第19話 孤児院
ドンドン!
ドンドン!
「誰かいるか!」
何度も戸を叩くが返事はない、荒れに荒れたラマゴスの街で見知らぬ者の訪問に応じる者など誰もいない。
「うーん、人の気配はあるけどね〜、僕が中の様子見てきてあげるよ」
チーソンは、換気のために空けていたろう窓の隙間から、スルスルと建物へ入ると、グルっと一回り全室を確認すると、デペカニスの元へ戻った。
「デペカニス〜、誰も居ないよー、もぬけの殻だよ、ここには手掛かりは無さそうだよ」
「そうか、逆にやり易い」
そう言い終えると同時に、デペカニスはバーンっと扉を蹴破って、ずかずかと建物へ入って行くのである。
「デペカニス、荒々しいね〜、そういうところあるんだね、ねぇねぇここはなんなのさ?」
「ここか、孤児達の家さ、よし、ここだ、少し下がってろ」
施設の一番奥の部屋の、ベッドをどかすと、奇妙な双頭の亀の紋章が描かれていた。
「うげ、なんだいこの気持ち悪い紋章は」
「ふふふ、チャンクリイ家の紋章さ、しかし、一代限りの特別品さ」
「一代限りのチャンクリイ家の紋章?また分かりづらいな、で、この後どうするの」
「こうするのさ!」
ドガーンっと、その紋章が描かれた床をウタマロで突き破ると、なんと隠し部屋が現れたのだった。
「やはりな…ここだったか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます