記録集積-No.27

第1200話「甲板上のふたり」

◇TELリンク通話システム

 現実世界と仮想現実内の体感時間速度を一時的にリンクさせ、相互通話を可能にするシステム。通話中は戦闘行為などが大幅に制限される。


第1201話「白き瓦礫の塔」

◇『プレスジャブ』

 〈杖術〉スキルレベル30のテクニック。素早くハンマーを振り下ろし、敵を叩く。威力は低いが、牽制には有効。


第1202話「立てなおし」

◇航行ログ

 SCSによって記録される船舶の航行に関する様々なデータを格納した記録。航行支援標識〈ミオツクシ〉の通信圏内であれば、全てがリアルタイムでパブリックデータベースに記録される。

 SCS搭載艦は自艦の航行ログを用いることで、たとえ轟沈しても完璧に復旧することが可能となる。


第1203話「破壊光輪」

◇強襲爆撃無人機タラリアMk.Ⅴ

 〈富澤宇宙航空技術研究局〉が開発した無人航空機。クラスⅡAIコアを搭載し、簡易的に独立した戦闘行動を実行できる。最大20tの兵装を搭載可能で、時速600kmで飛行する。

 動力源として〈ダマスカス組合〉製の特大型超高濃度圧縮BBバッテリーを32基搭載しているため、本体による自爆攻撃も可能。


第1204話「かたならし」

◇キャノンフィッシュ

〈怪魚の海溝〉に生息する大型水棲原生生物。体内に大量の海水を貯蓄できる水袋を持ち、口が細長く尖った形に発達している。非常に高圧の水を吐き出すことができ、その力で攻撃する。ただの水といえどその破壊力は高く、並大抵の装甲は弾け飛ぶ。


第1205話「飛んで来た!」

◇『飛び柱』

 〈投擲〉スキルレベル70のテクニック。オブジェクトを投擲し、直後にそれに飛び乗ることで超長距離を移動する。自重に応じて、必要となるオブジェクトの大きさが変わる。オブジェクトが小さすぎる場合は、上手く飛べずに途中で崩壊してしまう。

“これぞ投擲士という移動法。これを体得した暁には、あらゆる場所へ30分と掛からず迎えるアルヨ”――柱投げの達人ホワイトピーチ


第1206話「偽りの立体投射」

◇ 呑鯨竜型立体画像投影式偽装テント“怪竜”

 調査開拓用装甲巡洋艦クチナシ級の専用アタッチメントテントとして開発された特別なテント。高規格水密性能、耐水圧性能を有し、船に潜水能力を付加できる。

 また船体を包み込む装甲の各所に、合計六万個以上の立体偽装ホログラム投射装置を搭載しており、船の外見を別のものへと偽装することが可能。


第1207話「走って投げて」

◇『クイックリターン』

 〈投擲〉スキルレベル45のテクニック。投げたアイテムを一瞬で手元に戻す。投擲物が破損している場合には使用できない。


第1208話「捨て身の技」

◇高性能乾燥花弁粉末火薬爆弾-3

 “昊喰らう紅蓮の翼花”の花弁を乾燥させ粉末状に加工した火薬を3g配合した高性能高威力爆弾。非常に扱いが難しく、現在のところ遠隔での起爆は不可能。

 直方体の体積の大半は内部の粉末火薬が誤爆しないように細心の注意を払って取り付けられた保護材である。


第1209話「完全復活」

◇喫茶〈カボチャの種〉

 海洋資源採集拠点シード03-ワダツミにある、情緒溢れる喫茶店。シックで落ち着いた雰囲気の佇まいで、店内にはゆったりとした時間が流れている。

 種類の豊富なボリュームタップリのハニートーストが有名。


第1210「蒼空の出航」

◇ハイクラスバイオ燃料

 複数の原始原生生物を融合させて作り出した新種の原生生物から、特殊な手法を用いて生成した異常なエネルギーを含有する燃料。発火すると猛烈な勢いで大量のエネルギーを放出し、周囲に甚大な影響を与える。

 取り扱いには非常に繊細な注意を必要とする。


第1211話「空飛ぶ実験室」

◇原始原生生物使用許可申請

 原始原生生物の非常な危険性と取り扱いの難易度の高さを鑑み、管理者ウェイドによって制定された規則。全ての調査開拓員は独断での原始原生生物の使用、利用、運搬が許可されていないため、実験室外部へと持ち出し、使用する場合にはこの申請を管理者に提出する必要がある。

 正当な理由による適切な使用であると判断された場合にのみ、申請は受理される。


第1212話「快進撃の副作用」

◇秘密通信における特権的介入権

 管理者以上の調査開拓員に与えられる特別な権限。調査開拓員同士の通信を自由に閲覧することが可能で、必要であれば独断によって強制的に通信に介入することが可能。


第1213話「騒がしい蒼海」

◇ミオツクシ環境測定データ

 パブリックデータベースにて無制限に公開されているデータ群。第三開拓領域〈イヨノフタナ海域〉に設置された航行支援標識〈ミオツクシ〉が十分ごとに記録した観測データであり、すべての調査開拓員が無制限に使用可能。

 水温や水位、海流などをはじめ、多種多様なデータが詳細に記録されている。〈鑑定〉スキルを用いることで、環境負荷などの複雑な計算も可能となる。


第1214話「打ち砕く力」

◇八の技『撲チ鳴ラス心臓』

 咬砕流、八の技。勢いよく鎚を繰り出し、その衝撃の全てを破壊力に転嫁して万物を打ち砕く。攻撃速度に応じて破壊力が上昇する。

“その音を聴かせて。あなたが生きている確かな証を。私だけが知る、力強い命の音を”


第1215話「避難通告」

◇〈最重要奪還目標地域;エウルブギュギュアの献花台〉

[閲覧権限がありません]

[管理者T-1により、閲覧権限が付与されました]

[当該記録の閲覧が許可されます]

[情報機密クラスⅥ:許可なく閲覧した者は自動即応抹殺措置によって消却されます]

[当該記録に関連する全ての記述は情報保全検閲システムISCSによって監視され、情報漏洩のリスクが確認された際には即時の情報焼却プロトコル“鳥葬”が実行されます]

[当該記録の閲覧者には調査開拓団規則第三条における最大機密保持遂行責任が課せられます]

[全ての確認事項を完全に把握し、了承した場合のみ、閲覧を続行してください]


Y/N


[当該記録を開示します]

[当該記録の情報隠蔽措置を解除します]


◇〈最重要奪還目標地域;エウルブギュギュアの献花台〉

第零期先行調査開拓団の壊滅、および空白の3,000年の原因を解明する重要な手がかりが存在することが示唆される遺構。第零期先行調査開拓団員エウルブ=ギュギュアによって建設、管理が行われていた。

その全体規模は現在も不明であり、これに関する情報は全て管理者ブラックダーク、管理者ポセイドン、管理者コノハナサクヤ、管理者オモイカネからの断片的な記憶から得られた。その信憑性に関しては現在も極秘の調査が続けられている。

第零期先行調査開拓団の活動を支援する高度な技術研究を行う拠点であり、特に時空間構造に関連する様々な研究が行われていた。

しかし、不明な時期に突如として原因不明インシデントが発生し、施設は完全封印状態へと移行した。内部の研究員は全て喪失したと判断され、施設は放棄されている。また二次被害の拡大を防止するための影響拒絶機能が発動しており、指揮官権限保有者であっても、内部へ侵入することは叶わない。

これにより、インシデントの詳細や発生の原因、また内部の状況に関しては一切が不明である。


第1216話「情報的喪失」

◇NULL

 〈最重要奪還目標地域;エウルブギュギュアの献花台〉内部より噴出した黒色で粘性のある液体。その詳細はまったく不明であるが、接触した物質が全て根源的存在意義のレベルで破壊、消失することのみが判明している。

 物質的に存在する情報的な空白。故にNULLである。


第1217話「黒鼻の万能鍵」

◇マスターキー

 片手用ハンマーカテゴリの武器。先端が湾曲したシンプルな棒状の金属武器で、重量との力を用いて、サイズ以上の威力を発揮する。

 扉などの人工物を破壊する際に20%の破壊属性ダメージ補正がかかる。


第1218話「廃墟に棲む亡霊」

◇ゴーストドッグ

 〈エウルブギュギュアの献花台〉に残留する獣型高度残留霊体。獣ながら高い知能を持ち、強い怨嗟を宿している。集団での狩りを行い、接触した者に強い恐怖心を抱かせることができる。

“朽ちた道を彷徨う亡霊。理由も記憶も風化しながら、ただ怨嗟だけを孕み、世に留まる。肉と骨が朽ち果てても、憎しみだけがそこにある。”


第1219話「幽霊を斬る人」

◇聖水

 占術師によって浄化された水。奇跡論的構造干渉理論に基づく強力な侵襲的性質転換作用を有する純粋秩序の物質的存在。カルマを大幅に下げる効果を持ち、魔除けとして非常に強い力を発揮する。ただし、非常に不安定な性質であり、清浄なガラス瓶に封入しなければ数秒で効力を失ってしまう。


第1220話「亡霊滅打法」

◇“聖なる手榴弾”

 邪悪なる存在を滅する神聖な力を有する手榴弾。その爆発は、忌まわしき者の身を貫く。

 数多の異端を葬り、真なる神の国の到来のため捧げる祈りたれ。


第1221話「怪火の狗」

◇『霊獣演武:四連八撃十六波』

 〈霊術〉スキルレベル70、〈剣術〉スキルレベル80のテクニック。近接斬撃攻撃を有する霊獣と共に、目にも止まらぬ高速連撃を繰り出す武技。霊獣との深い絆が必要不可欠であり、また双方に高い技術を求める。故に、その百撃は全てを討ち倒す。


第1222話「一流の実力」

◇禁忌領域“絶無”

 干渉を許さない、不変の領域を生み出す術式。外部からの影響を一切受けず、また内部からの干渉もない。完全なる不変、不滅、不壊、不可侵を実現する、概念的に確立され保証された唯一絶対の空間。

 その概念的強靭性故に拡大は難しく、また不安定的。壊れない故に壊れやすいという、自己矛盾的な性質を有する。


第1223話「魅惑のボタン」

◇謎の骸骨

 〈エウルブギュギュアの献花台〉三階にある実験施設の中で発見された正体不明の骸骨。四足獣のようだが、劣化が著しく一目見ただけではよく分からない。

 詳しい解析をするには〈鑑定〉スキルが必要そうだ。


第1224話「助っ人は突然に」

◇禁忌領域“甲殻の窟”

 固く閉ざされた殻の如く、内のものを守る領域を生み出す術式。その守りの堅さは贄とする供物に宿る呪いの強さに比例する。


第1225話「野生の神さま」

◇ph値

 水素イオンの濃度を示す指数。この値が7より小さければ酸性であり、大きければアルカリ性である。


第1226話「落下テント」

◇ライトボール

 強く揉んだり衝撃を与えたりすることで発光するボール。暗闇を照らしたり、目標にしたり、その使い方はさまざま。

 内部の薬品は非常に危険なので、素手では絶対に触れないでください。


第1227話「遅参二人」

◇HS-15“ポラリス”

 〈ダマスカス組合〉によって開発された極超音速飛行機十五号機。更に機体の安全性と最高速度が向上し、非戦闘職の調査開拓員であってもかなり安心して利用できるようになった。全体を黒色の高耐久耐熱装甲で包み、俯瞰すると縦長の二等辺三角形に見える形状をしている。

 クラスⅧ人工知能を搭載した専用航行管理システムが採用されており、離着陸を含む九割以上の操縦が自動で行われる。現時点で3,000機が高速航空輸送網イカルガに編入されており、事故率は0.2%にとどまっている。


[記録が更新されました]


 〈ダマスカス組合〉によって開発された極超音速飛行機十五号機。更に機体の安全性と最高速度が向上し、非戦闘職の調査開拓員であってもかなり安心して利用できるようになった。全体を黒色の高耐久耐熱装甲で包み、俯瞰すると縦長の二等辺三角形に見える形状をしている。

 クラスⅧ人工知能を搭載した専用航行管理システムが採用されており、離着陸を含む九割以上の操縦が自動で行われる。現時点で3,000機が高速航空輸送網イカルガに編入されており、事故率は0.3%にとどまっている。


第1228話「装備の準備」

◇高耐久簡易保管庫

 頑丈な装甲と衝撃緩衝機能を有した持ち運び可能なストレージ。同サイズの簡易保管庫と比べて収納可能容量は劣るが、内部のアイテムをしっかりと保護することができる。

 レベル5耐爆性能保証。


第1229話「お供のマシラ」

◇住宅損害保険

 バンドで所有するガレージに対して掛けられる保険。火災、地震、津波、隕石衝突など、様々な理由による住宅の半壊、全壊を補償する。補償額は保険の掛け金に応じる。

▶︎保険管理システムICSより注記。

 変異マシラの襲撃による建物損壊に対する対応は現在のところ協議中です。


第1230話「管理者のタスク」

◇〈緊急特殊開拓指令;天憐の奏上〉における特別参加メンバーについて

 変異マシラ、通称名ミート、ワイズ、ジャンプ、スピン、フォックス、パピルス、ボックス、コード、ライス、リング、センチュリオ、ポップ、ボール、マグナム、ボマー、エンジェル、デビル、コート、クイーン、アーミー、ジャイアント、ポルック、キリング、モーニング、ランチ、ディナー、キャッスル。以上27名の〈天憐の奏上〉への参加を認める。

 彼らの指揮は例外なく管理者ナキサワメ、もしくは管理者ナキサワメによって正式に委任を受けた者が行うこととする。

 彼らの作戦における行動によって生じた被害に対する責任は全て管理者ナキサワメが負う。

“特別参加メンバーの作戦参加を承認する。”――指揮官T-1


第1231話「喰らい尽くす」

◇クロコダイル・オブ・ジ・ヘル

 〈怪魚の海溝〉深海層に生息する巨大なワニに似た水棲原生生物。非常に生命力が高く、数百年生きる個体も存在する。大きい個体は大型船艦に匹敵するほどであり、鋼鉄の装甲も容易く破壊するほど力強い顎を持つ。

“大いなる深き漆黒の闇の奥に潜みし巨大なる悪。瞳に憎悪の炎を燃やし、血肉を喰らい骨を砕き、動くもの全てを破壊する。故にその怪物は、地獄の名が与えられた”――ブラックダーク


第1232話「不穏な気配」

◇息災の御守り

 無病息災の願いを込めて、作り上げた祈り札。思いは宿り、確かにそこにある。

 カルマ値-7

 わずかに運気を上げる。


第1233話「停滞突破」

◇非常用自律プログラム

 管理者機体と本体となる中枢演算装置との通信が断絶した際に自動的に発動する緊急プログラム。管理者機体の非常用演算領域が解放され、通信回復に向けた行動を起こす。


第1234話「天才的発想」

◇緊急救難ビーコン

 テントに取り付けることができるアセット。救難信号を広域に発信して、救助を求める。救難信号は範囲内の全ての調査開拓員が受信できる。

 有効範囲はビーコンの等級によって変化する。最低で半径500m範囲。


第1235話「星海の大邸宅」

◇ 『国土建立地鎮法』

 〈呪術〉スキルレベル70、〈罠〉スキルレベル70のテクニック。呪術的概念の導入によって、フィールド上に特殊な領域を設定する。禁忌領域術式の基礎的概念の本質的発展系にして、最も根幹に位置する堅固な理論体系に基づいた大規模術式。

 “人、星、土、風によって約定を取り決め、野に線を敷く。国の最もシンプルな姿である。”


第1236話「導くは星の輝き」

◇大邸宅テント

 山小屋てんとに建材を2,000個以上追加することで建設可能な超巨大テント。四つの居住棟と大ホールを備えた桁違いの構造物であり、収容人数は5万人。居住空間だけでなく調理場や劇場、会議室などの各種施設も揃い、実務から娯楽まで様々な機能を有する。


第1237話「星海の開拓者」

◇地上前衛拠点シード01EX-スサノオ

 通称名〈エミシ〉

 〈エウルブギュギュアの献花台〉内部に発生した異常な時空間領域内の設置された呪術的領域および当地に建設された仮設建造物を対象に、管理者ウェイドの実地活動用管理者端末S02-W-19G992のスタンドアロンプログラムによって特例的かつ独自に承認した特殊な拠点。シードの投下に依らない地上前衛拠点の設営であり、管理者の就任も異常ではあるが、状況の妥当性から事後的に承認された。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る