不可死技魔術師の戦い方〜勇者パーティーを追放されたひねくれ土魔術師は魔法で楽々辺境開拓&スローライフ♪をしたかった....ハーレム新人勇者達とひねくれ者の魔術師の問題だらけのクソクソ辺境開拓録〜

赤花紫影

プロローグ:今流行りの追放系♪なお被害者は俺の模様.......




【12:00 p.m.】


ガチャッ


「どうした、アイン?俺を呼び出すなんて珍しいな。というかなんで皆も呼び出されたんだな。」


 俺がアインの部屋に入ると、他のメンバー達も集まっていた。何か大事な用でもあるのだろうか?


「よく来てくれたね、アルロ。相変わらずクマだらけだね。」


「まぁ隣の部屋だからな。あと寝不足でな。」


「そうか。.....突然ですまないが、君をこのパーティーから追放することに決まった。」


「おっ!最近流行りの!ってえっ!?マジで?なんで?」


「まず一つ目の理由は戦力的な問題だ。」


「え?俺そこそこ活躍してないか?普通の魔物相手だと同じ職業のアノより蹴散らしてるし、」


「ん?」


「Bランク以上の魔物だと聖女のレルラよりお前らサポートしてるし、」


「はい?」


「守備面でもナイトのゴリラよりよっぽどは盾になってると思うんだが?」


「は?」


「確かに君は戦力面ではあまり不満はないし、むしろ頼りにしているよ。」


「じゃあ何故だ?」


「出て来てくれ、カノン。」


 そうアインが呼び掛けるとクローゼットからカノンと呼ばれた女の子が出てきた。


「........お前マジか!?」


「へ?」


「お前の冒険用服だらけのとこに隠しておくとか馬鹿なのか!?人の気持ち考えろよ!」


「えっ.....ごめん臭かった!?」


「はい......失礼ですけどかなりキツかったです.....」


「マジか.......本題に戻すけど戦力的な問題は彼女が発端となっている。」


「?そんな凄い奴なのか?」


「ああ、彼女はエルラル魔法学校の主席で卒業した魔術師でね、はっきり言って君よりめっちゃ強いと言って良いほど器用で色んな事が出来てたんだ。」


「言語力に加えて説明も何もかも足りて無い.....」


「要するに、全属性の魔法が使えて、尚且つそれらの魔法の練度も高いから貴方の上位互換って言いたいのよ.......」


「流石高卒。俺ら寺子屋卒(小卒)とは違うな。」


「義務教育の敗北ね......いや義務すら果たしてない......」


「まぁ田舎だったしな.....俺は魔導書を通して色々学んだおかげで少しマシになったがアイツはな......」


「ゴホン、ともかく戦力面では君はカノンの下であるから報酬的な都合もあるから君よりカノンを仲間にしたいんだ。」


(う〜ん.....このままじゃホントに追い出されちまうな.....あっ.....)

「でもゴーレムによる荷物持ちとかはどうだ?コレは俺が居ないと不便じゃ無いか?」


「それに関しては、コレを見てくれ。」


 そう言いアインは懐から袋を取り出した。


「なんだそれ?」


「アイテム収納4次元袋、と聞けばわかるかな?」


「あ〜......無限に道具を収納出来ると噂の魔道具か.....なるほど!俺いらねぇわ!」


「そう言う事だよ。という訳で大人しく受け入れてくれ。」


「でも、いくらSランク魔術師でも俺ひねくれものとして有名人なんだよ.....受け入れてくれるパーティーがいるかどうか.....」


「そこは安心してくれ。」


 そう言いアインは1つのチラシを取り出し俺に見せつけた。


「コレは.....辺境開拓メンバー募集?」


「そうだ。どうやらここから南の方に新しい大陸が発見されたみたいでね。君は土魔法が得意で整地とか得意だろ?」


「なるほど、わかった。新天地で土工作業員としてやってやろうじゃ無いか!とはならないだろ?」


「あぁ、やっぱりか。」


「そりゃ土工作業員と冒険者とじゃあ雲泥の差があるだろ。社会の貢献度が。」


「.............」


「良いのか?本当に?俺が何で冒険者なんていう商人とギルドと王族に媚び売る為だけのゴミみたいな仕事してるかわかるか?」


「誰も寺子屋卒なんて底辺雇わないからだよ知性に問題があるから。」


「性格にも大問題ありだぞ。」


「まあまあ、テンポよくいこう。とりあえずこれ受け取って。」


 そう言いアインは俺になにか重そうな袋を差し出した。


「?凄い量の金貨だな。100枚はあるぞ?お前の腕どうなってんだ?」


「退職金だ。今までのお礼だよ。うまい棒10万本は買えるから、退職祝いとして贅沢したらどうかな?」


「遠慮しとくよ......」


「じゃあ頑張れ!出発は3日後だよ。忘れないようにね。」


「今まで有り難う御座いました。お気を付け下さいね!もう2度と同じ面見せないで下さいね。」

 

「頑張りなさいね!そのまま野垂れ死ね!」


「あばよ!また何処かでな!次会った時がお前の命日だ!」


「あぁ、またな!お前ら!というか新しい仲間がイカれてんならお前ら要らなくね?」


「速くどっか行け!」


 俺はメンバーと挨拶をし、部屋を出た。


 これが俺の新たな冒険のプロローグだ!

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