概要
蒼人、また戻って来ちゃったね。
久し振りの潮の香が、僕の鼻孔をくすぐった。海に迫り出す崖の上に建つ、一軒の家。僕達家族四人の新たな生活がここで始まるのだ。でも新たな生活と言うには、正直のところ新鮮味に欠けていた。何故なら、僕達は四年前までこの家で生活していたのだ。かといって、慣れ親しんだはずの風景を目の当たりにしても、昔の思い出に浸る気分にはなれないし、なりたいとも思わない。昔の記憶は封印したのだ。あの忌まわしい出来事とともに・・・。
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