記録集積-No.02

第2章【大瀑布の白き月】

第81話「新居来訪」

◇メイドロイド

 拠点保安課管轄の機械人形。住居の保守管理及び開拓調査員の私生活補佐業務を専門とする。能力により下級・中級・上級の三種が存在し、それぞれに雇用費が変わる。


第82話「鼻歌まじり」

◇グレンキョウトウショウグンガザミ

 紅蓮鋏刀将軍蟹。鮮やかな紅蓮の甲殻で身を包み、二振りの鋭い刀のような爪を持つ巨蟹。巨大だが驚くほど機敏な動きで敵を翻弄する。甲殻は非常に堅牢で優れた素材として武具などに重用される。一方で身は硬く大味で食用には適さない。


第83話「いない日の事」

◇魚拓

 〈釣り〉スキルレベル5、〈撮影〉スキルレベル5のテクニック。釣り上げた魚を墨で魚拓紙に記録する。シンプルなテクニックではあるが、魚拓を集めるため方々を駆け回る熱心な蒐集家も多い。


第84話「シャドウスケイル」

◇シャドウスケイルシリーズ

 湖沼の奥底に潜む三つ首の大蛇の素材を用いた装備。薄墨色の落ち着いた色合いに、カーキのミリタリージャケットを合わせた自然に溶け込む装い。気配を薄め、水場での行動を容易にする。大蛇の瞳を模した三色の宝玉を連ねる首飾りには、各種の耐性を付与する力がある。


第85話「自衛の為の平和的兵器」

蛇眼蛙手ジャガンケイシュ紅槍コウソウ

 巨大な紅蟹の爪を用いた恐ろしく鋭利な刃を持つ短槍。麻痺蛙の皮が巻き付けられ、刃先にまで毒が染み渡っている。また内部に複雑な機構を埋め込み、操作することで敵を石化させる不思議な力を発動させる。敵の行動を阻害することを第一に優先させた特殊な槍であり、扱いには様々な知識と技量を要する。


第86話「岩穿つ麻痺の紅槍」

◇不寝のディード

 背中に無数の眼を持つ巨大な蜥蜴。皮膚は岩のように硬く、ごつごつとしている。縄張り意識が強く、一日の殆どを“巣”の中で眠って過ごす。一つの眼が眠っても他の眼は起きており、他の眼が瞬きしていても他の眼が開いているため、常に周囲を監視している。侵入者には容赦なく襲いかかり、無数の視界による予測できない変則的な攻撃によって翻弄する。特殊な能力は何も持たないが、巨大な身体と強靱な筋肉による物理攻撃と絶望的なタフネスによって須くを拒絶する。


第87話「現れた二人と」

◇ログアウト

 通常、フィールドなどの危険地域ではログアウトが制限されている。スサノオの町中などの安全地域内にてのみログアウトが可能。しかしその際にも30秒の猶予時間が設定されており、その間に一定以上の激しさで動いた場合はログアウトがキャンセルされる。


第88話「鎧魚の瀑布」

◇ポータル

 高速装甲軌道列車ヤタガラスが発着する、開拓地に設置された拠点。内部は狭いものの簡易な椅子が置かれた休憩室が併設されており、危険な開拓地における数少ない安全を確保できる空間。


第89話「白い牡鹿」

◇鎧魚の瀑布

 北方の山嶺から流れ出した湧水が束なり巨大な川となって集まる場所。高台の下へと勢いよく落ちる大瀑布は絶景で、豊富な清水により多種多様な魚が棲む。水蛇の湖沼と同様に、常に薄い霧が掛かっており視界は悪い。


第90話「掲示板」


第91話「怪魚再び」

◇耐久度

 武器や防具、そして一部のアイテム類には耐久度が設定されている。使用したりダメージを受けたりするたびに消耗していき、耐久度がゼロになるとそのアイテムは不可逆的に破壊される。生産スキルを持ったプレイヤーやNPCが修理を施すことで耐久度を回復することは可能だが、その際も最大値が減少してしまう。


第92話「断絶の瀑布」

◇サブ機体

 死亡時に一時的に意識をインストールされる非常用の機体。装備品などはなく、初期状態のスケルトン。特定のアイテムを使用するテクニック類は使用できず、BBなど各種ステータスも初期値と同等。唯一〈登攀〉〈歩行〉などの技術系スキル及び〈鑑定〉〈解読〉などの知識系スキルは機体やアイテムに依存しないため使用することが可能。


第93話「ハイジャンプ」

◇強化人工筋繊維

 機械人形を構成する主要パーツの一つ。伸縮性に優れ、秀でた引っ張り強度を持つ。ブルーブラッドに仲介される伝達信号に機敏に反応し、素早い行動を可能としている。超硬度ナノチューブを表層とする多層カーボンナノチューブ防御カバーに覆われており、スキンの下では黒い構造体が確認できる。


第94話「下層からの歓迎者」

◇スケイルフィッシュ

 全身を硬い鱗で覆った巨大魚。呼吸機能が発達しており、短時間であれば陸上でも活動ができる。筋肉の塊でもある太い身体は少ししならせるだけでも破壊的な力を周囲に及ぼす。高所恐怖症。


第95話「白鹿と空からの来訪者」

◇〈採掘〉スキル

 採集系スキルの一つ。ツルハシを用いて鉱石を破壊し、鉱物を得る。希少な鉱石ほど扱いが難しく、手に入れるには力だけでなく技も必要となる。


第96話「ゴスロリの救世主」

◇〈投擲〉スキル

 アイテムを投げるシンプルなスキル。初期は石などを投げることで僅かな物理ダメージを与えるだけのスキルだが、レベルを上げることで投げられるアイテムが増えていく。上手く扱うことが出来れば、戦況を支配することも可能になる。


第97話「白鹿の道案内」

◇チョコバー

 携行性に優れた食料。コンパクトながらも高エネルギーで、味も比較的良好。チョコレートとナッツ、ドライフルーツなどの簡単な材料で作れる。料理人の入門編に用いられることも多い。


第98話「カナヘビ隊」

◇wiki編集者

 公式wikiに情報を纏めることを専門とするプレイヤーの自称であり総称。編集者ごとに得意とする分野は異なり、フィールド調査、町中調査、原生生物の情報から鉱石の情報まで多岐に渡る。彼らは正しく信頼性のある情報を記載することを信条とし、彼らの尽力によってwikiの品質が保たれていると言っても過言ではない。


第99話「カナリア」

◇無人探査機Spider

 未開領域の探査、偵察を目的に開発された蜘蛛型の無人機。八つのカメラと八つの脚を持ち、過酷な環境を探査する。二つのカメラは高出力レーザー砲になっており、二つの前肢は鋭利な刃が取り付けられているため、簡易的な威力偵察も行える。


第100話「濡れ鴉」

◇忍刀・濡れ鴉

 カナヘビ隊を纏める青年が携える忍刀。黒い刀身は影に潜み、密やかに敵の首を掻き切ることができる。刃は硬質だが脆く、欠けさせずに扱うには相当の技量を要する。


第101話「覚醒の風」

◇部位損傷

 強力なダメージを受けたり、異常な攻撃を受けることによって四肢を損傷することがある。その場合は安全機構が自動的に作動し、損傷箇所の分離が行われる。地上前衛拠点スサノオに設置されているアップデートセンターにて代替部品への換装が可能。


第102話「洞窟リベンジ」

◇風牙流

 槍と、解体師の用いるナイフを交えた異端の流派。風のように絶え間ない連撃による破壊力は獰猛な獣のように蹂躙する。己の骨を折り肉を断ちながら敵に食らいつく凶暴性は、卓越した技量が無ければ制御することすらままならない。


第103話「帰還者達の夜明け」

◇防腐の丸薬

 〈鎧魚の瀑布〉に自生するいくつかの薬草と、原生生物の素材を調合して作り上げた丸薬。深緑色の少し湿った、拳より少し小さい、一見すると泥団子のようにも見える、しかしれっきとした薬。総天然素材。現地で薬効だけを求めて応急的に作られたものであり、使用者からは強い改善要求を受けている。


第104話「白き月の下で輝く双角」

◇隠密の黒装束

 とある集団が愛用する、全身を包む黒装束。足音を殺し衣擦り音を立てない特殊な布地で作られており、中に板金を縫い込むことで防御力も確保されている。胸元には百足を模した紋章マークが刺繍されている。

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