られており、外部から一方的に観察することが可能。

 ドアにはカツ丼搬入用の専用小型扉が取り付けられている。


第1072話「食糧を求めて」

◇喫茶〈シーサイド〉

 シード02-ワダツミ商業区画にある喫茶店。広いウッドデッキのオープンテラスが特徴で、爽やかな洋上の風を感じながら、様々な軽食を楽しむことができる。

 店の主人は生粋の貝殻蒐集家。珍しい貝殻を持ち込めば、高値で買い取ってくれるだろう。


第1073話「果てしなき深海」

◇〈怪魚の海溝〉

 第三開拓領域〈イヨノフタナ海域〉の第一域。広大で底知れぬ海洋の玄関口。ここより先に陸地はない。

 浅海には小型の魚類が生息しているが、深海に向かうほどより強大で獰猛な大型原生生物が現れる。


第1074話「胃の中の二人」

◇爆砕ボルト

 爆薬を内部に仕込んだ特殊なボルト。緊急的に分離する必要のある構造などに使用される。使い捨て前提であるため費用対効果は低いが、かっこいい。


第1075話「珊瑚礁の中」

◇酸素ボンベ

 潜水時に使用される装備。内部に酸素が詰まっている。これによって水中での活動時間を延長させることができる。標準的なタイプ-ヒューマノイドであれば1本で30分ほど酸素補給が行える。


第1076話「救出作戦」

◇“珊瑚の騎士コーラルナイト

 〈怪魚の海溝〉大珊瑚礁地帯に生息する大型の甲殻類。珊瑚礁を掘り進め、内部に複雑な洞窟を形成する。その際に出た珊瑚の欠片を特殊な体液で固め、身に纏う武装へと変える。個体ごとに武装の好みが確認できる。

“珊瑚の宮殿を築き、そして守る寡黙な守護者。立ち入る者に遠慮はしない”


第1077話「水中の戦い」

◇『因血爆呪』

 〈呪術〉スキルのテクニック。獣の血によって作られた特別な呪符を用いる強力な呪い。血の呪いを刻んだ対象に使用する。

 呪力を込めた血が体内を駆け巡り、その魂を直接破壊する。

 過去一定時間の間に対象へ与えられた総ダメージのうち一定の割合を固定ダメージとして与える。

“その呪いは防ぐこと叶わず。受けた咎が再び苛む。”


第1078話「鳴り響く呼声」

◇“ミサイルフィッシュ”

 〈怪魚の海溝〉に生息する大型の魚類に似た原生生物。十から二十程度の群れを作り、常に高速で回遊している。高速回遊に適応した流線型の体をしており、先端部は非常に硬質で鋭い。非常に機敏で捉えることも困難だが、うまく誘導できれば一網打尽にできる。


第1079話「追い立てる海竜」

◇『耐え凌ぐ滑らかな三重障壁』

 四つのアーツチップからなる防御機術。硬質で表面の滑らかな障壁を三重に展開する。障壁には歯が立たず、爪も掛からない。滑りやすい形状になっているため、攻撃を効率よく受け流すことができる。


第1080話「地獄のお手玉」

◇『フルスイング』

 〈杖術〉スキルレベル40のテクニック。勢いよく鈍器を振り、対象を強い力で吹き飛ばす。ダメージは少ないが、強いノックバックを与えることができる。

“力を込めて、振り抜いて。一発かますぜホームラン!”


第1081話「些細な問題」

◇三つ葉亭季節のおいなりさん(秋)

 和と自然の美しさを追求する三つ葉亭の特別な稲荷寿司。丁寧に時間をかけて抽出したお出汁の優しい味わいがじんわりと滲む油揚げ、木の子や山菜を混ぜ込んだ香り高い五目ごはん。優しく摘めばじゅわりと出汁が溢れ出す、贅沢な逸品。

 3個セットで8,000ビット。期間限定、一日数量限定での販売。ご予約は受け付けておりません。


第1082話「海を呑む」

◇呑鯨竜

 〈怪魚の海溝〉に生息する非常に巨大な海棲原生生物。鯨に似た外見をしているが、太い牙を持ち、大型の怪獣類も捕食する旺盛な食欲を持つ。長い年月をかけて成長し、成体となれば一つの島を背に載せるほどとなる。故に成体はあまり動かなくなるが、同胞が傷付けられたり、自身の周囲に強い危険を感じた場合には天変地異のごとき激しい動きで抵抗する。


第1083話「究極の選択」

◇ラッキーアイテム

 占いによって調べることができる、その日の運勢を上げる幸運のアイテム。ラッキーアイテムを所持していれば、幸運を呼び込むことができる。


第1084話「大鯨の中の海」

◇貯蓄袋

 呑鯨竜が有する特殊な内蔵器官。十分な食料を得た呑鯨竜が、余剰分を保管しておく場所であり、内部で特殊な菌類を保有しており、その力を借りて食料が発酵する。これによって大量の食料を長期間に渡って保存することができる。


第1085話「逆転する黒い海」

◇ファイティングスピリットによる補足文書

[情報保全検閲システムISCSによって安全性が確認されました]

[当該文書を公開します]

 深き海の底にある、黒き水の中。闇の満ちる大水の誘いと共に、藻屑は泡沫となる。包み隠し、粘りつき、かたく守る。結ばれた紐を解きたければ、黄泉へと注ぐ水を飲み干せ。永遠の眠りは水底に。古き栄華は閉じたる貝の中にて続く。

――元第二開拓領界統括管理者エウルブ=ピュポイ


第1086話「粘菌たちの海」

◇ファイティングスピリットによる補足文書(管理者クナドによる翻訳版)

[情報保全検閲システムISCSの要請により、管理者クナドによる当該文書の翻訳が行われました]

[翻訳の精度は未知数であることに留意してください]

 第三開拓領域〈イヨノフタナ海域〉の第一域〈怪魚の海溝〉は広大で深い海洋フィールドである。そして、その海の中にまた別の黒い水の海がある。暗闇に閉ざされたその海の中に踏み入った者は、即座に死ぬだろう。その海は何かを隠すため、侵入者たちに取り付き、その歩みを阻む。海の妨害を退けたければ、その海の水を飲まねばならない。海の底にて閉じた貝殻の中に、かつての繁栄の残滓が封印されている。

――翻訳:元〈淡き幻影の宝珠の乙女ファントムレディ〉、クナド

[文書作成者より名義変更の要請が33件送られています]

[情報保全の観点から、要請は全て却下されます]


第1087話「貝を守る者」

◇〈怪魚の海溝〉海底より回収された文書

 〈怪魚の海溝〉にて調査開拓活動に従事していた調査開拓員が発見した古い金属板。著しい経年劣化の兆候を示しており、大部分は解読不可能なまでに損傷している。また、刻まれている文字は地下言語との相似点が見られるものの、異なる言語体系であると推測される。

 以下に解読途中の翻訳文書を掲載する。

 “拠……衛兵器群……稼働止まら……復旧……能………………ごめん”


第1088話「海底都市」

◇ファイティングスピリットの声明文

 現時点をもって、第零期選考調査開拓団第三開拓領海統括管理者エウルブ=ピュポイは、 〈絢爛たる闘争のファイティング祝祭の乙女スピリット〉の名と共にその役職を放棄する。そして、海底都市アトランティスの管理者、ポセイドンとなることを宣言する。

 また、アトランティス管理者として第一期調査開拓団に告ぐ。今後、都市への干渉、および都市所在地たる呑鯨竜体内への侵入の一切を禁ずる。これを侵害したことを確認した場合、あらゆる手段を用いてそれに対抗する。


第1089話「混乱の会議」

◇極上ふわふわいなり

 和食処〈折々〉が一日数量限定で販売する特別な稲荷寿司。極厚のお揚げはふわふわふかふかで、たっぷりと濃厚な出汁を吸い、口の中でじゅんわりととろける。まるで綿菓子やマシュマロのような優しい食感で、心も体も溶けてゆく。

 3個入り1箱10,000ビット。1日30箱限定での販売となります。


第1090話「彼女のために」

◇シード02-ワダツミにおける区画崩壊事故について

 先ほど海洋資源採集拠点シード02−ワダツミの大門広場区画にて発生した崩壊事故は、管理者の誤操作によって爆砕ボルトが暴発したことが原因であると判明しました。事前の進入規制によって調査開拓員の巻き込みは確認されていませんが、これにより生じた損害は都市管理者を通じて確実に補償されます。

 なお、管理者は「一度やってみたかった。反省はしているが後悔はしていない」と供述しており、今後の再発防止のため指揮官より厳重な注意が行なわれました。


第1091話「舞い踊る青領巾」

◇作品No.73730“舞い踊る青領巾”

 〈ビキニアーマー愛好会〉によって開発された水中機動戦闘用ビキニアーマー。極細の紐状水着のような外見だが、LPの供給を受けることでアーツによる魚の尻尾型の障壁をヴェールする。

 水中での機動力を大きく高め、一定のダメージカット能力を持つ。また海の力を支配することで周囲に急激な渦を巻き起こす『渦潮』を発動させることができる。

“幻想的な青のビキニアーマー。魚鱗によって見えないことが、逆にその神秘性を高める。見せつけるビキニアーマーから発想を転換させた、見せないビキニアーマーである”


第1092話「暗い水の底で」

◇〈怪魚の海溝〉海底より回収された文書-02

 〈怪魚の海溝〉にて調査開拓活動に従事していた調査開拓員が発見した古い金属板。著しい経年劣化の兆候を示しており、大部分は解読不可能なまでに損傷している。また、刻まれている文字は地下言語との相似点が見られるものの、異なる言語体系であると推測される。

 以下に解読途中の翻訳文書を掲載する。

 “逃………験生物……放…………市機能……損しま……”


第1093話「第一の関門」

◇退避命令

 第三回拓領域〈イヨノフタナ海域〉第一域〈怪魚の海溝〉は、現在、甚大な災害が発生する可能性が非常に高まっています。そのため、一時的に当該フィールドへの立ち入りを禁止し、現在活動中の調査開拓員には退避を命令します。

 退避命令の発動中に当該フィールド内で行動不能に陥った場合、機体回収費用が増額され、スキルデータの破損も大きくなります。

“とてつもない危険があるのじゃ。絶対に立ち入るでないぞ! 絶対じゃぞ!“――管理者T-1


第1094話「野外調理」

野外料理人ワイルドシェフ

 〈料理〉〈野営〉任意の武器系スキル一種を条件とする複合ロール。フィールドでの屋外調理術を極める豪快な料理人。暖かく美味な料理は戦いで荒んだ心を癒す。

 フィールド上で品質の良い料理が作れるようになる。戦闘調理術系統のテクニックの効果が大きくなる。


第1095話「華麗な猛進」

◇『星の導き』

 〈占術〉スキルレベル60のテクニック。占星術によって星の輝きが旅の行き道を指し示す。

 正しい道を選ぶ。星の出ている夜であれば、正確性が高まり、星のない場所では精度は低くなる。

“その先にどんな艱難辛苦が待ち受けようとも、星々は必ずあなたを見守っている”


第1096話「出迎える者達」

◇呑鯨竜の強酸胃液

 呑鯨竜の胃袋にあるとても強力な消化液。あらゆる物質を瞬く間に溶かし、栄養素へと還元する。特殊な粘菌が分泌するもので、呑鯨竜自身が精製するものではない。しかし、呑鯨竜自身はまた別の粘菌によってこの消化液を中和し、胃壁を守っている。


第1097話「いざ強酸性の海へ」

◇ワイルドレッドビキニ

 〈ビキニアーマー愛好会〉が開発した汎用ビキニ型ビキニアーマー。見た目は鮮やかな赤の美しくワイルドな印象を持たせるごく普通のビキニだが、実際には非常に高度な技術が詰まったビキニアーマー。インフェルノアラクネーの赫糸を高密度で織り、そこに高度情報集合体Ωの次元変異対照存在による非実在式空間断絶隔離理論を応用した位相反転防御障壁展開プログラムを内蔵している。そのため、装備するだけで最大LPが半減するデメリットが存在するが、高い防御性能と軽量性、柔軟性を実現した。

 なお機能の過剰な詰め込みによってサイズ調節が困難であり、タイプ-ヒューマノイド、タイプ-ライカンスロープの標準的な機体でなければ装備が難しい。


第1098話「こわい海の中」

◇『降り注ぐスコール・冷血の氷雨アイスブラッド

 五つのアーツチップで構成される水属性攻性機術。広範囲に凍結した鋭い血の雨を振り撒き、多数の敵性存在にダメージを与える。対象の現在HPに対する8%の割合ダメージを与え、そのうちの3%を自身のLPに還元する。


第1099話「白き光の標」

◇水中言語翻訳機

 ドワーフによって開発された言語翻訳機を元に、人魚たちの扱う水中言語の翻訳を行うために開発された翻訳機。地上言語との円滑かつ相互的な翻訳を目指しているが、未だ発展途上。


第1100話「真珠宮殿」

◇海底街“パルシェル”

 呑鯨竜の胃袋底部に存在する人魚の町。原始原生生物と推定される巨大な真珠貝を中心に発展しており、街全体が炭酸カルシウムを主成分とした固い真珠質に覆われている。

 人魚族が代々暮らしてきた拠点であり、周囲に二十四の監視塔が建てられている。


第1101話「人魚の姫君」

◇真珠宮殿

 海底街〈パルシェル〉の中心にある巨大な真珠をくり抜いて築かれた宮殿。天然の真珠による建築物で、非常に硬く堅牢。

 内部には人魚族の姫が住まい、彼らを導く。


第1102話「人魚姫の故郷」

◇緊急救難信号発信ホイッスル検知記録

 第三開拓領域〈イヨノフタナ海域〉第一域〈怪魚の海溝〉にてホイッスルの反応を検知。座標特定、情報収集に努める。

 なお、ホイッスルの識別番号は第零期先行調査開拓団員第二開拓領界統括管理者エウルブ=ピュポイのものと合致している。


第1103話「軽はずみな発言」

◇ミスティックツリー

 〈奇竜の霧森〉に根付く希少な樹木。特殊な幻惑作用のある霧を生成し、周囲の原生生物を遠ざける。調査開拓用機械人形も近づくだけで各種センサーに異常をきたし、“混乱”の状態異常が発生する。また、25%の確率でダメージを無効化する。

 “迷いの森の奥地に隠れる神秘的な木。その内に宿す力は、多くのものを惑わせる。”


第1104話「外部との連絡」

◇大容量情報通信ケーブル

 離れた二地点間での情報通信を行うケーブル。50TBPSの大容量通信が可能であり、ハッキングや盗聴などの外部干渉にも一定の防御力を持つ。

 高耐久性保護外被覆により、海底や溶岩中などといった過酷な環境にも敷設することができる。


第1105話「水中の盛宴」

◇オッポチョレッペのポポピコ〜ぺぺップパプラのプイポイ風〜

 オッポチョレッペのポポピコをポッポしてピロプラした料理。ペペップパプラのプイポイのようにオッポチョレッペを仕上げている。見た目にも美しい、人魚族の定番の宴会料理のひとつ。

“本物のペペップパプラのプイポイするのはながなが大変だはんでな。ばって、オッポチョレッペでもめす、こっちの方好ぎだってしゃべるやづも多ぇくれだ。アトランティスじゃあペペップパプラポッポする前さペケプンプンすちゃーってしゃべるはんで、豪勢なもんだ”――人魚族の料理長


第1106話「奇奇怪怪」

◇愛護の天使装備セット

 怪我人を優しく労わる慈愛を持った愛護の天使をモデルにしたナース服のセット。薄いピンク色が優しい雰囲気を醸し出す。

 〈支援機術〉〈手当〉スキルのテクニックの効果料が上昇する。


第1107話「食料の増殖」

◇推定原始原生生物“増殖する干乾しの波衣”

 突如〈怪魚の海溝〉に発生した推定原始原生生物。周囲の海水を飲み込みながら、急激に生長するワカメに似た原生生物。その無制限の成長によって、瞬く間に海を干上がらせる。

 その特徴から原始原生生物であると推定されるが、一部において説明のつかない挙動を見せる。

 発生源は呑鯨竜の体内であると考えられる。


第1108話「喰らう厄災」

◇高速微細振動電磁焼却刃

 警備NPC SDG19-A02-0385に試験的に導入された近接戦闘専用アタッチメント。四本の機械脚の先端に仕込まれ、平時は格納されている。展開すると3枚の三日月型ブレードが広がり、帯電する。高速回転と高速微細振動によって鋭い斬れ味を発揮し、様々な対象を木っ端微塵にすることができる。


第1109話「湧いて出た食料」

◇強化遺伝子

 ”生命の種“より発生した人工遺伝子構造物。生命の潜在的な能力を増幅、拡張、強化する因子となる。世代交代の中で継承されにくく、次第に自然消滅していく。


第1110話「ワカメの献立」

◇マシラ専用調理工場

 〈マシラ保護隔離施設〉に建造された大規模な調理工場。大量の食材を迅速に扱える調理センターであり、マシラの食欲を満たすために稼働している。

 機能はほぼ全て自動化されており、献立を登録すると自動で調理が行われる。

 炊飯機能だけでも、一日最大200万トンの炊飯を行えるだけの能力を持つ。


第1111話「風が吹けば」

◇ワカメバーガー

 〈マシラ保護隔離施設〉で提供された、マシラ用の食事。ワカメを練り込んだワカメパンに、ワカメ由来の植物性合成肉によるパティ、ワカメソース、ワカメ、ワカメステーキ、ワカメサラダを挟んだワカメづくしのハンバーガー。

“まずい!”――ミート


第1112話「最善の策」

◇オペレーション“アラガミ”

 調査開拓員レッジによって提案され、管理者ウェイドによって計画された特殊作戦。

 調査開拓地にて原始原生生物による意図的な環境負荷の上昇を引き起こし、猛獣侵攻スタンピードを発生させる。これによって現れた大量の原生生物を空腹状態のマシラの食糧とする計画である。

 環境負荷はマシラの捕食行動によって減少し、短時間で猛獣侵攻も停止すること、同時に満腹状態となったマシラもイザナギの支配下に収まることが事前のシミュレーションによって確認されたため、T-3によって承認された。

 実行には管理者ウェイド、管理者コノハナサクヤ、指揮官T-3、および実施地域の担当管理者の監督を必要とする。


第1113話「一難去って」

◇呑鯨竜の胃壁

 呑鯨竜の胃袋を構成する組織。非常に強靭で耐久性がある。強力な胃液にも耐えるだけの堅牢性があり、また表面は分泌された粘液によって滑らか。登攀も難しく、胃袋に送られた獲物はそのまま死を待つしかない。


閑話「あるメイドロイドの受難」

◇上級機械人形盗難事件

 シード01-スサノオにて発生した、上級機械人形の盗難事件。中央制御区域、制御塔二階の上級機械人形格納庫のセキュリティが突破され、廃棄処分が確定したFF型NPC-123一機が盗まれた。

 この事件の首謀者、および共犯者はすでに判明。処罰として、首謀者には2000万ビットの賠償金、共犯者にはセキュリティプログラムのアップデート任務を課した。

 盗まれた上級機械人形FF型NPC-123については、本人の強い意向もあり首謀者である調査開拓員ネヴァのメイドロイドとして雇用された。


第1114話「夢見る愚連隊」

◇パールシャーク四式

 水中での高速移動を補助するBBエンジン式ジェットバイク。〈パルシェル〉で採取される大真珠の真珠質を装甲に採用することで、堅牢性と耐酸性を獲得した。

 内部に強力なBBエンジンを搭載しているため非常にパワフルだが、爆発の可能性も拭えない。過去3回の試作機によって取れたデータを元に最大限の対策を行っている。

“理論的には0.03%くらいの確率でしか爆発しないし、平気だと思うわ”――ネヴァ


第1115話「秘密の作戦行動」

◇作戦指示書

 〈指揮〉スキルによって作成できる特別な書類。調査開拓員同士での大規模行動に使用される。この作戦指示書に記された行動を遂行する場合、調査開拓員の各種能力が上昇する。


第1116話「星々に導かれ」

◇『星現しの青砂』

 占星術師の見る夜空に隠れた星々を明らかにする技。夜天に散らばる星々を青い砂で形取る。


第1117話「強さの秘密」

◇ファットフィッシュ

 〈怪魚の海溝〉、呑鯨竜の体内に生息する海棲原生生物。非常に弾力のある分厚い皮を持ち、特殊な皮下脂肪を蓄える。その動きは非常に不規則で捉えづらく、捕食対象の逃げた先へ回り込んで大きな口で丸呑みにする。

 プルプルとした肉質でコラーゲンたっぷり。


第1118話「戦力調査」

◇『忍法・身代わりの術』

 〈忍術〉スキルレベル60のテクニック。“身代わりの丸太”を使用して、一度だけ即死級の攻撃を回避しつつ、敵の死角に回り込む。

“窮地を脱し、不意を突く、忍の本懐とも言える術。それゆえに極めるのは難しい。”


第1119話「先阻む黒壁」

◇ 特大破壊ミサイルHornet

 専用のロケットランチャーを必要とする特大ミサイル。自動追尾機能を搭載し、照準を合わせた対象に向かって高速で飛翔する。各種妨害を掻い潜る電磁装甲や斥力フィールド発生装置を備え、確実に対象を抹殺する。

 かなり高額な弾頭だが、そのぶん破壊力はお墨付き。


第1120話「入り組んだ管」

◇“衝波大根”

 品種改良の末に生まれた特殊な大根。非常に速い速度で生長し、急激に体積を増していく。その圧力は硬質な岩盤をも容易く打ち砕くほど。

 組成の強靱化に特化しているため、食用には適さない。


第1121話「腸迷宮の攻略法」

◇リラクゼーションティ

 安心印の安心院茶房が開発したオリジナルブレンドハーブティ。ほっこり一息つきたい時に、気持ちを和らげてくれる優しい甘さと風味の際立つ一品。

“ほっこりひといき”

 一定時間、LP回復速度が上昇。移動速度、防御力が低下する。ストレスが軽減される。


第1122話「澄み渡る音色」

◇スカイブルースカイ

 大人気アーティスト、ミネルヴァの楽曲。広がる空に飛び立つ開放感を歌う、爽快な曲調が魅力的な一曲。悠々と翼を広げどこまでも飛翔する鳥のように、青い空の果てまで進めるように。

 本楽曲はS-MUSICとの包括的利用許諾契約に含まれております。


第1123話「食い破る蟲」

◇無限複製空間整列結合理論

 [閲覧権限がありません]によって提唱された空間構造構築理論。11次元空間に鎖型連相2型術式を拡張し[閲覧権限がありません]の根源的存在意義を複製することにより、指定空間の無限複製および空間整列と結合を行い、限りない資源の増幅とリソース枯渇問題の回避を解決する。

 [閲覧権限がありません]によって実験体[閲覧権限がありません]に外科的手術を用いて実装され、[閲覧権限がありません]計画の土台となっている。


第1124話「平和な日」

◇テリヤキWベーコンチーズベーグル

 シード02-ワダツミ商業区画に存在する喫茶店〈水鈴〉の人気商品。焼きたてのベーグルに照り焼きチキンと厚切りベーコン2枚、たっぷりのチーズとレタスとトマトを挟んだボリュームたっぷりのベーグルサンド。同店で一二を争う人気商品であり、開店当初から存在する定番商品でもある。


第1125話「謎めいた龍」

◇Unknown-White

[情報封鎖処理済み]

当該項目は情報保全検閲システムISCSによって閲覧が制限されています。不正な閲覧を試みた者は無警告の抹消が許可されています。


第1126話「空からの落下」

◇『ブラストシャウト』

 〈歌唱〉スキルレベル40、〈戦闘技能〉スキルレベル45のテクニック。凄まじい声量で周囲の敵を威圧しつつ、圧縮した空気を放つことで吹き飛ばす。ダメージは与えられないが、聴覚の鋭い対象の場合は失神させることも可能。

“その大声は突風の如く。ことごとくを薙ぎ倒す”


第1127話「尋問と情報統制」

◇カツ丼いなり

 指揮官T-1が重要参考人を尋問する際に使用する稲荷寿司。内部にサクサクジューシーなトンカツを玉子でとじた、新感覚の稲荷寿司。これを食べた者はあまりの美味しさに感動して思わず秘密を明かしてしまうと言う。

“美味しいものを食べれば口も緩むのじゃ!”――管理者T-1


第1128話「水底へ向けて」

◇ 稲荷抜き稲荷寿司

 稲荷寿司から稲荷寿司を抜いた稲荷寿司。そこにあるのは純然たる“無”か、いなりか。もしくは寿司なのか。何もない、の中に存在する何かを求める挑戦的な稲荷寿司。

“薄味じゃのう”――管理者T-1


第1129話「海底街の成長」

◇不具合確認レポート

 先日のメンテナンスにおいて修正したオブジェクトを利用した異常跳躍に関して、新たな不具合が確認されました。めり込み時の強制排出力を低くした結果、オブジェクト内部で多重に反発が発生し、累乗的に増加してしまう現象が発生します。調査開拓員各位はオブジェクトへの干渉による大規模な破壊が発生しないよう注意してください。


第1130話「開腹手術」

◇〈手当〉スキル

 傷ついたものを治療するスキル。調査開拓員や原生生物の傷に対処することができる。傷を最小限に留める応急処置から、根本的な病原を取り除く手術まで。極めれば生命の神秘にすら手を伸ばすだろう。


第1131話「少女の名案」

◇装甲コンテナ

 頑丈性を重視した、非常に堅牢なコンテナ。積載量は少なくなるが、強い衝撃や腐食、熱などあらゆる侵蝕に耐える。高価で精密な機械などを運搬する際に使用される。


第1132話「ミートを探せ」

◇料理屋〈ファイアフィッシュ〉

 海底街〈パルシェル〉にある飲食店。人魚族の間でブームを起こしている焼き魚という新しい料理を提供する。お人よしの店主は焼き魚のために水密加熱オーブンを開発した。


第1133話「管理者の大失態」

◇忍術書

 忍術・忍法のすべてが書き記された秘伝の書。それを紐解けば特殊な術に関する知識を余すことなく取り込める。


第1134話「皿洗いの報酬」

◇クラック

 長年、無秩序に発展を続けてきた〈パルシェル〉に散在する、建物の隙間にできた小さな空間。大抵の場合は非常に狭く何の使途にも向かないデッドスペースではあるが、稀に裏道として利用できるものもある。公の地図には記載されておらず、近隣住民の間でのみ通じるものがほとんど。


第1135話「パニック!」

◇“荒鱗マグロ”

 呑鯨竜の胃袋に生息する分厚く尖った鱗を持つマグロに似た原生生物。常に高速で泳ぎ続けるため、その身は硬く引き締まっている。鱗は天然の防具であり武器である。まさに鎧袖一触、あらゆる障害を粉砕する。


第1136話「嫌いな物」

◇“荒鱗マグロの一本焼き”

 呑鯨竜の胃に生息する原生生物“荒鱗マグロ”に串を通し、炭火でゆっくりじっくりと焼き上げた一品。火を扱う文化のなかった人魚族にとっては珍しい料理であり、外はバリバリ、中はジューシーな新食感が人気を呼んでいる。

“爆裂爆走マッハGOGO!”

 一定時間、走る、泳ぐ、跳ぶといった移動能力によってLPが消費されなくなり、速度が非常に速くなる。一方、静止状態ではLPが徐々に減少し、ストレス値が増加する。


第1137話「気になる人」

◇管理人

 公式掲示板の書き込みを監視し、規約違反者を処罰するシステム。すべてのスレッドをリアルタイムで確認しており、書き込まれた内容に問題がないかを判断している。


第1138話「突撃海底都市」

◇中和粘菌溶液

 調剤系バンド〈エリクサーは使えない〉によって開発された特殊な薬品。呑鯨竜の強力な消化液を中和することができる。

 単体では呑鯨竜の消化液に匹敵する強力な溶解能力を有するため、取り扱いには注意が必要。


第1139話「食い破る大軍勢」

◇『我が戦旗の下にフラッグ・オブ蜂起せよ猛者たち・マリアンヌ

 〈応援〉スキルレベル80のテクニック。戦旗を高く掲げ、周囲の戦士たちを強く鼓舞する。それを見た者は全身に力を漲らせ、瞳に熱き闘志を燃やす。

“蜂起する勇士”

 戦旗が掲げられている間、攻撃力、防御力、移動速度が30%上昇する。テクニックによるLP消費が5%減少し、クールタイムが7%減少する。同様のバフを持つ調査開拓員が周囲に20人以上存在する場合、更に攻撃力が10%上昇し、ダメージカット能力15%が付与される。戦旗を持つ者の周囲にいる対象は更にLP回復速度が5%上昇する。戦旗を持つ者のLPが80%を下回った場合、全ての効果量が5%減少、以降20%ごとに5%減少していく。戦旗を持つ者が行動不能になった場合、“蜂起する勇士”の全ての効果が消失し、同時にこのバフを受けていた全ての対象のLPが半減する。


第1140話「うさぎとかめ」

◇『柱投げ』

 〈投擲〉スキルレベル60のテクニック。巨大な柱を投げるための特殊な投法。

“十分な質量と運動エネルギーを持つ飛翔体は、ただそれだけで激甚な被害を及ぼす。”


第1141話「増幅する力」

◇『穿孔拳』

 〈体術〉スキルレベル70のテクニック。打撃属性と刺突属性を持つ拳を素早く繰り出す。貫通力の高い打撃技。

“鋼拳を蜂撃の如く繰り出し、鞏固なる岩をも貫く。その指は神殺の槍に迫る。”


▶︎アップデートのお知らせ

〈格闘〉スキルの名称を〈体術〉スキルに変更しました。


第1142話「町の中へ」

◇『庇護の屋根』

 二つのアーツチップで構成される初級アーツ。頭上を覆う移動不可の障壁を展開し、頭上へ降り注ぐ攻撃を防ぐ。消費LPと詠唱時間、消費触媒の負担に比べて障壁は頑丈。数KB級の簡易な術式ではあるが、使いこなせれば便利。

“お嬢さん、私と相合傘しませんか?”――雨降る日の紳士ラブ仮面


第1143話「緑色の軍勢」

◇24式軽機関銃“ブルーハウンド”

 個人携行を想定して設計された軽量小型の機関銃。装弾数20発、分間400発。機術封入弾は装填できないが、速射性に優れ、物理弾を高威力で射出することによる高い制圧力が魅力である。

 “ブルーハウンド”は24式軽機関銃の改良型であり、水中戦闘を念頭に防水処理などが施されている。


第1144話「衝突する大群」

◇『巨人の大盾』

 〈盾〉スキルレベル70のテクニック。特大盾専用。盾の重量に比例して、自身の防御力を高め、体幹を強化する。

“その大盾は破城の鎚にも揺るがない。大いなる巨人の如き、不動ゆえ”


第1145話「飛び立つ龍の少女」

◇変異マシラ“ワイズ”

発生地:ホノサワケ群島第一域〈花猿の大島〉

収容由来:調査開拓員レッジによる和解

概要:

 身長5メートルの猿型。全身に白い剛毛を有する。異常な筋肉密度と骨密度による破壊力と耐久力により、高い戦闘能力を誇る。概算戦闘レベルは15。ミート(概算戦闘レベル17)に次いで、収容下の変異マシラの中でも高い危険性を持つ。

 一方で知能指数も高く、この点ではミートを遥かに上回り、変異マシラ内でも最高値を記録している。故に言語による交渉も通用し、潜在的危険性の割には収容事故発生件数も著しく低い。

収容方法:

 Mサイズ標準強化装甲高耐久収容棟にて収容中。暴走を予防するため、書籍媒体での情報投入を行う。日に一度、オペレーション“アラガミ”への参加を認める。

管理者による所見:

 能力の割に温厚な部類の変異マシラです。暴動には積極的に参加しているものの、実際には他のマシラの暴走を抑えるような行動も多く見られます。

 難しい内容の本を支給すれば、基本的には大人しく収容棟内で過ごしています。一方で他の変異マシラほど行動や思考が単純ではないため、収容レベルを下げることはできません。

 また、同じ調査開拓員によって安定化したためか、ミートたちとも特に友好的な関係を築いています。


第1146話「強力な助っ人」

◇黒呪の番兵

 朽ちたる水底の廃都にて、邪なる黒呪を守る沈黙の使徒。終わりなき巡礼を続ける悠久の信徒。秘めたる意志は鈍り、摩耗し、死の解放もなく生きる喜びも消えた儚き兵たち。暗中を彷徨し、救いを求める飢えた獣。


第1147話「マシラ四天王」

◇変異マシラ“スピン”

発生地:オノコロ島第四域〈鳴竜の断崖〉

収容由来:調査開拓員レッジによる和解

概要:

 六枚の翼を持つ小さな猫型。薄弱に発光しており、目や鼻といった感覚器は確認できない。非常に機敏な飛翔が可能で、記録上はマッハ1も確認される。概算戦闘レベルは13。

 一方で平時は一日の大半を睡眠に費やしている。必要性に駆られているわけではなく、おそらく性格的な欲求に起因する行動と見られる。

 口が存在しないため、通常の生物のような摂食行動は見られない。しかし、六枚の翼で獲物を“包む”ことによって、不明なメカニズムで摂食を行う。

 調査開拓員レッジによると、接触時の感触は“柔らかくてふにゃふにゃで暖かい”とのこと。なお、同調査開拓員による“猫じゃらし”計画は凍結されている。

収容方法:

 防音処置を施したSサイズ標準強化装甲高耐久収容棟にて収容中。本人からの強い希望により、クッションを支給している。収容棟内の温度は常に40℃以上に保ち、晴天時は上部を解放し太陽光を照射する。曇天、および雨天時、もしくは室温が35℃を下回った場合には、暴走に備える。日に一度、オペレーション“アラガミ”への参加を認める。

管理者による所見:

 基本的に温厚な性格のマシラです。ただし、快適な環境が維持できない場合には収容棟を完膚なきまでに破壊し、警備NPCをスクラップに変える凶暴性も併せ持っています。これを〈ウェイド〉の猫カフェに移したいとかいう馬鹿な話は今後一切聞き入れません。


第1148話「浮かぶ歌詞」

◇変異マシラ“ジャンプ”

発生地:オノコロ島第三域〈毒蟲の砂漠〉

収容由来:調査開拓員レッジによる和解

概要:

 全長3メートルの巨大な脚。おおよそ人型の逞しい脚に見えるものの、腰部以上の部位が確認できない。腰部は眩い光に接続しており、発光体はあらゆる観測手段を用いても詳細を確認できない。

 二脚による高速走行、および強烈な蹴撃を行う。その破壊力は乾燥花弁粉末火薬15gの爆発力に相当する。概算戦闘レベルは14。

 脚部は非常に強靭ではあるが生物学的特徴が多く、2000℃以上の超高温による火傷や、鋭利かつ硬質な刃物による裂傷を受ける。しかし、再生治癒能力が非常に高く、脚部全体の79%までの消失であれば3秒以内に再生する。

 また足先が非常に器用であり、指による把握から精密工具を用いた繊細な機械工作までをこなす。剣や鎚といった武器を扱うこともできるが、本人はあくまで“拳”で戦うことを好む。

 調査開拓員レッジによる足ツボマッサージを受けることで、一時的に危険性が下がる。一方で、同開拓員による“ジャンプの足踏みマッサージ店”計画は凍結されている。

収容方法:

 防音処置を施したMサイズ標準強化装甲高耐久収容棟にて収容中。支給品として高耐久カーボン繊維製ボールを用意し、破損した場合には即時交換を行う。

 本人が希望した場合、周囲の安全性が確保されていることを確認した上で収容棟天井の解放が許可される。本人が跳躍した際、その高度を測定し、通知する。

 日に一度、オペレーション“アラガミ”への参加を認める。

管理者による所見:

 ボール遊びとジャンプが好きなマシラです。スポーツに類するプログラムを提供すれば、大人しくしているでしょう。とはいえ“地団駄”を踏まれると非常に危険です。

 なお、調査開拓員ラッシュによる徒競走への挑戦申請は却下されます。


第1149話「激戦絶唱」

◇変異マシラ“ヤミー”

発生地:オノコロ島第四域〈雪熊の霊峰〉

収容由来:調査開拓員レッジによる和解

概要:

 体長7メートルのアザラシ型マシラ。全身に黒い斑点を持つ。マシラの中でも群を抜いて食欲旺盛で、特に動物性タンパク質の摂食を好む。食事中以外の大半の時間に空腹を訴えており、頻繁に暴走する。凶暴性は空腹状態に応じており、記録上最高の概算戦闘レベルは三時間の絶食を行った際の18。その際には収容棟のみならず〈マシラ保護隔離施設〉の七割が壊滅する異常事態を招いた。

 食事中や食事後30分程度は概算戦闘レベル11程度で落ち着いており、収容棟を破壊する頻度も半減する。

 寒冷に対する強い耐性を持ち、マイナス200℃環境下でも問題なく行動が可能である。一方で熱暑には比較的弱いため、200℃を超えると凶暴性が高まる。

収容方法:

 Mサイズ標準強化装甲高耐久収容棟にて収容中。内部は半分を水で満たし、氷を支給する。

 1時間に1度、300kgの動物性タンパク質食料を支給し、1日に1度、オペレーション“アラガミ”への参加が認められる。

管理者による所見:

 マシラ収容における問題児の筆頭です。大量の食料リソースを消費しなければなりません。合成肉はわずかに混入させた場合でも例外なく大規模な暴走へ繋がりました。調査開拓員レッジは高品質な肉を差し入れと称して給餌し、このマシラの舌を肥えさせることはやめてください。


第1150話「壁を砕く者」

◇フォートレスハート

 海底都市〈アトランティス〉の汚染された中央制御塔に刻まれていた古い歌。王子に恋焦がれながらも、身分の差から諦め心を閉ざす少女の物語。あるいは一人孤独に身を置く誰かへの福音。


第1151話「都市との融合」

◇『不停止整備』

 〈戦場鍛治師バトルスミス〉の基本的なテクニック。戦場で稼働している機械を、停止させることなく整備する。非常に整備難易度は高くなるが、隙を見せずに戦闘を続行させることができる。

“安全確認ヨシ!”――華麗なる整備士ゲンヴァー


第1152話「終わりよければ」

◇“三つ首の獄卒鮫ケルベロスシャーク

 海底都市〈アトランティス〉生体的実験区域No.0090に収容されていた非常に凶暴な原生生物。かつての実験により、人為的に遺伝子が改変されており、自然な進化の中には見られない異常な特徴を多く持つ。

 三つの首を持ち、一つの体を共有している。それぞれに個性があり、凶暴、残虐、無慈悲である。肉食かつ食欲旺盛、そして強靭な生命力を持つ。長い時の中を深い水中の闇に繋がれ、怨嗟を募らせている。

 しかし、有り余る力は何かによって奪われ続けているようだ。


第1153話「終演と始まり」

◇管理者成績投票最終結果

T-2 29,825,070,044

T-1 29,153,946,808

T-3 29,142,971,736

ウェイド 29,037,758,404

ミズハノメ 28,932,741,817

アマツマラ 28,770,332,109

キヨウ 28,679,883,311

ワダツミ 27,391,608,600

クナド 27,119,522,921

オモイカネ 26,872,268,893

ブラックダーク 26,395,819,165

コノハナサクヤ 25,738,006,685

ホムスビ 25,344,552,915

サカオ 25,292,650,799

スサノオ 25,035,272,656


▶︎総評

 各小作戦を率いた指揮官の得票数が多くなるのは想定の範囲内である。

 ウェイドが実質的な首位についたのは、積極的なマシラの捕獲や〈マシラ保護隔離施設〉の建造およびリソース管理、オペレーション“アラガミ”の実施、および〈アトランティス〉攻略時の変異マシラ派遣による功績が大きい。

 次点のミズハノメはやはり第二開拓領域が本作戦における主戦場となった点で評価された。

 アマツマラは地底部開拓侵攻作戦を牽引する活躍を見せ、調査開拓員からの評価も高かった。

 キヨウは少数の調査開拓員による森林伐採任務の成果が著しく、それによって大きく成績を上げた。

 スサノオ、サカオ、ホムスビに関しては、それぞれの担当領域での成果も一定のものを見せたが、他の上位陣に大きく人員を割かれたことの影響が見える。

 クナド、ブラックダーク、コノハナサクヤ、オモイカネの第零期先行調査開拓団関連は、司令部の想定よりも落ち着いた成果となった。

 しかしながら、本作戦遂行中に発見されたポセイドンや〈アトランティス〉、人魚族などは今後のより大きな調査開拓活動の躍進を期待させるものである。

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