記録集積-No.26

第26章【順風満帆の航路】

第1154話「ナキサワメ」

◇海洋資源採集拠点シード03-ワダツミ

 第三開拓領域〈イヨノフタナ海域〉第一域〈怪魚の邂逅〉海底に存在する第弐術式的隔離封印杭の保護と、同開拓領域の調査開拓活動の基盤的拠点として建造された海上都市。

 シード02-ワダツミと同様のメガフロート構造の浮動拠点であり、高度上質精錬特殊青白合金製浮橋によって高速装甲軌道列車ヤタガラスが接続されている。

 変異マシラの協働作業実証都市に認定されており、管理者ウェイドとの連携を取りながら、変異マシラの調査開拓活動参加を推進する。


第1155話「計画遅延」

◇ナキサワメ

 海洋資源採集拠点シード03-ワダツミの管理者。

 特殊開拓指令〈第二次万代の宴〉の実施後にシード投下が行われたシード03-ワダツミの管理を行う。

 管理者機体はシード02-スサノオの管理者ウェイドによるデザインで、姉妹となるワダツミ、ミズハノメと多くの特徴を共有している。

 仮想人格形成時のランダムシードの影響により、自己肯定感、自信が低いことが確認されている。計画立案能力、指揮能力、および総合的な管理能力は高い成績が確認されているため、実装許可が降りた。


第1156話「出勤の理由」

◇高耐久低遅延ディスプレイ

 素材開発専門バンド〈オリゴ糖ありがとう工業〉が開発した特殊ディスプレイ。マイナス100℃からプラス1500℃までの温度環境に耐え、更に乾燥花弁粉末火薬2g相当の爆発衝撃にも耐える高耐久と、0.01ms以下の低遅延を両立させたプロ仕様。過酷な環境下でのシビアな運用を想定している。

“弊社はよりmore甘くsweetly

よりless軽くcalorieを合言葉に、先進的な人工甘味料の開発に取り組んできた中で培われた分子工学技術を応用し、様々な新素材を世に送り出してきました。このディスプレイもその成果の一つです。ですが、ディスプレイ本体は糖分を含有せず、甘味もありません。舐めないでください。”――〈オリゴ糖ありがとう〉商品サポート


第1157話「管理者の武器」

◇“生太刀”

 管理者専用兵装。

 重大な危険が差し迫った場合にのみ、管理者に使用が許される特殊な兵装。スキルシステムを適用するならば、〈剣術〉スキルレベル500相当の技術を必要とし、相応の威力を発揮する。

 管理者専用特殊近接戦闘術の使用の際にも必要となる。

“使うだけで莫大なリソースを喰らう最終兵器なのじゃ。安易に使ってはならぬ。良いか、絶対によくよく考えた上で唯一絶対の選択肢であると結論付けた場合にのみ、必要最小限の使用に留めるのじゃぞ!”――T-1


第1158話「爪先に火を灯す」

◇非殺傷鎮圧術

 管理者ウェイドが開発した、管理者専用特殊近接戦闘術の派生流派。管理者専用兵装“生太刀”の莫大な消費リソースを極限まで削減することを念頭に、対象を殺傷することなく無力化することを求めた。納刀状態の生太刀を用いた打撃術であり、非殺傷とはいえそれなりの威力を有する。

“一度でいいので調査開拓員への使用許可をください”――管理者ウェイド

“ダメなのじゃ”――T-1


第1159話「眠らない都市」

◇六七式特大型鉱物運搬専用トロッコ

 〈アマツマラ地下坑道〉の大坑道で使用される特大型トロッコ。鉱物の運搬を想定した大型貨物車両で、300トン以上の積載量を誇る。

 特大型機獣もしくは特大機装〈カグツチ〉による牽引、手押しによって動かすことができる。

 現状最新である六七式は構造の改良と筐体への高度上質精錬金属の使用によって、軽量性と安定性をアップさせた。


第1160話「一大生産地」

◇第七十二大坑道

 〈アマツマラ地下坑道〉に開かれた72本目の大坑道。目標総延長は160kmで、主に黒鉄鋼の産出が期待される。


第1161話「突発宴会」

◇ビール

 別名、麦ジュース。疲れた体に染み渡る炭酸と喉越し。辛口のキリッとした爽快感。麦とホップの純粋さが心地よい。

『美味い!もう一杯!』

 肉体疲労を回復させる。酩酊度+5


第1162話「お酒大好き」

◇海洋資源採集拠点シード03-ワダツミにおける禁輸措置について

 同拠点にて発生した管理者の暴走によって、領域拡張プロトコルの進行遅延が発生したことを鑑み、指揮官T-1の命令で禁輸措置が発動されました。

 これにより、期間中はシード03-ワダツミへの酒類の持ち込みの一切が制限されます。これは管理者権限においても制限されるものであり、いかなる方法であっても許可されない密輸は厳罰に処されます。

 実行期間は現時点よりシード03-ワダツミの完成、および封印杭管理拠点パイル02-ファイトの完成、両施設の連携確立までとなります。

 また管理者ナキサワメに対しては指揮官T-1への始末書の提出、管理者ウェイドと管理者ホムスビに対する謝罪文の提出、および管理者ワダツミによる指導が行われます。


第1163話「更生と再犯者」

◇調査開拓員拘束手錠

 管理者のみが使用できる、非常に素行の悪い調査開拓員を拘束するための特別な手錠。非常に堅固な構造であり、解錠には三重の認証が必要となる。装備者のLPを半減させ、LP供給能力を停止、全ステータスを95%ダウン、移動速度を15%に固定する。


第1164話「指揮官のお仕事」

◇金属いなり

 〈ホムスビ〉の第十一大坑道のどこかにある露店で販売されている稲荷寿司。坑道で採掘された上質な金属を配合した、鉄分たっぷりのおいなりさん。一日30個の数量限定販売。

“一見すると客を寄せ付けないような特殊な販売方法は、店主が独自に雇用したコボルドのノッカーが非常に繊細な性格をしておるからじゃ。しかし、ノッカーの腕は確かで、彼が集める鉄は本当に美味なのじゃ。鉄に対して美味と称するのはなかなかに不思議ではあるが、実際に美味なのじゃから仕方がない。不思議な金属いなり、お主が真に求めるのであれば、磁石のようにお互いが引き合うことじゃろう。星5つなのじゃ!”――T-1


第1165話「大海原へ征け」

◇調査開拓用装甲戦艦クチナシ級

 海洋フィールドの未踏破領域調査開拓のために開発された大型装甲戦艦。定員は250名。大型ブルーブラストエンジン24基、大型ブルーブラスト増幅動力炉3基を搭載し、最大45ヶ月間の無補給航行が可能。艦体管理システムSCS-クチナシを備え、〈操作〉スキル80以上の調査開拓員2名での操船が可能となっている。また、200m圏内を射程とする近接防御システムを搭載し、軽度の原生生物襲撃には自動的に対応可能。船体各所に合計で2,000以上搭載された各種センサー類と接続することで、より柔軟な運用も可能。

 設計は造船専門バンド〈すっげぇ緑のクソデカタンカー運輸局〉、製造は〈プロメテウス工業〉によって行われている。

 同型のクチナシ級は現在十七番艦までが製造され、海洋資源採集拠点シード03-ワダツミに配備されている。将来的には50隻まで造艦される予定となっている。


第1166話「最新巡洋艦」

◇SCS-クチナシ-17

 クチナシ型調査開拓用装甲巡洋艦十七番艦に搭載されているSCSコンシェルジュ。クラスⅨ人工知能の高度な情報演算能力を用いて、大型艦の統括的な制御を行う。

 人工知能ではあるが仮想人格は搭載されていないため、あらゆる事態に対して着実に対処することが可能。


第1167話「青空の下」

◇“千手観音蟹”

 〈怪魚の海溝〉に生息する巨大な甲殻原生生物。頑丈な硬い外殻と、無数の腕を持つ。腕の一本一本の力もさることながら、仮に切り落とされても即座に生える強靭な再生能力も脅威的。

 非常に希少な原生生物であり、ナキサワメはその生態解明のため積極的な保護を要請している。

“外骨格を持つ原生生物でありながら、一瞬で腕を再生させるという能力は非常に強力で、調査開拓活動においても様々な分野への応用が期待できます。非常に珍しい原生生物ではありますが、発見した際にはぜひ生け取りにして持ち帰って欲しいです。”――管理者ナキサワメ


第1168話「SCSの謎」

◇SCS-クチナシ-17-α

 調査開拓員レッジによって大量のプラグインが追加インストールされた、クチナシ型調査開拓用装甲巡洋艦十七番艦に搭載されているSCSコンシェルジュ。クラスⅨ人工知能の高度な情報演算能力を用いて、大型艦の統括的な制御を行う。

 人工知能ではあるが仮想人格は搭載されていないため、あらゆる事態に対して着実に対処することが可能。

 フィッシュフライバーガーにはたっぷりのマスタードを挟むのが好き。

“ロールバックを申請します”――管理者ウェイド

“ロールバック拒絶されました!”――管理者ナキサワメ


第1169話「楽しむSCS」

◇ナキサワメ水中水族館

 海洋資源採集拠点シード03-ワダツミと封印杭管理拠点パイル02-ファイトの中間に存在する水族館。全方位ガラス張りの水中パノラマが一望できる。

 中央制御塔エントランスにて入場券が好評発売中。開館時間06:00〜22:30まで。22:00より新規入場はできません。

“普段はなかなか見ることのできない、自然体の水棲原生生物の姿をぜひご覧ください! 併設の売店では様々なグッズも販売中です。”――管理者ナキサワメ


第1170話「水上の路の痕跡」

◇航行支援標識〈ミオツクシ〉

 第三開拓領域〈イヨノフタナ海域〉に整備予定の海上標識。広大無辺な洋上での現在地特定と航路策定、および通信支援のため、一定間隔で設置される。各種センサー類も搭載し、得られたデータは環境マッピングやデータ処理に用いられる。

“安全な航海と効率的な調査開拓活動を支援するための重要な設備です。投下された〈ミオツクシ〉は文字通り、みなさんを導く澪標となることでしょう”――管理者ナキサワメ


第1171話「不可視の魚影」

◇『なでなで』

 〈調教〉スキルレベル5のテクニック。手懐けた原生生物を撫でることでスキンシップをとる。調査開拓員には効果がない。

“あら〜〜かわいいでちゅわね〜〜♡♡♡”――アニマルショップ〈ピンクの肉球〉店主ゲンゴロウ


第1172話「現実を疑え」

◇ネットワーク保全プログラムS.H.I.E.L.D

 通信監視衛星群ツクヨミの基幹ネットワークの保全を行うプログラム集合体。過去に発生した大規模なクラッキングインシデントに対応するため、T-1によって大規模な改修が行われた。

 安全上の理由から詳細な構造は最重要機密扱いとなっている。


第1173話「異界打破」

◇高機能潤滑油

 様々な機械に使用される潤滑油。摩擦や抵抗を軽減し、損耗を抑える。これを数滴床に落とすだけで、広範囲がツルツルで立つことさえままならなくなる。

 有毒成分が含まれているため食べてはいけない。


第1174話「空間の歪み」

◇ 『刺し貫く氷絶の刃嵐フロストストーム

 水属性攻性機術。極寒の嵐を生み出し、鋭い氷刃によって敵を微塵に切り刻む。傷口は瞬時に凍結し、出血を許さない。刃嵐に囚われた者は肉を削がれ、絶命する。


第1175話「箱の中の大魚」

◇不死鳥の紅炎

 紅く燃え盛る不死鳥の炎を模った指輪。装備中、一度だけ致命傷を受けてもLP1で耐える。能力が発動した時点から30秒間完全な無敵状態となる。

“その鳥は灰の中より蘇る。紅蓮の業火に立ち上がる。不屈の魂は高らかに叫ぶ。”


第1176話「テントは裏返る」

◇裏驟雨

 耐水性テント“驟雨”の構造反転モデル。内を外に、外を内に定義しなおし、世界の認識を逆転させる。敵は“外”に封じられ、味方は“中”にて守られる。


第1177話「手土産を君に」

◇管理者機体の緊急停止

 管理者機体が強い衝撃やストレスを受けた際、本体となる中数演算装置〈クサナギ〉の判断によって強制的に緊急停止措置を実行する。仮想人格は即時停止され、機体も脱力状態となる。データの保全と解析が行われ、安全が確保されたと判断した場合に復帰する。


第1178話「水族館にて」

◇水棲原生生物研究事業

 管理者ナキサワメによって立ち上げられた、水棲原生生物の特殊な生態や能力を解明するための大規模プロジェクト。〈ナキサワメ水中水族館〉を活動拠点とし、施設管理補佐としてクチナシ-17が任命される。

 調査開拓員は生体サンプルの収集や、研究活動での協力が期待されている。

 原生生物研究事業の専門家として管理者ウェイド、管理者コノハナサクヤ、水中構造物の専門家として管理者ポセイドンがアドバイザーに任命されている。


第1179話「研究成果」

◇幻影弾

 〈透明化〉のアーツチップを組み込んだ特殊な機術封入弾。非常に高度なアーツを用いるため、大型のバッテリーや大規模なSoCを搭載する必要があり、必然的に高価で大型の弾頭になってしまう。また、その割には威力もあまり出ない。

 不可視の弾頭ではあるが、射撃音や衝撃などは消すことができない。

 あらゆる点で改良の余地がある、将来性に期待するべき一品。


第1180話「努力の結晶」

◇ 『覇王虐殺暗黒炎上烈刃風』

〈堕悪赦瞳流〉第八の罪。七つの大罪の先にある、圧倒的な悪。許し難き罪。この流派の者が生まれながらに背負うこととなる宿命の刻印。

 怨嗟の黒龍は執念深く、千里を越えて追いかける。一度その瞳に捉えられたものは、決して逃げることは叶わない。


第1181話「塩蜥蜴の干潟」

◇〈塩蜥蜴の干潟〉

 第三調査開拓領域〈イヨノフタナ海域〉第二域。広大な干潟地帯で、浅く張った海水の下に深い泥が堆積している。泥はきめ細かく粘度があり、足が沈みやすい。また、全身にまとわりつくとうまく動けなくなってしまう。

 生息する原生生物の多くは泥の中に潜むように進化しており、一見何もないように見えてもその足元には多くの生命が息づいている。


第1182話「氷属性の使い方」

◇『凍りつく無辺の大地』

 水属性攻性機術の中級術式。対象を中心とした広い範囲を凍結させる。凍結範囲と持続時間によってLPの消費量が増減し、また発動中は継続的にLPを消費する。

“限りない氷の大地。風すら凍てつく死の荒野。それは大いなる厳冬の足跡。”


第1183話「新情報の値段」

◇ジュエルクレープ

 ジュエルフィッシュの卵を特殊な製法で柔らかくして、甘いシロップに漬けたものを贅沢にトッピングしたゴージャスなクレープ。プチプチとした食感が楽しく、食べ始めたら止まらない。


第1184話「甘い儲け話」

◇砂糖増産計画

 管理者ウェイドの主導で進められる、砂糖の大規模な増産計画。現在の生産量から最低5倍、最大無制限での増産を目指す。

“より甘く、より白く。砂糖は調査開拓活動において非常に重要な戦術的資源です。その生産、備蓄は領域拡張プロトコルにおいても非常に重要であり、増産は可及的速やかに行うべき課題となっています。調査開拓員各位はこの事実をよく理解した上で、本計画への積極的な参加を実行してください。”――管理者ウェイド

“甘いものが食べたいだけじゃろ”――指揮官T-1

“あなたに言われたくありません!”――管理者ウェイド


第1185話「陽気の罠」

◇“疾風のアルトーネ”

 〈角馬の丘陵〉に生息する希少な原生生物。馬に似た姿で、美しい白い毛並みをしている。非常に繊細な性格で、周囲に何かの気配があると姿を表さない。また、非常に力強い脚を持ち、風のように駆けることができる。

 自身に似た、黒色の駿馬を生涯の伴侶とし、強い絆で結ばれ、常に共にいる。


第1186話「精彩な世界」

◇“天峰のペルシア”

 〈角馬の丘陵〉に生息する非常に希少な原生生物。この地に災禍が訪れた際、救済のため天より舞い降りるという。大きな白翼を持つ優美な馬の姿をしている。

 “猛獣侵攻スタンピード”発生時、低確率で出現する。


第1187話「環境保全任務」

◇環境負荷

 調査開拓員の活動によってフィールドに蓄積される、生態系や自然環境への影響をさまざまな観点から総合的に算出した係数。環境負荷がフィールドの負荷受容度を超えた場合に、原生生物が暴走状態となって甚大な影響を及ぼす“猛獣侵攻スタンピード”が発生する。

 “猛獣侵攻”の発生によって環境負荷は一時的に減少するが、負荷受容度が低下している場合はその後もわずかな負荷上昇によって“猛獣侵攻”が再発する可能性が高くなる。


第1188話「サカオの住人達」

◇都市運営計画進捗実績報告書

 管理者によって作成され、公表される報告書。各都市の収支リソースや経済状況、建設計画とその実行進捗など、都市運営に関わる様々なことが網羅的に記されている。

 全ての調査開拓員はこれを自由に閲覧、使用することが可能である。


第1189話「SFCの青年」

◇サカオちゃんファンクラブ

 地上前衛拠点シード04-サカオを活動拠点とする、管理者サカオの非公式ファンクラブ。非バンド組織であり、公式掲示板上のいちスレッド“サカオちゃんの魅力を存分に語り合う紳士たちの社交場”が基点となっている。

 現在、会員数は7,800人を越え、〈サカオ〉だけでなく各都市にも支部が置かれている。

 活動内容としては管理者サカオの魅力を語り合う交流だけに留まらず、〈サカオ〉を訪れた調査開拓員に向けた観光案内や、ファンクラブ会員同士での調査開拓活動協力支援なども行っている。

 また、SFC、WFC、KFCといった他ファンクラブとの交流も積極的に行っており、定期的にファンクラブ交流イベントなどが開催されている。

 “推しても押すな”が合言葉であり、紳士的な節度とマナーを守った推しごとの遵守が言明されている。

 ――SFC会報、“当クラブについて”より


第1190話「ファンの力」

◇〈製図〉スキル

 より詳細な地図を作成するためのスキル。様々な観測データを統合的に分析し、それらを元にデフォルトのマッピングシステムではカバーできない精度の地図を作成する。地表部しかカバーできないデフォルトマッピングシステムと異なり、地下部分や洞窟内部といった、通信監視衛星群ツクヨミの支援の届かない範囲でも地図を作ることができる。

 また、地図を利用したデータ分析に関しても、それを支援するテクニックが豊富に用意されている。


第1191話「隧道迷宮」

◇ピッキングツールキット

 〈解錠〉スキルで使用する工具類が揃えられたツールキット。強力な高周波振動ブレードから繊細なピンセットまで、様々な鍵に対応できるように必要な工具が用意されている。

 工具の紛失にはご注意を。


第1192話「究極の選択」

◇軽量偵察巡回用警備NPC“フライングフライ”

 隠密偵察のため開発された軽量小型の警備NPC。武装は必要最低限の軽量小型機関銃一丁に止まり、標準的な光学カメラと各種測定センサーを搭載している。機体の上下に取り付けられた計四枚の回転翼によって立体的で機敏な運動能力を獲得している。

 同型機と相互に接続した短距離ネットワーク網によるレイドを構築することで、レイド内の機体が反応消失した際に状況を迅速に察知することができる。

 安価な機体であるため、基本的には使い捨てを前提に大量に使用する量産機。


第1193話「謎の地下施設」

◇“暗黒の邪竜神殿ダーク・ザ・ダーク

今はまだ、語るべき刻ではない。

――〈黒き闇を抱く者ブラックダーク


第1194話「コンサルタント」

◇ ジ・コンサルタント・オブ・スペシャリスト

 世を忍ぶ仮の姿。その正体は偉大なる〈黒き闇を抱く者ブラックダーク〉!

 計り知れない叡智をその頭脳に宿し、明晰なる思考によってその一片を民に授ける。大いなる時代の救世主。深謀遠慮は計り知れず、その言葉の全てを理解することは多くの者にとって難しい。

 だが、その言葉は必ず栄光へと導くきざはしとなるだろう……。

[情報保全検閲システムISCSにより、文章の信憑性が疑われています]

[情報管理責任者は真偽を確認してください]


第1195話「信用なき協力」

◇重要参考人PoI:BDに関する取り扱い指示

 RoI:BSBおよびRoI:UCに強く関わる重要参考人として指定するPoI:BDに対する行動制限をレベル3(現地調査開拓員相当)に緩和することを指示する。監視管理責任者をT-1に設定し、その行動の一切をPoI:BDの自主性に委ね、独立的に行動することを許可する。――指揮官T-1


第1196話「新たな闘争」

◇バトルバギーブラストブレイク

 従来のBBBに新たな要素、支援ドローンを追加した新ステージ。車両の改造に強い制限が加わるかわりに、大会前に公募によって集められた様々な支援物資によってレース中のリアルタイム強化が実施される。参加者はランダムに支援物資が載せられたドローンを撃墜することで、自車の強化を行う。

 実力だけではない、運すら味方につけた真の勝者を決める白熱のレースが楽しめる。


第1197話「三枚の扉」

◇大いなる三柱の神の意志に運命を委ねし手技の激闘

[情報保全検閲システムISCSにより、情報が修正されました]

じゃんけん。


第1198話「二つの進展」

◇BBBBにおける支援物資供与に係る重大インシデント報告

 リニューアル後第3回目となったBBBBレースにおいて、〈ガスの元栓閉め委員会〉の運転する車両が赤色支援物資運搬ドローンを破壊し、内容物を取得。その直後、原始現世生物“焦がれる恋慕の藍蘭”がコース上に発生。〈ガスの元栓閉め委員会〉を含む12両が瞬間的な炭化現象に巻き込まれ、レースが中断された。

 管理者サカオの通報によって事故発生地点から300m範囲内を封鎖。管理者ウェイドと管理者コノハナサクヤによる植物型原始現世生物回収特別チームが急行し、27時間の対応が行われ、“焦がれる恋慕の藍蘭”は回収された。

 当インシデントを受けて、管理者サカオによってBBBにおける支援物資供与規定が改定された。これにより、支援物資の事前審査によって原始原生生物やそれに準ずる危険性を有した生命体は禁止される。


第1199話「水族館デート」

◇〈最重要奪還目標地域;エウルブギュギュアの献花台〉

[閲覧権限がありません]

[管理者T-1により、閲覧権限が付与されました]

[当該記録の閲覧が許可されます]

[情報機密クラスⅤ:許可なく閲覧した者はどのような事情であっても一切の酌量なく即時の抹殺が許可されます]

[当該記録に関連する全ての記述は情報保全検閲システムISCSによって監視され、情報漏洩のリスクが確認された際には即時の情報焼却プロトコル“鳥葬”が実行されます]

[当該記録の閲覧者には調査開拓団規則第三条における最大機密保持遂行責任が課せられます]

[全ての確認事項を完全に把握し、了承した場合のみ、閲覧を続行してください]


Y/N


[当該記録を開示します]


◇〈最重要奪還目標地域;エウルブギュギュアの献花台〉

第零期先行調査開拓団の壊滅、および空白の3,000年の原因を解明する重要な手がかりが存在することが示唆される遺構。第零期先行調査開拓団員エウルブ=ギュギュアによって建設、管理が行われていた。

その全体規模は現在も不明であり、これに関する情報は全て管理者ブラックダーク、管理者ポセイドン、管理者コノハナサクヤ、管理者オモイカネからの断片的な記憶から得られた。その信憑性に関しては現在も極秘の調査が続けられている。


[当該記録はT-1によって制限されています]

[記録全文の閲覧を希望する場合はT-1に申請してください]


##第27章

第1200話「甲板上のふたり」

◇TELリンク通話システム

 現実世界と仮想現実内の体感時間速度を一時的にリンクさせ、相互通話を可能にするシステム。通話中は戦闘行為などが大幅に制限される。


第1201話「白き瓦礫の塔」

◇『プレスジャブ』

 〈杖術〉スキルレベル30のテクニック。素早くハンマーを振り下ろし、敵を叩く。威力は低いが、牽制には有効。


第1202話「立てなおし」

◇航行ログ

 SCSによって記録される船舶の航行に関する様々なデータを格納した記録。航行支援標識〈ミオツクシ〉の通信圏内であれば、全てがリアルタイムでパブリックデータベースに記録される。

 SCS搭載艦は自艦の航行ログを用いることで、たとえ轟沈しても完璧に復旧することが可能となる。


第1203話「破壊光輪」

◇強襲爆撃無人機タラリアMk.Ⅴ

 〈富澤宇宙航空技術研究局〉が開発した無人航空機。クラスⅡAIコアを搭載し、簡易的に独立した戦闘行動を実行できる。最大20tの兵装を搭載可能で、時速600kmで飛行する。

 動力源として〈ダマスカス組合〉製の特大型超高濃度圧縮BBバッテリーを32基搭載しているため、本体による自爆攻撃も可能。


第1204話「かたならし」

◇キャノンフィッシュ

〈怪魚の海溝〉に生息する大型水棲原生生物。体内に大量の海水を貯蓄できる水袋を持ち、口が細長く尖った形に発達している。非常に高圧の水を吐き出すことができ、その力で攻撃する。ただの水といえどその破壊力は高く、並大抵の装甲は弾け飛ぶ。


第1205話「飛んで来た!」

◇『飛び柱』

 〈投擲〉スキルレベル70のテクニック。オブジェクトを投擲し、直後にそれに飛び乗ることで超長距離を移動する。自重に応じて、必要となるオブジェクトの大きさが変わる。オブジェクトが小さすぎる場合は、上手く飛べずに途中で崩壊してしまう。

“これぞ投擲士という移動法。これを体得した暁には、あらゆる場所へ30分と掛からず迎えるアルヨ”――柱投げの達人ホワイトピーチ


第1206話「偽りの立体投射」

◇ 呑鯨竜型立体画像投影式偽装テント“怪竜”

 調査開拓用装甲巡洋艦クチナシ級の専用アタッチメントテントとして開発された特別なテント。高規格水密性能、耐水圧性能を有し、船に潜水能力を付加できる。

 また船体を包み込む装甲の各所に、合計六万個以上の立体偽装ホログラム投射装置を搭載しており、船の外見を別のものへと偽装することが可能。


第1207話「走って投げて」

◇『クイックリターン』

 〈投擲〉スキルレベル45のテクニック。投げたアイテムを一瞬で手元に戻す。投擲物が破損している場合には使用できない。


第1208話「捨て身の技」

◇高性能乾燥花弁粉末火薬爆弾-3

 “昊喰らう紅蓮の翼花”の花弁を乾燥させ粉末状に加工した火薬を3g配合した高性能高威力爆弾。非常に扱いが難しく、現在のところ遠隔での起爆は不可能。

 直方体の体積の大半は内部の粉末火薬が誤爆しないように細心の注意を払って取り付けられた保護材である。


第1209話「完全復活」

◇喫茶〈カボチャの種〉

 海洋資源採集拠点シード03-ワダツミにある、情緒溢れる喫茶店。シックで落ち着いた雰囲気の佇まいで、店内にはゆったりとした時間が流れている。

 種類の豊富なボリュームタップリのハニートーストが有名。


第1210「蒼空の出航」

◇ハイクラスバイオ燃料

 複数の原始原生生物を融合させて作り出した新種の原生生物から、特殊な手法を用いて生成した異常なエネルギーを含有する燃料。発火すると猛烈な勢いで大量のエネルギーを放出し、周囲に甚大な影響を与える。

 取り扱いには非常に繊細な注意を必要とする。


第1211話「空飛ぶ実験室」

◇原始原生生物使用許可申請

 原始原生生物の非常な危険性と取り扱いの難易度の高さを鑑み、管理者ウェイドによって制定された規則。全ての調査開拓員は独断での原始原生生物の使用、利用、運搬が許可されていないため、実験室外部へと持ち出し、使用する場合にはこの申請を管理者に提出する必要がある。

 正当な理由による適切な使用であると判断された場合にのみ、申請は受理される。


第1212話「快進撃の副作用」

◇秘密通信における特権的介入権

 管理者以上の調査開拓員に与えられる特別な権限。調査開拓員同士の通信を自由に閲覧することが可能で、必要であれば独断によって強制的に通信に介入することが可能。


第1213話「騒がしい蒼海」

◇ミオツクシ環境測定データ

 パブリックデータベースにて無制限に公開されているデータ群。第三開拓領域〈イヨノフタナ海域〉に設置された航行支援標識〈ミオツクシ〉が十分ごとに記録した観測データであり、すべての調査開拓員が無制限に使用可能。

 水温や水位、海流などをはじめ、多種多様なデータが詳細に記録されている。〈鑑定〉スキルを用いることで、環境負荷などの複雑な計算も可能となる。


第1214話「打ち砕く力」

◇八の技『撲チ鳴ラス心臓』

 咬砕流、八の技。勢いよく鎚を繰り出し、その衝撃の全てを破壊力に転嫁して万物を打ち砕く。攻撃速度に応じて破壊力が上昇する。

“その音を聴かせて。あなたが生きている確かな証を。私だけが知る、力強い命の音を”


第1215話「避難通告」

◇〈最重要奪還目標地域;エウルブギュギュアの献花台〉

[閲覧権限がありません]

[管理者T-1により、閲覧権限が付与されました]

[当該記録の閲覧が許可されます]

[情報機密クラスⅥ:許可なく閲覧した者は自動即応抹殺措置によって消却されます]

[当該記録に関連する全ての記述は情報保全検閲システムISCSによって監視され、情報漏洩のリスクが確認された際には即時の情報焼却プロトコル“鳥葬”が実行されます]

[当該記録の閲覧者には調査開拓団規則第三条における最大機密保持遂行責任が課せられます]

[全ての確認事項を完全に把握し、了承した場合のみ、閲覧を続行してください]


Y/N


[当該記録を開示します]

[当該記録の情報隠蔽措置を解除します]


◇〈最重要奪還目標地域;エウルブギュギュアの献花台〉

第零期先行調査開拓団の壊滅、および空白の3,000年の原因を解明する重要な手がかりが存在することが示唆される遺構。第零期先行調査開拓団員エウルブ=ギュギュアによって建設、管理が行われていた。

その全体規模は現在も不明であり、これに関する情報は全て管理者ブラックダーク、管理者ポセイドン、管理者コノハナサクヤ、管理者オモイカネからの断片的な記憶から得られた。その信憑性に関しては現在も極秘の調査が続けられている。

第零期先行調査開拓団の活動を支援する高度な技術研究を行う拠点であり、特に時空間構造に関連する様々な研究が行われていた。

しかし、不明な時期に突如として原因不明インシデントが発生し、施設は完全封印状態へと移行した。内部の研究員は全て喪失したと判断され、施設は放棄されている。また二次被害の拡大を防止するための影響拒絶機能が発動しており、指揮官権限保有者であっても、内部へ侵入することは叶わない。

これにより、インシデントの詳細や発生の原因、また内部の状況に関しては一切が不明である。

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