第19話:タイマンでも強いのかぁ.....おぉおぉアサシンの定義ぃ.....


(よし、とりあえず巡らせ終了。あとはゆっくり動きつつ、体内魔力を調整しつつ、良い感じに行こう。)


 囲っていた壁をてきとうに元に戻し、手に持っていた武器をそこら辺に捨てて、少しづつ移動して確認をする。

 ローブやらなんやらで魔力が隠されるかもしれないけど、多分厚さ的に魔力が見えてるから、多分大丈夫だろ。魔力は心臓の近くで作られてるらしいし。


 そう期待しつつ、音を出さない様に少しづつ少しづつ歩く。


〈視点変更:セナツ〉



(........ん?消えている?)


 囲まれていた所が開いた。

 それは良い。むしろありがたいはずだ。

 しかし、先程まで見えていた濃い魔力が消えた?


(いや、消えた・逃げた....と言うよりは、私が攻める事が出来る理由を分かったから、が一番近いだろう。あのとき、光を使うのは早計だったか)


 しかし、この短時間で完全に仕組みを理解したのか?


 それは無いだろう。

 知っていたら、この武器をその辺に捨てる訳がない、と、揚げ足を取っても位置を把握できない。


 それどころか、さっきの容赦の無い攻撃.....恐らく私達を人間では無いと知っていての攻撃なのは間違いない。

 私達の魔封人化装飾アクセサリーが、所有者の意思でしか壊されない事を知っている。

 魔族系*人外の事以外がこの事を知っていると言う事は、かなりの手慣れだろう。

 恐らく暗黒を晴らして戦っても、魔力の使い方が相性悪すぎて負ける。

 だからといって、手の内を明かさせると言う目的は達成しないといけない。


 ではどうするか?


 暗黒を晴らして、程良く戦って引き出すか


 それは不正解だ。


 引き出させるのが目的だったら.....徹底的に相手の嫌な事をすれば良い。

 それこそ、終始目が見えない暗黒状態よりも苛々して、常人だと乱雑になるところに、強者たる対応をする筈だ。


 ならば.....こうしよう.....


(CONPRSSION)


 周辺以外の暗黒を圧縮し、魔力を体内に戻す。

 奴の居る位置から移動手段までは約10m。若干心許ない。

 ならば、方向感覚を失わせるのと、位置を把握を出来なくさせる為に、こうだな。


(CONPRSSION・CIRCLE)


 奴の居る場所を中心に半径9mを範囲の暗黒を晴らし、それと同時に圧縮した暗黒を奴の斜め別々に四つ放つ。

 そして、奴が悶絶しているうちに、その暗闇に兼用武器を投げ入れる。


(準備完了だな。)


 奴は隠れられてると思って油断をしている筈。

 待ってみても良いが、コチラの目的を悟られて出し惜しみをされても駄目だ。

 普通に行こう。


 奴の後ろにある武器に魔力を流し、自身を高速移動させ、奴の胴体を狙う。


 ゴッゴッ


 後少しの所で、発生した壁に武器が突き刺さってしまう。


(九極ドリル《きゅうきょくどりる》)


 前方に魔力が集まるのを感じ、瞬時に別の武器に魔力を込め、瞬速移動をする。


 九つの鋭い土塊が発生したのを確認して、奴の横と後ろの武器に魔力を順番に魔力を流し、奴の背後にまわる。


 奴の方を見ると、目を無理矢理開けているのか、苦い顔をしている。

 そして、足から膝の辺りまで土に覆われていて、魔力の濃い反応を感じる。

 自分の背後の武器に魔力を込め、暗黒を移動させる瞬間、ギリギリ見る事が出来る程度の凄まじい速さで視界から外れる。


 視界が外れた方向に、暗黒を移動させ、挟み撃ちの体制で、奴に攻撃を仕掛ける。


〈チェンジ〉


 さっきから、バカ速いなコイツ。仕組みも分からないし。

 とりあえず、一瞬暗闇が移動してた気がするから、それに対応しないとな。


 こんな時は....コレだな!


双極強威流土そうきょく しいるど


 2つの方向に土の盾が出来る。


 そしてそれが出来たその時、視界に緑髪が入り込む。

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