2の怪・追記 あるチャットルームのログ



 【・ゆう〇さんが入室しました。】



 ゆう〇・みんなやっほ〜。早いね。


 ぽちぐろ・ゆう〇さんこんばんはー! 暇だったんで入り浸ってます(TT) 昼間さみしかった……。


 MAX・ぽちさんホントにずっといたよね?


 べっち・暇人確定〜! m9つビシッ


 ぽちぐろ・┗(•ˇ_ˇ•)―→それはおまえらもだろ!!


 ゆう〇・のどさんは? もう来てる?


 MAX・うひょ〜ぽちさん核心ついてくる〜!


 【・バラバラみんチュさんが入室しました。】


 バラバラみんチュ・やっほー皆さんこんばんは〜。のどさんまだみたいですね。


 ゆう〇・お、バラみさんも来た! のどさん揃えばイツメン揃うのにな〜。


 ぽちぐろ・おっ! なにか大事なお知らせでも?


 バラバラみんチュ・気になる〜!


 ゆう〇・そんなハードル上げないでよ(-_-;)・・・ 大したことじゃナイヨ!


 べっち・なおのこと木になる。


 MAX・オラ!─=≡Σ(╯°□°)╯早く吐け!!


 ゆう〇・コワ!! はーいじゃあいいます!


 バラバラみんチュ・たのしみ。



 【・ムーンさんが入室しました】



 MAX・新入りさんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


 ぽちぐろ・ゆう〇さんまつて急杉


 ムーン・みなさんはじめまして、こんばんは。ムーンと言います。ゆう〇さんの紹介で教えてもらいました。


 べっち・硬すぎ笑。もっと力抜いていーよ。


 バラバラみんチュ・はじめましてー! 私より後輩初めてかも。


 ゆう〇・あらかじめうちのルールは説明してるからね〜。身バレネタ話したり質問したりはNG、みんなもわかってるね!?


 ぽちぐろ・わかってるって〜。私もバレたくないしw


 MAX・でもゆう〇さんの知り合いなんでしょ? ゆう〇さんだけずりぃ〜w


 ゆう〇・それは俺の特権! ムーン君ももっと喋ってね〜。


 ムーン・ありがとうございます^_^


 バラバラみんチュ・どこのサークル? (これは聞いてもオッケーなのだ)


 ゆう〇・俺と同じ〜あとはわかるね??


 MAX・オカ研じゃねーか!!


 べっち・駄目だやめたほうがいいムーンさん逃げて。


 バラバラみんチュ・Oh……。


 ムーン・楽しいですよ〜。ゆう〇先輩面白いですし。


 ぽちぐろ・駄目だ、手遅れだ!!


 ゆう〇・失礼な!


 MAX・やっぱり怖い話詳しい?


 ゆう〇・めちゃ優秀だよ彼。


 バラバラみんチュ・知りたいですね!


 べっち・クレクレ。


 ムーン・圧が……!


 ゆう〇・アレ教えてあげなよ〜。俺もビビったし!



 【・のどぐろユッケが入室しました】



 ぽちぐろ・のどさんキタキタ!!


 MAX・ばんわ〜。いいとこに来たね。


 のどぐろユッケ・うぃーす何事? 新入りくん?


 ムーン・はじめまして。ゆう〇先輩から招待されましたムーンです。


 のどぐろユッケ・よろしく〜。何? 怖い話?


 バラバラみんチュ・のどぐろユッケさんこんばんは〜。


 べっち・ムーン君気にせず書いて書いて。


 ムーン・ありがとうございます。ちょっと待ってくださいね。


 のどぐろユッケ・怖い話((o(´∀`)o))ワクワク


 MAX・トイレの花子さんとか?


 ゆう〇・そんなのと一緒にすんなこっちはガチだぞ〜。


 べっち・飯行ってくるー。


 バラバラみんチュ・べっちさんまたで〜す。



 【・べっちさんが退室しました】



 ──────



 ムーン・まとめれました。待たせてごめんなさい(_ _;)


 MAX・キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 早よ早よ!!


  ゆう〇・便所行ってきたか〜?


 バラバラみんチュ・正座待機!!


 ムーン・そこまで大した話じゃないんですが……期待に添えるように頑張りました!


 ぽちぐろ・緊張!


 ムーン・ホント期待しないでくださいね。先輩が好き勝手言ってるだけなんで……。では……、行きます!


 うちの大学にはサークル棟がありますよね。この中にもサークルに入ってる人は多いと思います。俺も含めて。いろんな文化部の部室が集まって、いろんな活動をしている場所です。

 人が集まる場所、となれば荷物が出ます。そしてその荷物を置く場所も必要になります。その結果、各教室にいくつかのロッカーが置かれるようになりました。


 でも学校の金でもぽんぽん買えるものじゃありません。だから上の人達は考えました。近隣の小中学校から古い使用済みのロッカーを安く買い取ることにしたんです。

 おかげでロッカー不足は解消されました。でもそのロッカーに恐ろしいものが潜んでいることには、誰も気づいていなかったんです。



 御霊市のどこかにある中学校、そこで使われていたあるロッカー。それがまずかったんです。

 その中学校では、かなり酷いいじめが行われていました。いじめられていた生徒は毎日毎日苦しんでいました。

 ある日、いじめられていた生徒はロッカーの中に閉じ込められてしまったんです。いじめっ子達に扉を抑えられて、荷物を置かれて。何度も何度も戸を叩いて叫びました。何度も何度も助けを呼びました。彼は閉所恐怖症だったんです。彼はなんとか逃げ出せましたが、その日彼の中でなにかが切れてしまったんです。

 

 翌日、彼の反応を楽しんだいじめっ子達がまた彼をロッカーへ閉じ込めました。その日彼は扉を叩いたり、助けを呼んだりはしませんでした。気味悪く思ったいじめっ子達がロッカーを開けると、中で彼は首を斬って、自殺していたんです。

 教室内は阿鼻叫喚。絶叫発狂もうパニック。今まで見てみぬふりをしていたクラスメイト達も大騒ぎです。血に塗れた掃除用具が、前にいたいじめっ子へ倒れてきたそうです。


 そのロッカーは清掃され、中学校内のどこかへ移動されました。生徒からすると恐ろしいですよね、自分達のいる教室に置かれたロッカーの中で、人が死んだかも知れない。その生徒達はずっと怖がり、震え上がりながら卒業まで過ごしたんです。


 ある日、ひとりの生徒が放課後忘れ物を取りに学校へ向かいました。夕暮れの校舎、教室の鍵を受け取って急ぐ生徒は、教室の中に影を見ました。

 首を曲げたポーズで歩く、奇妙な影。それは教室の窓をなぞるように歩いていたんです。鍵のかかった扉の前で、がりがり引っ掻いているんです。生徒は悲鳴を上げて逃げ帰りました。翌日その教室を確認すると、そこに置かれたロッカーは例のロッカーだったんです。



 それから何年も過ぎ、初めに話したうちの大学の話に戻ります。不要なロッカーを買い取るという話が回ってきました。眉唾な噂と笑いながらも、教師達も怖がってたんですね。これ幸いとロッカーを手放しました。



 つまり、うちのサークル棟のどこかには、昔その中で誰かが死んだロッカーがあるんです。


 以上です! ホントに大した話じゃないんですよ〜。


 ぽちぐろ・コワ!!


 MAX・えーヤバ、探そうぜ!


 のどぐろユッケ・どこ情報? 初耳。


 ムーン・隣の家に住んでた歳上の人に教えてもらいました。ホントかどうかわからないんですけどね。


 ゆう〇・嘘かホントかはどうでもいいんだって! 怖けりゃオッケー!


 バラバラみんチュ・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル


 【・べっちさんが入室しました】


 のどぐろユッケ・それはそう。面白けりゃヨシ!


 ゆう〇・友達に教えて回れ〜? 怖がらせてやれ!!


 MAX・教える教える! どんな顔するかな〜w


 べっち・話すのうまいね。プロ?


 ぽちぐろ・サークル棟行くの怖くなるんだけど!?


 ムーン・ありがとうございます! 嬉しいです。


 ゆう〇・これがうちの期待のエースよ!!





 ──とあるチャットルームのログより抜粋──


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