第20話:戦いで重要なのは、教養と発想力 まぁ私に教養は無いんですけど


 目の前に突然土の盾が現れ、刃を受け止められる。


(....速い....それに、先程の壁は突き刺さったが、今回は刺さらずか....)


 正面から濃い魔力を感じる。

 この一瞬でこの硬さ.....本気を出してきたか。恐らく暗闇の方も防がれている。


 ただ、コレはあくまで身を守る為。

 生きる為なら全力を出すのは当然だ。


 それならば、嫌になるまでやるだけだ。


 刺さった武器をすぐ引き抜き、背後の武器に魔力を込め、奴の方に体を向けたまま移動する。

 それと同時に、暗黒を元の位置に移動させる。


 暗黒の側に着くと、壁が無くなり2つの盾の近くに居る奴の姿が見える。


(視野は確保できたか。ひとまず色々と攻めてみるか。)


 左前→奴の後ろの順で魔力を込めて奴の近く移動し、盾の無い所を攻める。


 ガギッ


 武器が移動した盾に当たり少し鋭い音が鳴る。


(速いな.....それにこの硬さ.....質よりも量で攻めるのが正解か)


 盾の移動する速さに、少し驚いたのと同時に、周囲から感じる魔力が練られているのを感じる。

 それとこの感じ....恐らくこの見えてる場所全体だ。


(奴は土の操作と結界魔法を得意としている様子だ。一度様子見も兼ねて....)


 手持ちには後兼用二つと軽い奴が四つ。

 コレだけあれば、万が一武器が敵の手に渡っても、大丈夫だろう。


 手元の兼用武器を空に向かい投げ、魔力を込めて移動する。


 地上から20m程の高さで宙を舞い、飛ばした武器を掴み、また飛ばして魔力を込める。コレを繰り返すことで、滞空する。

 この位置から地上を見ると、案の定多くの魔力と同時に何か突起物が見える。

 恐らく土を変形させ、結界魔法を表面に張り、本来はもろい先端を生物を貫けるレベルまで上げているのだろう。


(......暗黒の位置的に兼用武器は刺さったままだな。位置的に見えることも無いだろう。)


 暗黒を奴の方へ移動させ、意識を出来る限りコチラから離れされる。


 そして、あまり動かずに2つの盾で防いでいる奴に対し、上空から下に兼用武器を投げ、魔力を込める。

 魔力を込めた為、更に勢いが増した刃が奴の頭に目掛けて刺さろうとした。


 しかし、またもや移動した盾に防がれてるてしまう。

 ただ、20mからの急降下の突きは聞いたのか、片方の盾が壊れた。


 しかし、壊れた分勢いが殺され、避けられてしまったが、死角の為奴は暗黒に一瞬入り、一瞬で出てくる。


〈視点チェンジ〉


「うっ.....」


 視界が一瞬真っ暗になった後、さっき感じた感覚をまた感じる。

 攻撃しようと上を向いていた分、さっきよりも目に焼ける感覚がある。


 というか......なんであんなに急上昇出来たんだ?


 さっきから感じる違和感。


・暗闇の中、何度も何度も投げてきたあのイカつい武器


・かなりの速さだったにも関わらず追いついて来た速さ


・さっきからほぼ同じ位置に高速移動してる


・暗闇もほぼ同じ位置にある



 ........あっ.......



(寺子屋知識も役に立つ事ってあるんだな)



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