第21話 @マカちゃん

 ドガーンっと床に開けた大きな穴、その下に隠された部屋、ここは誰の秘密の場所なのか。


 「うわー、なんか陰気臭いな、よくこんな場所で暮らしていたね」


 「ふむ、暫くは使っていないようだな、しかし、これだけ証拠があれば十分だろう」


 デペカニスはそう言うと、大きな書棚を覆う布をばっと捲り、目一杯に詰まったBL魔導書を現した。

 

 「わーー、なんだいコレ!!人間の男同士が、わわ、わーーーー」


 「がはは、妖精にも刺激が強いようだなこの本は」


 「ホントだよ、なんだいこの禍々しい魔力」


 「そう、その禍々しい魔力が@マカちゃんの特異能力、そして此処が@マカちゃんの作業場だったのさ」


 「ひぇー、ここが!あれ、だってさっき奇妙な紋章はチャンクリイ家のとか…わー、なんだいなんだい僕訳がわからなくなってってきたよー」


 「そうだろうな、@マカちゃん…その正体はウトキだったんだよ」


 「えー!つまり、自演乙みたいなことなの??」


 「いや、それはわからない、アイツの気持ちがどう動いてそうなったのか、それは直接聞くしかないだろう、そして、この状況を終わらせることが出来るのもまたアイツの意思にかかっているんだ」


 「うーん、なんだか複雑で難しいね、でもやる事はひとつ、ウトキに会いに行こう!」


 「ああ、そうするとしよう」

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