第4話:野糞は嫌だ!そうだ!トイレ作ろう!
【3:14 a.m.】
「到着だ。」
「割と早く着いたな。」
村についた俺達は解散し、俺はひとまず、村の周辺をゴーレムと散歩する。
拠点に戻っている途中、3人で手を繋いで歩き始めた時はマジで後悔しかけたがそれ以上の嫌な事があったお陰で、少しダメージがマシな気がする。
「この辺でいいかな。」
俺は少し花が咲いている所にくると、一度ゴーレムを待機させる。
(う〜ん.....場所はここで良いとして、よく考えたらこのままの服だとなんかしらのオバケとかでそうだし村に雑貨屋かなんか探すか。)
〜移動中〜
(なんかないかな〜)
俺がそんな感じで金を取りに行った後、村の中を歩いていると
「ん?雑貨屋ライラルト?ここならあるか?」
俺は目に入った雑貨屋に入った。
『雑貨屋ライラルト』
「いらっしゃいませ!」
店に入ると、元気のいい青髪の小さめの店員さんが挨拶をしてくれた。
店を少し見渡すと木製のくしや薬草、羽ペンや本なんかが置いてある。服は.....パッと見ないな.....
(こんな辺境の所に本なんて届くか?それとも現地の人が書いてるのか?それも気になるけど、とりあえず服を売ってるか聞いてみるか。)
「すいません......ここって.....」
「あっ!うち薬物取り扱ってますよ!」
「別に俺はシ◯ブ中じゃないですからね。」
「な〜んだ.....いえ!常連さんの仲間かと思って!」
「あ〜.....確かに外では禁止ですからね....」
「そうなんですよ!お陰様で商売繁盛ですよ!」
「はは....ところでここって洋服って売ってますかね?」
「はい!衣類ですね!衣類はあちらの方にございますよ!」
店員が手を向けた方を見ると、シンプルなボタン付きの洋服とズボンなんかの衣類があった。
(というか店入った真後ろにあるとか分からなくないか?店なんだから死角はつくらないで欲しい。まぁちゃんと見ない俺が悪いんだろうけど.....)
「う〜んと.......これかな?」
「なにかご希望のサイズとかありますか!?」
(うるさ......)
「あ、はい。女性用の服を探してて。」
「そうなんですね!そちらのゆったりしてる方が女性用ですよ!あとそちらには2着しか無かったと思うので、2着を超える場合は会計の時にお願いします!」
「わかりました。」
俺は多分女性用の服と、ズボンを2着と4着を店員の元に持って行き、会計をすませる。
「はい!服とズボンがそれぞれ4点ですね!合計で銀貨8枚です!」
「えっと....はい。これで8枚ですね。」
(......?よく考えたらおかしくないか?)
「はい!何か入れ物をお持ちでしょうか?」
「持っていませんが大丈夫です。」
「そんな遠慮しないで下さい!」
店員さんは買った物を袋に詰めていく。手速く慣れた手つきであっという間に詰め終わった。
(別に遠慮してる訳じゃないけどな.......)
「はいどうぞ!またのご来店お願いします!」
「はい、ありがとうございました。」
買った物を受け取り、俺が店を出ようとすると、
「あっ!そうだあんちゃん!」
「ん?どうしました?」
「外から来た人でしょ!何か教えてくれないですか!?」
店員さんはものすごく興味津々な目でこちらを見ている......
(なにが目新しく感じるかな.....)
「そうですね.....外の世界には学校というものがあって、そこで子ども達が魔法などを学んでいますよ。」
「そうなんですね!いいなぁ〜私なんて7歳から店番してますよ〜魔法使えちゃうのは尊敬です!」
「はは.....そうなんですね.....」
(えっ.....7歳から薬物売ってんの.....?)
「逆に私に質問とかってありますか?」
「う〜ん......」
(正直聞く事......あんまないな.....あっ!)
「2つ質問があります。」
「はい!何でしょう!」
「ここってトイレってどこにありますか?」
「トイレってなんですか!?」
「よしありがとうございました。次にお風呂.....いわゆる水浴び場ってどこですか?」
「お風呂?水浴び場なら村の東側のハズレの方に有りますよ!」
「なるほど。東ってどっち方向ですか?」
「→方向ですよ!」
「ありがとうございました。それでは俺はこれで。」
「またのご来店お願いします!」
俺は少し駆け足で店を出た。
『花がある所』
「さて、じゃあやって行きますかね。」
俺は死体にひたすら服とズボンを着せていく。いくら女の裸だろうと普通の人は裸の死体を見ても性欲より罪悪感と申し訳なさが勝つだろう。
「よし.....これで大丈夫だよな.....冷静に考えたら下着も必要なんだろうけど.....そんな勇気は俺にはないからな.....これで我慢してくれ.....」
そんな言い訳をしながら死体に服を着せ終わる。
「......喰われてた男の方はどうしよ.....あまりにも悲惨なことになってるんだけど......まぁ戦いの中死ぬって言うある意味誇り?を感じるかもしれないし......そのままでいいか.....」
俺は魔法で穴を5つ掘り、その中に死体を入れて埋めた。
「よし......まぁこんだけしたんだし......これの殺しは悪じゃないよな......忘れよう.....」
埋葬?が終わった俺は次に、トイレを作ろうと考え始める。
(トイレか......どういう仕組みなんだろうか?落としたら中に空洞かなんかがあるのか?それとも......う〜んなんだろう.....というか死体の上で考える内容じゃ無いな。場所変えよう。)
『村ハズレ』
「ここら辺なら落ち着いて考えられそうだし、何かアイデアが浮かぶかもしれないしな。さて......」
俺はトイレをどうするかを考える。冒険途中じゃ無いのに野糞は不衛生だし気色悪いしな。
⚠︎この世界のトイレは和式と洋式どちらもありますが水が流れなかったり色々と違います。
(まずどうするかだよな。とりあえずどんなのにするか設計模型でも作るか。)
トイレ
|↓|
|◯|
|◯|_______________________
\↘︎◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯|
◯\◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯|
◯◯\◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯|
◯◯|◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯|
◯◯|◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯|
◯◯|______________________」
「まぁこんな感じで作ればいいのか?魔力をケチったせいで、◯敷き詰めたのはバカだったな......それはそうと、これだと中のクソションが積もったままでいっぱいになったら変える必要があるな.....どうしよ......」
本当にどうしよう.......というかマジで街中のトイレってどうなってるんだ?
「.........とりあえず村を徘徊するか.......なんか運命的な感じでヒントがあるだろ。」
そんな適当な感じで村の方に向かう。
『村』
「さ〜て。流石になんかしらヒントあるだろ!早速見ていこう!」
俺は大きな独り言を言い、がんばろうとした時、
ブッブーフー
「..........」
凄い下品な音が聞こえた。
俺は音の方向に目を向けると、農家の爺ちゃん?が居た。
「ふぅ〜爽快爽快じゃ!あっ.......」
「やべっ........」
用を足した後の農家の人と目が合ってしまった......どうしよう.....絶対気まずくなるだろ......
「あっはっは!こりゃあ気まずいわい!すまんのぅ外の人!」
「いえいえ。こちらこそ覗いてしまって失敬失敬。」
(ありがとう爺ちゃん......年の功の偉大さが染みわたる......)
「そういえば何で畑で用を足しているんですか?」
「あぁ糞尿は畑の肥料になるからの。これでさらに野菜が美味しく大きくなるじゃよ。」
「.......?肥料になるんですか?」
「そうじゃよ。土の中の神様が分解してくださって栄養になるんじゃよ。」
「そうなんですね!ありがとうございます!」
※主人公は小卒です。
「はっはっは!分からないことがあったらワシに任せとけ!」
俺は農家の爺さんにお礼を言い、寮に向かうのであった。
『アパートB周辺』
「この辺で良いかな?」
俺はアパートの端っこにトイレを作ると決め、
①まずトイレする位置の前の地面をくり抜き大きな空間をつくる。
②くり抜いた空間の表面を魔法で頑丈にします。
③トイレをする位置に穴を開け、少し縦に空けられたら斜めに空間に繋ぎます。
④分解させるため空間に多少の土を敷き詰めます。
⑤汚いのが通るところを魔法で頑丈にします。
⑥一通り終わったので土で空間に蓋をします。この時魔力を惜しみなく使い、しっかりと蓋を丈夫にして地面としっかりとくっつけましょう。ココでケチったら◯◯の海にドボンです。
⑦10回ほどジャンプして耐久性を確かめます。
⑧失敗しました。
⑨修正します。
⑩終わったら便器を作ります。しっかりと座れるように作りましょう。
⑪地面に座るのは嫌なのでその辺の気を切り倒し便器の表面に合わせて穴をあけ、接着させます。
⑫ちゃんと便器の周りに壁を作りましょう。もちろん天井も。
⑬その辺のドアをぶち抜きトイレに固定します。
⑭もう一回①〜⑬を繰り返します。
⑮完成です。
「ふぅ......なんとか出来たな。さて、早速ようを足しますか。」
〜花摘み中〜
「うん、別に普通だな。これで完成!これ村の中にも作った方が良いのか?でも面倒くさいから良いや。頼まれたらしよう。」
そう思い俺は部屋に戻った。部屋に戻る途中もう夜ということに気がついた。今夜は薬草でしのぐか。
〜次の日〜
【12:30 p.m.】
「........はぁ.......寝れたかな?」
布団から起きた俺は早速ガラスの反射で自分の姿を見る......相変わらず酷い顔だ.....目元にはクマがある......
(はぁ.....いつになったら俺は普通にねれるんだろうか.....?)
そんな不安が頭をよぎる。しかし、そうマイナスな事ばかりを考えるのは勿体無い。嫌な事があった後の景色はいつも俺の脳内とは逆になっているからな。
俺はそんな前向きに願う気持ちでドアを開け、外に出る。
「.......はぁ......はぁ.......」
「.......痛い.......痛い......」
「.............」
ドアを開けた目の前には大勢の傷だらけの血だらけの人達が自分の部屋に戻ろうと必死に向かってきている.......
なんで同じ時間に一斉に戻ったのか......なぜ回復役が居ながら血だらけなのか.....そんな事を考える余裕が俺には無かった......
続く
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