第18話 目覚めと予感

 どれくらい経ったろう、そんなには経ってはいないだろう、それぐらいの間のいつの間にか。

 

 そして、この時を永遠と待ち望んでいたかのようにデペカニスは力強く立ち上がると、天空に向けて剣を高々と掲げた。

 

 「我、四聖デペカニス!今此処に創造主セクウスの天命を承りし者也!有為無為の境なく表出す悪意惨憺たる悲劇の惨劇を跋扈させること能わず!この聖剣ウタマロの名の下に、ラマゴスを覆いし黒雲を断ち切ろうぞ」


 なんという覇気!

 凄まじき波動!


 闇深い心の奥底から、抜け出たデペカニスに迷いなどなかった。


 「おいおい、急に起きたと思ったら、随分自信満々だねー、何があったのさ」


 「ふ、全て思い出したのさ、嫌なことも良いことも全てね」


 「そのようね、どうだった、覚醒幻旅はなかなか味わい深いでしょ」


 「おっと、これはこれはジョチエス様、改めてましてお久しぶりです、その節は随分と可愛がって頂き誠に光栄で御座いました」


 「ふん、生意気な新人四聖が現れたものね、でも…ロイシの後継者らしくて私は好きよ」


 「ええー、ジョチエス様と実は知り合いだったの、うーん、謎が多いな君は」


 「ま、冗談はここまでだ、これからはジョチエスと敬意を込めて呼ばせて頂くぜ、早速だがジョチエス、@マカちゃんだ、コイツが何者なのか知っているか?」


 「まったく、我儘な男ね、誰に似たのやら、@マカちゃんね、私も彼の全貌は知らない、けれど…」


 ジョチエス曰く、@マカちゃんは男である、しかもだ、ロイシと何かしら関係していたらしい。という衝撃の事実も明らかになった。

 が、しかし、ロイシは今ほど安らかに息をひき取り創造主セクウスの下へ旅立ったというではないか、つまりその真意は謎のまま。

 ジェットコースターのような展開でも、デペカニスは一切驚きはしなかった。

 けれど、デペカニスのメタ無意識はロイシに従順のようで、懐かしくも儚い記憶の繋がりがお尻の筋肉を強張らせると、極上の間で弛緩させて、プルンと生まれ変わった心地のオルガズムをデペカニスに与えた。


 「そうか、なんとなくわかった気がする、心辺りを訪ねてみるよ、ありがとよ」


 「あら、素っ気ないのね〜、あっ、チーソンは役に立つから連れて行くといいわよ新人さん」

 

 「はいー、このチーソン、ジョチエス様のためならば、どのようなことでも成し遂げますよー」


 こうして、四聖デペカニスは感じるままにある場所へ向かったのだった。

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