記録集積-No.20

第20章

第815話「清らか稲荷」

◇清らかな稲荷寿司

 新米と旬の5種の具材を赤酢で纏め、じっくりと味を付けた油揚げで包んだ稲荷寿司。呪術師による祝詞奏上、霊術師による祈祷、占術師による助言を受け、内部に神聖なエネルギーを多量に含んでいる。推定カルマ値は+7,200。およそ2時間、“消魂”状態を相殺可能。


第816話「創作は爆発だ」

◇FF型NPC-213(個体名ユア)

 タイプ-フェアリー機体の上級NPC。職業適性検査試験の結果、特に協調性の項目で高い成績を収め、都市管理部拠点保安課メイドロイドに配属された。

 対外コミュニケーション能力が高く、共感性、言語能力に秀でる。一方で運動能力は平均に劣り、戦闘能力は皆無。接客、交渉、情報伝達などの口頭コミュニケーションを重視する役職に高い適性を持つ。


第817話「風水師の第一歩」

◇風水

 〈占術〉スキルによって知覚し、扱えるようになる概念。環境、方位、色などに相関を見出し、陰陽思想、五行思想に基づいてそれらを操作することにより、特殊な効果を発揮する。


第818話「風水師の活躍」

◇地理風水

 〈占術〉スキル風水系統の一分野。広大な土地に跨がる大規模な建造物群の建設などにおいて土台となる気の流れを読み取り、適切な配置などを研究する。龍脈を始め、大地を構成する様々な力の相関に直接影響を与えるため、特に規模の大きな作業となる。そのため、大抵の場合は風水師複数人で行う一大事業となる。

第819話「愛嬌の少女」

◇ゲーム内での音楽利用について

 イザナミ計画実行委員会は清麗院グループの楽曲管理機関S-MUSICと包括的な利用許諾契約を締結しております。そのため、管理下にある楽曲はゲーム内での利用に限り、自由に演奏、公開することができます。また、ゲーム内で製作したオリジナルの楽曲に関しましては、製作者に全ての権利が保証されます。詳しい事は、下記のサポート窓口よりお問い合わせ下さい。


第820話「風水調査」

◇偽装構造壁

 DWARFによって建設された施設に見られる構造壁の一種。通常の構造壁と異なり、異常なほどの強度はない。DWARFが使用する秘匿通路と接続していることが多く、強引に破壊して侵入することもできる。


第821話「隠し通路へ」

◇偵察用ドローン“モスキート”

 最新鋭の小型偵察用無人航空機。高解像度の光学式カメラ、集音マイク、熱感知センサー、音波測定機など、様々な情報収集機器を搭載している。黒色迷彩、ステルス構造、軽量白鉄鋼筐体、静音回転翼により、小型化と隠密性向上を実現。手のひらに収まるほどの大きさで、様々な場所へ侵入することができる。耐久性と通信可能範囲に難あり。


第822話「雪崩来る小人」

◇『時空間線状断裂式切断技法』

 〈切断〉スキルレベル40のテクニック。喪失特異技術群ロストパラテック時空間構造部門管轄技法に分類される。

 効果中、テクニック使用時の消費LPが3倍になり、平時もLPが急速かつ大量に減少する。また、攻撃を行った際、それが対象に当たった場合、そのダメージ量の1/3が自身に反動として返ってくる。

 異常構造物を含むあらゆる物質的対象を切断するために開発された技法。多次元に渡る時空間そのものに干渉する特殊線状斬撃を放ち、物質をその根源的存在意義の段階から破壊する。これによりおよそ知覚可能なほぼ全ての物質の切断が可能になる。


第823話「突然の召喚令状」

◇召喚令状

 重大な調査開拓団規則違反などを起こしたり、何らかの事件の関係者と指定されたりした調査開拓員を、管理者もしくは指揮官の権限に基づき強制的に召喚する効力を持った令状。この令状によって指定された調査開拓員は特別な理由がない場合、かならずその指示に従う必要がある。


第824話「容疑者レッジ」

◇都市監視映像記録

 地上前衛拠点などの都市内部各所に設置されたカメラなどによる映像記録。過去一年間の記録の保管、それ以降の記録も圧縮保管が義務づけられている。管理者権限で閲覧する事が可能で、管理者の許可によってのみ調査開拓員もそれを確認することができる。

 記録設備に許可なく接続し、内部の情報を抜き取る行為は管理者により処罰される対象となる。


第825話「道阻む同胞」

◇血錆びの鉄刀

 血に汚れ錆びきった鉄材を強引に叩いてなんとか刀の体裁を整えたもの。およそ武器とは言いがたく、切れ味は無いに等しい。しかし刀身の錆びは傷口によく染みる。


第826話「真贋看破」

◇災害処理用NPC-FireEngine

 都市内部で建造物の破壊および火災が発生した場合、その対処に当たるNPC。大容量圧縮水槽と高圧出力水噴射口を備え、瓦礫の除去と消火を迅速に行う。不整地でも活動できる八本多脚式駆動であり、調査開拓員6名程度を運搬することも可能。


第827話「偽りの剣豪」

◇ワダツミの塩

 海洋資源採集拠点シード01-ワダツミの製塩施設で精製された高純度の海水塩。非常にきめ細やかな結晶で、口当たりもまろやか。料理以外にも様々な用途に使用できる。畑に撒いてはいけない。


第828話「予想外の自爆」

◇特殊外装

 緊急的に調査開拓員へ配布された特殊な装備品。胸部に装着するハーネス型で、内部には敵味方識別ビーコンと高性能爆薬が内蔵されている。外見の類似した敵性存在との戦闘を念頭に置き、激戦、混戦時でも敵味方を容易に判別できるようになる。また、活動不能状態に陥った場合には、機体が敵性存在に鹵獲されることを防止するため、木っ端微塵に爆破処理が成される。


第829話「おじさんコピー」

緩衝記録装置キャッシュメモリ

 調査開拓用機械人形に搭載されている記憶装置の一種。処理の高速化をするため、使用頻度の高い情報を一時的に保持する機能を持つ。

 スキルに関する成長記録などもここに書きこまれ、バックアップセンターで処理を行う事で主要記録装置に固定される。機体が活動停止状態に陥った場合も、この緩衝記録装置を回収することができれば、バックアップセンターでのセーブ後のスキル成長記録などをサルベージすることができる。


第830話「俺だよ俺俺!」

◇“肉破る纏針の葉衣”

 現在は滅びた原初原生生物。第零期先行調査開拓団によって蒔かれた“生命の種”から生まれた初期の原生生物。

 動物の皮膚に寄生する蔓植物の一種。宿主の皮膚を貫き体内に深く侵蝕するように根を生やし、ほぼ完全に一体化する。強引に取り除こうとした場合は肉や血管を著しく傷つけるため、宿主はそれを甘んじて受け入れる他ない。

 葉は軽い衝撃を受けただけで鋭く尖り外側に飛び出す性質を持っており、宿主と同種の動物が触れただけでも傷を付ける。傷口から種子が混入し、また別の宿主へと伝播していく。

 一時期は地上のほぼ全てを覆い尽くし、最大の繁栄種として栄華を誇っていた。しかし、気候変動や他種族の台頭によって絶滅する。


第831話「本物と偽者」

◇『猪突猛進』

 〈槍術〉スキルレベル50のテクニック。槍を真っ直ぐに構え、前方に向かって勢いよく突進する。

 貫通力、攻撃力が50%上昇するが、効果中は左右に曲がることができない。また、急停止もできず、一定時間強制的に走り続ける。


第832話「悲鳴絶叫」

◇未確認原生生物-暫定分類番号“0001”

 第零期先行調査開拓員コシュア=エグデルウォンによって発見された未確認原生生物。細い棒状で先端が鋭利で硬質化した一本の足で自立し、飛び跳ねるように移動する。脚部を除く全身を原始原生生物“肉破る纏針の葉衣”に寄生されているが、安定した共生関係を構築している。非常に独特な身体構造をしており、他の既知の原生生物および原始原生生物のどれにも類さない。


第833話「合流と邂逅」

◇メイクアップ

 スキンを使用している調査開拓員は〈化粧〉スキルによって装飾が行えます。自分自身に化粧を施すのは難しいため、〈化粧〉スキルを習得している別の調査開拓員に協力してもらいましょう。


第834話「掃討作戦始動」

◇未確認原生生物-暫定分類番号“0002”

 第零期先行調査開拓員コシュア=エグデルウォンによって発見された未確認原生生物。上半身は第一期調査開拓団調査開拓用機械人形タイプ-ヒューマノイド型に酷似しているが、下半身が巨大な蜘蛛型となっている。また、腕部も八本に増加しており、それぞれに槍のような形状の武器を所持している。

 その後の調査、および調査開拓員アストラの指摘により、調査開拓員レッジの変形した姿であることが判明する。変形プロセスに関しては情報が不測している。調査開拓員レッジが新世代型調査開拓用機械人形である可能性を検討する。


第835話「領域とメイド服」

◇紅茶(ウェイドブレンド)

 管理者ウェイドが独自の判断によってブレンドしたこだわりの紅茶。茶葉の品種、産地、時期、抽出法方などを厳格に定めた極上の一杯。

 各都市の〈シスターズ〉にて、ウェイドの勤務中にのみ飲めるスペシャルな紅茶であるため、一回の注文では一人一杯と制限が掛けられている。


第836話「神祀る御神輿」

◇〈特殊開拓指令関連任務;神核実体運搬器具製作〉

危険度:レベル3

場所:指定なし

説明:

 第一重要情報記録封印拠点及び第二重要情報記録封印拠点地下に存在するコシュア=エグデルウォンの神核実体を〈白き深淵の神殿〉まで護送する計画が立案中である。当計画に際して、脆弱な神核実体を保護し安全を確保しつつ輸送するために、神核実体運搬器具の必要性が挙げられた。

 よって、〈鍛冶〉〈木工〉〈調剤〉〈調理〉〈機械製作〉各種生産系スキル修得者による協働製作計画を実行する。調査開拓員各位は併記する神核実体輸送器具設計図、必要部品目録を確認のうえ、対象部品を製造、納品せよ。


第837話「天子の金翼」

◇“天子の金翼”

 〈ビキニアーマー愛好会〉作品№69,720。直径300pmの超極細高機能繊維を使用したビキニアーマーを飾るビキニアーマー。反重力生成回路を内蔵し、装着した物体の重量を35%相殺することができる。また、選択式高衝撃反発フィールドを展開し、全周囲からの攻撃に対して瞬間的な防御を行う。

 〈ビキニアーマー愛好会〉の技術の粋を集結させた珠玉の一品。名作を多く生み出してきた歴史の中でも傑作として一際燦然と輝く。

 地に眠る智神が、広く青い空へ飛びたつことを願う。


第838話「迎撃作戦」

◇『叛意のスピリットオ雄心ブリベリオン

 〈戦闘技能〉スキルレベル80のテクニック。強力な威圧プレッシャーを放つ巨敵に対して抗う勇気を奮い立たせる。

 強力な威圧プレッシャーへの対抗力を獲得する。数秒間、行動不能系のデバフを無効化する。

 屈強な精神で、巨悪に抗え。


第839話「跳んでっ!」

◇『直上跳躍』

 〈跳躍〉スキルレベル40のテクニック。脚部の人工筋繊維のLP供給配分を増加させ、一時的に通常よりも強い跳躍力を獲得する。特定の人工筋繊維に集中的にリソースを配分するため、跳躍は直上方向のみに限られる。

 スキルレベルと習熟度に応じて跳躍力が増加する。

 JUMP! JUMP! JUMP!


第840話「バイクと火炎」

◇〈破疾離夜流〉

 乗用機械類の運転を戦闘に転用した流派。特にバギーやバイクといった比較的小型の機械での使用が想定されている。

 オトコを磨く無頼の勇気。ココロを燃やす灼熱の闘志。唸り、轟き、闇すら越えて、果てなき過酷な覇道を進む。


第841話「小蛇の滝の流れ」

◇手作りカステラ

 メイドロイド、カミルが作ったシンプルなカステラ。ふんわりとした生地に甘い香り。素朴な味わいがどこか懐かしい。


第842話「奇遇な出会い」

◇『猛毒の泥沼』

 〈投擲〉スキルレベル70、〈調剤〉スキルレベル50のテクニック。

 猛毒を封入した瓶を投げ、落下地点を中心にした円形範囲に強力な毒沼を生成する。範囲内の原生生物は“猛毒”に侵され、行動が著しく制限される。

 もがけばもがくほどその身にまとわりつく猛毒の沼。一度入れば抜け出せない。


第843話「指揮官たち」

◇アーツの情報的単位について

 アーツは術式として纏められた情報量を示す単位としてB(バイト)が用いられています。初級機術師であれば通常5〜10GB(ギガバイト)程度の術式を扱うことができます。情報量は術式が大型かつ複雑化するにつれて増大します。KB級機術は機術系スキルを保持しない調査開拓員でも扱え、標準的なアイテムに内蔵することも可能です。TB級機術は通常、都市防衛設備などの大型かつ専門的な装備によってのみ運用されます。

 情報量はアーツの威力を簡易的に概算する際にも用いられ、戦略、戦術的なアーツ運用でも重要な判断材料となります。機術師は自身が扱うアーツの情報量を正確に把握することが求められるでしょう。


第844話「電源泥棒」

◇25GB級攻性機術封入弾“炎龍”

 アーツチップを内蔵し、着弾と同時に攻性機術を起動させる特殊な機構を組み込んだ弾丸。25GB級攻性機術『焼き焦がし爬行する暴虐の炎蛇』が封入されている。

 大口径の銃器で運用可能だが、一定確率で弾詰まりが発生する。


第845話「壁を貫いて」

◇試製超大口径機械人形射出大砲

 〈特殊開拓指令;古術の繙読〉神格実体輸送作戦実施中、第一重要情報記録封印拠点内にて現場指揮を執っていた指揮官T-1の発案によって、急遽開発された特殊な銃器。通常の弾丸や砲弾ではなく、調査開拓用機械人形を装填、射出する。

 突発的なアイディアを元に、限られた資材と設備の中で作られたため、一度使用すると砲身が歪み再使用に耐える品質が保持できない。しかし、炸薬に爆轟花の乾燥花弁粉末を混合しており、その爆発力は非常に強い。

 “必要に迫られ、また可能と判断したから実行したのじゃ。改善点はいくつも思いつくが、反省点はなかったのじゃ。” ——指揮官T-1


第846話「一枚の注文書」

◇機械闘牛

 通常の機械牛よりも大型でパワフルな機械獣。大きな角を持ち、戦闘用途にも使用できる。全身を重厚装甲で覆い、非常に耐久力が高い。また、特殊超剛性人工筋繊維を大量に使用し、力も強い。二機相互接続型高機能人工知能を搭載しており、知能も高く、自律行動も高いレベルで実行可能。

 “荒々しく、逞しい。制御するには高い技量が必要だが、うまく扱えば非常に強力な助けとなるだろう。”


第847話「期待の新人達」

◇溶接鍛造金槌

 〈機械製造〉スキルと〈鍛治〉スキルで使用する上級工具。超高温で溶接と鍛造を同時に行うことができる特殊な構造の工具。扱いは難しく、またBBエネルギーの供給を必要とする。

 “溶かして叩いてくっつければ楽なんじゃね?”


第848話「検査員の楽しみ」

◇レベル5耐爆性能

 原始原生生物“昊喰らう紅蓮の翼華”の乾燥花弁火薬7gの爆発に耐える耐爆能力。

 初期の植物型原始原生生物管理研究所標準収容チャンバーの要件として求められた性能であり、現在ではさまざまな場所での基準として用いられている。


第849話「ほとばしる青」

◇無限運動エネルギー増幅器

 ネヴァが開発した特殊完全反射構造壁を利用したエネルギー増幅装置。基本構造は単純で、高さ1.8mの金属筐体の上下に反射構造壁を水平に取り付けている。内部に封入された金属球が弾み、次第にその運動エネルギーを増幅していく。

 理論上無限のエネルギーを供給できるが、唯一の欠点として増幅した運動エネルギーを外部に取り出すことができない。

“とりあえずなんか作ったから、あとは検証部で何か使い方考えてください”——ダマスカス組合第一工房開発部部長


第850話「貫くは純白の柱」

◇『風水練武』

 〈占術〉スキルレベル60のテクニック。土地にある風水の力を練り上げ、武力としてその身に纏う。時に尋常ならざる強力を獲得し、人の身では到達し得ないほどの武威を示す。

 “地に満ちる力を練り上げその身にまとえば、その者は大地の怒りの体現者となる”


第851話「緩慢な世界で」

◇『霹靂神ハタタガミ

 聖儀流、抜刀奥義。神速を凌駕する究極の一刀。太刀筋はなく、故に限りもない。自身と刀身のみを連結した無際限の直線に“切断”の現象のみを発生させる。

 自身の根源的存在意義にまでその影響は及び、一太刀振るえば己の力すら大きく削がれる。

 “被造物の身で神に挑もうとする愚者は、飽くなき研鑽の果て遂に神に至った”


第852話「大空へ翔べ」

◇HS-08“シューティングスター”

 〈ダマスカス組合〉によって開発された極超音速飛行機八号機。長年にわたる研鑽と改善の結果、ようやく実用レベルにこぎ着けた最初の機体。全体を黒色の高耐久耐熱装甲で包み、俯瞰すると縦長の二等辺三角形に見える形状をしている。

 操作は非常に難しく、専用の滑走路を必要とする。


第853話「障壁打破」

◇ 鋼鉄巨神〈カグツチ〉“アメノオハバリDX”エディション-パーフェクトタイプⅢ

 通称“ゴールデンウィング”。〈鉄神兵団〉が〈ビキニアーマー愛好会〉から購入した作品No.69,720“天子の金翼”の技術を応用し、特殊大型機械装備〈カグツチ〉のアタッチメントとしたもの。

 励起状態では全身が黄金に光り輝き、背部に巨大な翼のようなホログラムが浮かびがる。

 外見だけでなく性能的にも従来の出力が120%上昇し、耐久力も大幅に向上している。

 “我らがアメノオハバリは更なる究極へと到達した! この黄金の翼がその何よりの証拠であるっ!”——〈鉄神兵団〉技術班長


第854話「己との闘い」

◇アンチウィルスプログラム

 第五回〈特殊開拓指令;古術の繙読〉において、突如調査開拓員に侵蝕した詳細不明の異常プログラムに対応するため、応急的に作られたプログラム。通信監視衛星群ツクヨミを通じて、全調査開拓員に強制インストールされた。

 侵蝕する異常プログラムを仮想敵モジュールとして拘束し、実体を与える。同時に正規主幹プログラムにも仮想モジュールを展開し、プログラム的演算空間内部に特殊サンドボックス領域を作成、そこで異常プログラムの除去を行う。問題として、仮想敵モジュールは大部分が正規主幹プログラムのコピー体となっているため、異常プログラム除去には調査開拓員自身の技量が必要となる。


第855話「食卓を囲んで」

◇焼きそば稲荷

 寿司飯の代わりにシンプルなソース焼きそばを詰め込んだ変わり種の稲荷寿司。食べやすいように具材が細かく切られていたり、味付けがお揚げと合うように調整されていたり、芸が細かい。

 食べると元気が出る。

 推定カルマ値+600

 “じゅんわりと味の染みたおあげにソース味の焼きそばという異色の組み合わせじゃが、これがなかなかマッチしておる。シャキシャキしたキャベツやブタ肉の食感も良いアクセントになっておるのう。紅生姜は見た目にも彩りを与えてくれる、よい名脇役となっておるのじゃ!”——T-1


第856話「かしこい打開策」

◇HS-07“メテオシューター”

 〈ダマスカス組合〉によって開発された極超音速飛行機七号機。長年にわたる研鑽と改善の結果、ようやく実用レベル一歩手前に至った機体。全体を黒色の高耐久耐熱装甲で包み、俯瞰すると縦長の二等辺三角形に見える形状をしている。

 操作は非常に難しく、専用の滑走路を必要とする。エンジンの冷却機構に問題があり、一定時間航行すると爆発四散する。


第857話「射出打上加速」

◇『反射鏡』

〈鏡威流〉三の面。対象を強い力で殴り、吹き飛ばす。同時に自身も同じだけの力で反対方向へ強制ノックバックする。

対象にベクトルエネルギーが存在する場合、そのエネルギーの2倍に相当する力でノックバックさせる。

“彼我を重ね、敵の中に己を見る。彼を打つなら、我も打たれる。そこに些かの違いもない”


第858話「ボスの登場」

◇望遠透視レンズ

 撮影機材製作専門バンド〈百景堂〉によって製作された特殊機術レンズ。使用に〈支援機術〉スキルと〈操縦〉スキルを要するが、物体を透過して撮影することができる。

“我々は新たな撮影の境地へ至るため、このレンズを開発した。決して、少しも、微塵も、邪な気持ちはない。なので、ハラスメント通報だけはやめてくださいお願いします。”——〈百景堂〉精密レンズ開発部部長


第859話「彼を討つ」

◇実弾式近接防御システム

 都市防壁上に設置される小型機銃。6砲身ガトリング砲により、都市に接近する脅威を瞬間的に排除する。有効射程は狭いものの、最終防衛ラインの要として重視される。


第860話「屑山の戦旗」

◇『宙翔ける銀翼の天馬』

 〈穿馮流〉突撃奥義。長槍をただ真っ直ぐに構え、ただひた走る愚直な行為。その行為を極限まで昇華させた果てにある翼。

 自身を含めた広範囲の槍を持つ味方対象に刺突属性攻撃力50%上昇、突撃系テクニック攻撃力50%上昇、部位貫通力50%上昇、移動速度200%上昇、速度に応じた部位貫通力増幅の効果を付与する。同範囲同対象が突撃系テクニックを使用した際、あらゆる障害を無効化する。

 “天へ至るその蹄を止めるものはなく、その牙を折るものはない。”


第861話「軍隊と群体と」

◇大型速射機関砲

 〈大鷲の騎士団〉が〈プロメテウス工業〉の技術協力を得て開発した大型重機関砲。32の砲身を束ね、高速で回転させながら50mm特殊貫通榴弾を連射する。砲身がすぐに過熱状態になってしまうという欠点がある。

 高位の〈銃術〉スキルを持つ銃士三名以上で扱う。

“コイツを使えばどんな化け物も倒せるさ。倒せない奴? そんなのがいたら、それはもう災害とか天災とかだよ”——〈プロメテウス工業〉大型兵器開発部部長


第862話「巌の城塞を討て」

◇ここ掘れ塹壕くん三号

 機能的で先進的なアウトドア用品を提案する生産系バンド〈グラスフィールド〉が開発したアイテム。分類上はテント。

 地面に設置することで自動的に塹壕を掘り、支柱を立て、完璧に整備する。塹壕の規模や形状は事前のプリセット15種の他、別売りのアドオンでも追加可能。また、〈制御〉スキルがあれば自身でオリジナル塹壕を設定することも可能です。

 さらに見た目はファンシーなモグラの人形のようで、お子さんにもぴったり。

“皆様から多大なご支持を頂いた塹壕型テント建設機ここ掘れ塹壕くんの三号がついに完成致しました! 二号の弱点でもあった温度に関しても5,000℃から-200℃までの動作検証テストをクリアし、更に扱いやすくなりました。ぜひ、貴方も狩りやフィールド散策のお供に”——〈グラスフィールド〉広報部


第863話「自分との戦い」

◇ “咽び泣く黒涙の鈴花”

 現在は滅びた原始原生生物。第零期先行調査開拓団によって蒔かれた“生命の種”から生まれた初期の原生生物。

 内部に大気を溜め込む性質のある、気密性と剛性の高い花をつける。花の内部は最低でも100気圧を超える。そのため、万が一花弁の気密性が損なわれた場合、周囲に甚大な風圧被害を齎す。

 花の内部に存在する黒色の雄蕊は硬質で、極度に緊張した花弁内部と接触することで甲高い鈴のような音を鳴らす。

 一時期は地上のほぼ全てを覆い尽くし、最大の繁栄種として栄華を誇っていた。しかし、気候変動や他種族の台頭によって絶滅する。


第864話「大盾の進撃」

◇超特大盾“私の高貴なる黄金宮殿ゴールデンパレス特殊装甲壁増設ver”

 対物理、対機術防御力を極限まで高めた特大盾。重量は1tを超え、常人には到底扱えない代物となっている。更にそこへレベル7耐爆性能を有する特殊装甲壁を左右に展開できる機構と、地面へ固定する大型アンカースパイクを増設しているため、重量は更に倍増している。

 “あらゆる攻撃をその高い防御力で阻むが、その重量のため持ちはこぶには非常に高い腕力を要する。故にこれは、一種の城塞と同義である。”


第865話「同志合流」

◇『プッシュバッシュ』

 〈盾〉スキルレベル20のテクニック。味方を盾で押し退け、緊急回避させる。

 味方に対する強制ノックバックを発生させる。ノックバック中、味方の防御力が20%上昇する。

 “優れた守護者となれば、時に味方を押し退ける必要もある。彼に迫るより強い力を代わりに受けるため、優しき暴力が求められるのだ”


第866話「愛抱く白翼」

◇バーサークアンプルver.666

 非常に不安定な性質を持つ薬品。調合後30秒程度で薬効が消失する。

 服用すると、短時間あらゆる攻撃属性が1.5倍となる。エレメント属性だけでなく、マテリアル属性にもその効果が発揮される。また、効果中はLPが1より減らなくなる。反面、効果終了後は3分間のスタン状態となる。また15分間は移動制限とテクニック使用制限、飲食物薬品類使用制限がかかる。

“某おっさん対策で作った薬です。あんまり実用性は考えてません。味も考えてません。”——開発者


第867話「外から内から」※

◇デストラクトアンプル

 機械人形の全機能を停止させるキラープログラムの封入されたナノマシンアンプル。摂取後、解毒薬などの対処を為さなければ10秒後に体内のブルーブラッドが過剰励起状態となり、爆発する。

 危機的状況で一矢報いる最終手段。このアンプルを使った場合は通常の機体回収では復活ができない。

 味はよい。


第868話「ふたりで一緒に」

◇『気功感知』

 〈占術〉スキルレベル40のテクニック。既知の科学技術では捉えられない特殊なエネルギーを認知する。捉えられるエネルギーは、エネルギーそのものの強さとスキルレベル、熟練度によって左右される。また、膨大すぎるエネルギーの中に入ってしまった場合、最悪自身の存在が消滅してしまう。

 “森羅万象に宿り、常に流転する流れの一端を見出せば、そこに世界の真理が垣間見える”


第869話「彼を目指して」

◇HS-07“コメット”

 〈ダマスカス組合〉によって開発された極超音速飛行機六号機。とりあえず飛ばない事には意味がないだろう、という意見を元に、離陸し飛行することを第一目標に据えて開発が進められた実験機。設計部の尽力により、無事に第一目標の要件を満たすことができた。

 なお、着陸については考慮されていない。

“とりあえず、飛行時のデータ取りには使えるからヨシ!”——設計部部長


第870話「現場の混乱」

◇レッドカラーGM

 ゲームマスターの中でも特に強い権限を持つ上位のGMです。重大な規約違反などが発生した際に出動し、状況を鑑み、独断即時のアカウント消去などを行うことも可能です。

 レッドカラーGMの指示は、グリーン、ブルー、アミューズ各GMの指示よりも常に優先されます。

 このGMは赤い専用装備を身につけています。GMの指示には極力従うようお願いいたします。


第871話「空飛ぶ兎」

◇キャパシティデータ

 汎用マルチマテリアルナノマシンの特殊な組成配列を記憶したデータ。武器、防具、装飾品などの記憶領域にセットすることで、特殊な能力を付加できる。〈機械製作〉スキルを用いて製作することが可能。

 ☆一個から十個までの十段階のレアリティと、複製可能なノーマル、複製不可能なスペシャルなどいくつかの属性によって分類される。

 データそのものはデータカートリッジによって取引できる。


第872話「壁を越えて」

◇ “黒箱”

 大規模多層式防御陣地“八雲”、第八層構成テント。完全な防御能力を有する箱型テント。


第873話「思慮深き少女」

◇術式封印用記録媒体

 暴走状態に陥った危険性の高い術式を封印する際に使用する特殊な記録媒体。外部への影響を抑えるため、特殊な情報密閉コーティング処理が行われている。硬質だが、強い衝撃を受けると砕ける。また、万一の場合は緊急的に焼却できるよう、可燃性も付加されている。


第874話「混乱と祝祭の後」

◇〈オモイカネ記録保管庫〉

 前〈第一重要情報記録封印拠点〉〈第二重要情報記録封印拠点〉の改名後の施設。〈白き光を放つ者ホワイト・レイ〉に関連するさまざまな情報を収蔵している。それらの復元と調査を行うため、新たに管理者として就任したオモイカネの下でDWARFの職員たちが働いている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る