記録集積-No.15

第15章【花猿の覚醒】

第622話「機体改造作戦」

◇換装機体の修復について

 機体の一部を特殊なパーツに換装した場合、アップデートセンターの無料修復では対応できません。事前の緊急バックアップカートリッジを使用するか、乾燥技術を持つ調査開拓員に修復を依頼してください。


第623話「深奥に挑め」

◇〈すごくSでかいD巨人Gたち

 バンド〈いつか天空島を見つける会〉が製作し、高速航空輸送網イカルガ内部で運用される特大型人員輸送群体航空機。両腕を広げた人のような形態で、胴部に300人までを収容可能。

 単独での離発着、航行ができず、最低三機以上での運用が求められる。


第624話「祝詞奏上」

◇身削ぎのナイフ

 白く輝く美しい刀身に赤布を巻き付けた、細長い解体用のナイフ。扱いは難しいが、心を冷静に保つことで、繊細に原生生物の身体を切り進むことができる。


第625話「偵察と瞬殺」

◇夜駆け雲雀

 夜駆け鶏と影縫い雲雀の霊核を融合させた霊獣。闇に溶けこむような隠密性を持ち、暗闇の中では非常に見つかりにくい。

 霊体が消失した場合でも、霊核が無事であれば再召喚が可能。


第626話「幸運のお守り」

◇黒影猩猩

 〈花猿の大島〉の深奥、城壁樹に囲まれた秘境に生息する黒毛の猿に似た原生生物。闇に潜み、影に隠れ、迷い込んだ獲物を素早く狩る。

 闇に適応するため眼球は大きく発達し、枝を伝って木々の間を移動するため手が長くなっている。強い光を嫌い、闇から闇へと素早く移動する。

 影に潜む黒衣の暗殺者。徒党を組み、黒に溶け込み、静かに背後に忍び寄る。不愉快な笑声が聞こえれば最後、その姿を見ることも叶わない。


第627話「再戦は容赦なく」

◇『牙槍・穿閃崩斂撃』

 〈槍術〉スキルレベル80のテクニック。

 一突きに全身全霊の力を籠め、獣の牙の如き鋭さで対象を貫く。猛獣系原生生物に対し、刺突属性ダメージ200%増加。クリティカルヒット時、刺突属性ダメージ50%、クリティカルダメージ20%増加。

 獰猛な牙獣の動きを取り入れた、野生の槍術。その一撃で獲物を打ち倒す。肉を喰らい、血を飲み乾して、その全てを己に還元する。


第628話「繰り返す異界」

◇『地平貫き落陽越える白き竜馬』

 穿馮流、三の蹄。

 長槍を真っ直ぐに構え、一直線に走る。効果中、LPが徐々に減少する。LPが全体の2割以下になった場合、効果が消える。効果中、全身に攻撃判定が発生し、移動速度が徐々に上昇する。

 竜の如き強靱な脚で大地を駆け抜ける。その突進を阻む者はおらず、触れたものは全て轢殺される。


第629話「応援を待つ」

◇簡易型無限軌道式BB生産装置

 汎用金属部品などを使用し、急造した回転エネルギーをBBエネルギーへ変換する装置。台座上の大きな円盤の中に調査開拓員が入り、走行などで円盤を動かすことでBBエネルギーを生産する。

 エネルギー変換効率は悪いが、ギアチェンジによって負荷を上げることが可能。


第630話「闇を駆け」

◇『紙吹雪』

 〈呪術〉スキルレベル50のテクニック。

 細かな呪符を周囲に散布し、広範囲に渡って拡散する。散布できる範囲は、使用する呪符、〈呪術〉スキルレベル、熟練度に左右される。

 降り撒き積もる紙吹雪。白き紙片にまじないを。風に揺られて空を舞う。


第631話「声を重ねて」

◇思念操作

 システム設定の操作設定、情報設定項目内で、思念操作の有無を設定することができます。思念操作設定をオンにすることで、現実で発声に障害を持つ方でもゲーム内での“発声”を行い、テクニックを使用することが可能になります。


第632話「不可視の隘路」

龍脈レイライン

 大地に流れるエネルギーの血脈。生命力を運び、還元と調和を保つ。そのエネルギーは[閲覧権限がありません]を根源とし、[閲覧権限がありません]へと至る。[閲覧権限がありません]の時代より[閲覧権限がありません]の遙か未来へ、連綿と流れる。


第633話「メンバー選考会」

◇『呪力視』

 〈呪術〉スキルレベル30のテクニック。フィールド上に存在する呪力を直接視認できるようになる。呪力がある程度濃くなければ視認できず、〈呪術〉スキルレベルが上昇するか、テクニックの熟練度が上昇することでより敏感に呪力を視ることができるようになる。

 人が呪えば思いが残る。水が流れれば地に刻まれる。思いの残滓を感じ取り、呪いの怨嗟をつかみ取る。


第634話「歌声沁みる森」

◇集音マイク

 調査開拓人形の耳部に内蔵された、周囲の音声を感知するための部品。タイプ-ライカンスロープは外部拡張パーツが追加されており、特に兎型はこの部品の性能が高くなっている。

 非常に大きな音を受けた場合、パーツが破損する可能性がある。その際は技師による修理か、アップデートセンターでの換装を行うことができる。


第635話「コンサート」

◇歌唱戦闘

 〈歌唱〉スキルを戦闘行為に取り込んだ、新しい戦闘スタイル。歌い続けながら戦う必要があるため、高い技量を必要とする上、戦闘中は言葉によるコミュニケーションが図れない。

 しかし、歌は自身と周囲の味方を力強く鼓舞し、相対する敵を畏怖させる。また、歌は敵味方の区別なく溶け込み、染みこんでいく。


第636話「少女告白」

◇“愛をこめてDear貴方に歌うyou.

 〈大鷲の騎士団〉内部非公式ファンクラブ〈シングバードウォッチャーズ〉所蔵のレコード。才能溢れるシンガーソングライター“アイ”の記念すべき第一曲。彼女が路上演奏を始めた際に歌った、最初の曲。現在の彼女にも通じるDNAが既に存在し、そこには想い人に対する熱い気持ちが綴られている。

 たまに副団長室で歌っているのが漏れ聞こえることもある。←てか最近これ歌ってる頻度高くないか?←ウチの副団長を誑かす奴がいるってことか???←は?許せんが?

 なお、当ファンクラブおよびこのレコードの存在は、絶対に、必ず、何があっても、本人に知られてはいけない。そのことをゆめゆめ忘れる事なかれ。


第637話「団長へ報告」

◇大鷲の騎士団カレー

 〈大鷲の騎士団〉輜重部兵糧班によって開発された、オリジナルカレー。数十種類のスパイスを独自の比率で配合し、様々な鳥型原生生物の肉、沢山の野菜と共にじっくりと煮込んだ逸品。複雑で奥深い味わいが飽きさせず、野外での攻略活動で疲弊した騎士団員を腹から温める。

 兵糧班監修のレトルトカレーは〈三つ星シェフ連盟〉によって作成され、各都市の店舗および〈大鷲の騎士団〉支部、また〈翼の砦ウィングフォート〉にて大好評販売中!


第638話「海に眠る記憶」

◇情報共有支援機構“オモイカネ”

 調査開拓員によって収集された情報資源をより円滑に他の調査開拓員へ共有するオンライン上のシステム。調査開拓員は様々な、文章、画像、映像、音声データをアップロード、公開することができる。情報資源の公開には、自由に価格や閲覧条件を設定することも可能。


第639話「進捗どうですか」

◇受発注管理システム

 〈取引〉スキルレベル70で使用が解禁される支援システム。メニューの管理や、その公開、注文の管理、金銭のやり取りなどを一貫して行うことができるようになる。


第640話「不確かな伝言」

◇博識の眼鏡

 知的な印象を与える銀色の細縁眼鏡。思考を明瞭にし、独自の法則で書かれた文章の読解を助ける。

 装備時、〈解読〉スキルの効果量が5%上昇。視力が僅かに強化される。


第641話「魅惑の商品」

◇マーカー

 〈罠〉スキルによって扱うアイテム。地面に突き刺し、起動することで様々な効果を発揮する。フィールド上に特定のエリアを設定することができ、そのエリア内では他の武器種と比べても高い能力を見せる。


第642話「機体回収」

◇〈回収〉スキル

 フィールド上で行動不能となった調査開拓用機械人形を回収し、持ち主の下へ届けるスキル。機体復帰に掛かるデータ統合時間もスキルレベルに応じて短縮できる。

 果敢に戦い、誇りと共に散った戦士に手を差し伸べる。今はまだ、眠る時ではない。今一度、新たな炎を胸に立ち上がれ。


第643話「青天の霹靂」

◇地走蜘蛛

 特殊テント“肋蜘蛛”、植物戎衣“花衣”“黒鉄瓜”を用いる植物複合式自走テント。四対八本の多脚走行方式により、悪路走破性と姿勢安定性を高い水準で両立させた。上質精錬合金フレームにより頑丈性も高く、“花衣”によって自動的な反撃も行える。


第644話「地を走る蜘蛛」

◇『機術連鎖』

 〈機術技能〉スキル70のテクニック。一度発動した機術を起点に、新たな機術を展開する。射程や照準に制限が生じるもものの、消費コストを軽減することができる。


第645話「暗森に眠る遺跡」

◇〈最重要奪還目標地域;看守のコシュア=エタグノイの監獄闘技場〉

 [閲覧権限がありません]


第646話「汚れ穢れた犬」

◇“汚穢のクソト”

 [閲覧権限がありません]


――権限承認。閲覧制限を解除。


 第一級封印指定対象。吸収還元術式融合個体。高度情報極微細粒子凝集個体。敵性情報修正術式侵蝕率76%。情報再修正術式適応状況、なし。現在、〈最重要奪還目標地域;看守のコシュア=エタグノイの監獄闘技場〉にて禁錮中。簡易輪廻循環システムにより、状態安定。予定禁錮期間、無期限。


第647話「刹那の合間」

◇“叛逆のサカハギ”

 第一級封印指定対象。衝撃反発術式融合個体。高強度高反発高反射フレーム個体。敵性情報修正術式侵蝕率80%。情報再修正術式適用状況、なし。現在、〈最重要奪還目標地域;看守のコシュア=エタグノイの監獄闘技場〉にて禁錮中。簡易輪廻循環システムにより、状態安定。予定禁錮期間、無期限。


第648話「暗中の刃」

◇“離反のイキハギ”

 第一級封印指定対象。周辺精査術式融合個体。高密度集合粒子液体金属個体。敵性情報修正術式侵蝕率82%。情報再修正術式適用状況、なし。現在、〈最重要奪還目標地域;看守のコシュア=エタグノイの監獄闘技場〉にて禁錮中。簡易輪廻循環システムにより、状態安定。予定禁錮期間、無期限。


第649話「花猿の顕現」

◇神子

 かつて地上に存在した、白神獣の仔。黒神獣の災禍を逃れ、地の深き流れの底にて眠っていた。いずれ訪れる巡礼者を待ちながら。

 その目は真を見通し、その声は精霊に響く。その足は流れを踏み、その耳は世界を聞く。

 神子は待つ。己を呼び覚ます声を。神子は待ち続ける。再び、あの栄えある白の時代が訪れる時を。


第650話「決死の徒競走」

◇フツノミタマ

 〈ホノサワケ群島〉各地に配備される、対〈猛獣侵攻スタンピード〉用積極的迎撃拠点。BB供給ラインによって海洋資源採集拠点シード02-ワダツミと接続し、同中枢演算装置〈クサナギ〉の管理下に置かれる。

 様々な都市防衛設備が搭載され、有事の際には全力攻撃で事態の早期鎮圧を行う。平時は簡易的な拠点として調査開拓員の支援を行う。


第651話「取り乱す管理者」

◇〈白き深淵の神殿〉

 〈剣魚の碧海〉深部、〈ワダツミ深層洞窟〉の奥に存在する大規模な未詳文明遺産。荘厳な姿を今に残しながらも、どこか哀愁漂うもの悲しい雰囲気を醸し出す。特殊な原生生物が守る内部には、様々な考古学的価値を有する遺物が残されている。

 かつての栄光は暗い海の底。眩い輝きは黒く染まり、やがて歴史は薄らいでゆく。残された者は老い衰え、使命はやがて呪いへと歪んだ。それでも、待ち続けるものは居る。いつか、彼の光が再び差し込むことを。


第652話「大海原へ跳べ」

◇注入量安定化機構爆破型自滅暴走装置

 種瓶“花衣”に搭載された簡単な構造の自爆装置。濃縮栄養液の注入量を一定の値で安定化させている機構を爆破することで、一気に大量の栄養液を解放する。結果として植物の暴走を促し、周囲に甚大な被害をもたらす。

 非常に危険かつ迷惑な行為となるため、取り扱いには厳重な注意が必要。

 なお、遠隔起動装置は別料金となります。


第653話「荒れる海原」

◇『機術回線開放』

 〈機術技能〉スキルレベル80のテクニック。機術の管理権限を解放し、他術師からの操作を受け付ける。非常に不安定な状態に陥るが、術者の技量によっては大規模かつ強力な術式へと発展させることも可能になる。


第654話「覚醒少女」

◇ブルーブラッドの輸血

 戦闘中の負傷などにより“出血”状態が続くと、体内のブルーブラッドが不足し行動が制限されます。ブルーブラッド輸血パックなどのアイテムを使用することで、解消することができます。


第655話「愛すべき子」

◇イザナミ計画第零期先行調査開拓団

 劣悪な環境を有する惑星イザナミを、第一期調査開拓団が投入可能なレベルにまで調整することを目的に動員された調査開拓団。

 調査開拓用有機外装を装備した形而上学的術式型調査開拓員が大部分を占める。

 大規模なテラフォーミング、環境調整、生態系形成、および第一期調査開拓団受入準備を任務とし、第一期調査開拓団の入植より20,000年先んじて活動を開始していた。

 現在、不明な理由でその大部分が活動を停止。領域調整プロトコルは破綻している。彼らにどのようなトラブルが発生したのかは不明。現在は調査が行われている。


第656話「愛を注ぐため」

◇領域調整プロトコル

 〈タカマガハラ〉によって作成された、第零期先行調査開拓団の行動指針。これを各種の判断基準として、第零期先行調査開拓団は活動する。

 第零期先行調査開拓団投入後、17,225年間で93%まで達成。直後、原因不明のイベントによって完全破綻。現在は破綻の原因となったイベントの調査が行われている。


第657話「大騒動のあとで」

◇〈コノハナサクヤ監獄闘技場〉

 〈花猿の大島〉中心部に存在する、遺跡を元に増改築を行った施設。中央にある闘技場にて特殊な敵性存在“黒い獣”との連戦形式での戦いを行える。

 広い観客席が整備され、施設内には売店も存在する。勝敗予想の賭博も行われているため、非戦闘職でも楽しむことができる。


第658話「ある人々の話」

◇最高級五目おいなりさん

 油揚げの原料である大豆をはじめ、米、酢、筍、椎茸、人参、蓮根、牛蒡の全てを重視し、最高級の素材を集めた珠玉のおいなりさん。

 最高級の名に相応しく、極上の味を誇る。

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