絶対に俺をひとり占めしたい6人のメインヒロイン<カクヨム版> #絶ヒロ

石田灯葉

プロローグ:アイを込めて花束を

 熱帯夜。


 六本木ろっぽんぎそびえる超高層ビルの屋上のプールサイドに、俺は立っていた。


 目前には6人の花嫁候補メインヒロイン


 手元には5束の花束ブーケ


 つまり、これから俺はこの中から5人を選び、そして。


 ——1人を脱落させる振ることになる。


 目を閉じて、深呼吸。


 俺は、彼女たちと過ごした日々のことを改めて思い起こしていた。




『ねぇ、真一しんいちくん。触らせてあげたら、りぃのこと、最後まで選んでくれる?』


『もう大丈夫だよ? わたしが真一を、ニューヨークここに監禁してあげる』


『マノンには、どうしても、お兄ちゃんと2人きりでお話ししないといけないことがあるのです』


『だから、アタシの『初恋候補』にシンを選んだのよ! 光栄でしょ?』


平河ひらかわ、お願い。あたしを1on1デートに選ばないで』


『私、本当はあの日、平河くんと——』




 1人1人との思い出と、1人1人への思いを確かめてから、再び目を開ける。


 そして、1人目の名前を呼ぶため、口をひらいた。


「————さん、この花束ブーケを受け取っていただけますか」

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