恋するパリジェンヌ、アーティの軽やかな日常から始まったはずの物語は、気がつけば不可視の化け物、それを追う秘密組織、人の理を外れた不死者たちに取り囲まれて密度を濃くしていきます。
色鮮やかな絶望、抱えきれないような憎しみ、心が痛くなるほどの愛……さまざまな出来事を、人より少し多くの色を映すその瞳で捉えながら、それらとまっすぐに向き合ったアーティが辿り着く、新しい世界とは。
残酷な描写もあれば、胸の痛くなる事件も起こります。
けれど、だからこそ、差し込まれた日常や何気ないやりとり、関係性を変えていくキャラクターたちの人間模様や明かされていく過去が輝いているのだと思います。
ラストまで読み終えればきっと、その新しい世界を応援したくなるはずです。
ぜひ、この美しい世界を体験してみてください。
超色覚<テトラクラマシー>のアーティは、赤毛でソバカスの非常に元気で魅力的な女の子だ。そんな彼女が師事するのは、色弱オッドアイの美青年カメラマンであるマコト。
「マコト先生!」と半ば押しかけ女房のごとくアパルトマンで世話を焼く彼女の日常が、ある猟奇的事件で崩壊する。
デイドリーマーズと呼ばれる不可視の怪物が、世界には存在していたのである。
ウォッチャーを擁する組織は、その『怪物』を観察・駆除する任務を負い、肉眼でそれらを見ることができる特異体質のマコトに近づく。なぜなら――
と、はじめは濃密に構築された世界観やSFの雰囲気に圧倒されるかもしれない。
けれどもいつの間にか、手に汗握るガンアクションに濃いキャラ、罵詈雑言と歯が欠け胃が壊れるほどの絶品!?料理、それから猫のタマキに夢中になっている。
この作品の光は、間違いなくアーティである。彼女の眩しいほどのまっすぐな気持ち(時々変態)を追いかけているうちに、世界の真相を知ってしまっている。
これは、狂おしいほどの愛の物語だ。
生きることは、愛することだ。
そうして私たちの世界は形作られている。
是非最後まで読んで、世界の終わりとはじまりを目撃して欲しい。恐れることはない。
あなたの側に未知の生き物は常に在るのだから。
SFが苦手? 大丈夫です!
長編小説は自信ない? 大丈夫です!!
(TVショッピングでは、ありません)
冒頭の、SNSを賑わす不思議な画像とモノローグに、グッと引き込まれたら……
舞台は、花の都パリに。
天真爛漫(物理)な可愛いパリジェンヌ、アーティと、彼女が恋するカメラの師匠、マコト先生。
2人の軽妙な会話や、パリの街並みを楽しんでいると……何とも物騒な事件が。
そこからお話は、どんどん転がって行きます!
キャラが濃くて魅力的な登場人物達(猫のタマキ含む)、映画の様にドキワクするアクションシーン、そして『デイドリーマーズ』の謎を読み解く楽しさ。
それらがギュギュッと圧縮された、このお話。
ぜひたくさんの方に、読んで頂きたいです♪
ちなみに……第3章の切ない美しさ、尊さに。
ラブストーリー大好きな私は、痺れました。(合掌)
「写真に写るのはこの世に存在することの証明だって、誰かが言ってた」
「――アーティはさ、自分が見ている世界を他人にも理解してほしいって思ったことはない?」
2色覚の世界で生きる、カメラマンのマコト。
4色型色覚《テトラクラマシー》のアーティは、彼に師事する弟子。
普通の人にはわからないのが、彼らの日常。そこに、猟奇殺人事件が入り込む。
「ついに生きている人間まで食ったのか、デイドリーマーズめ」
そこで明かされる、マコトの別の顔。
子どもの首を食べる老婆を素手で倒したマコトは、監視者《ウォッチャー》と呼ばれる黒衣の男に銃口を向けられる。
「知らないから、私は先生を理解したいと思うの」
「俺も、もっとアーティに知ってほしい。世界のことも自分のことも、ちゃんと伝えたい」
命の危険と恐怖が迫る非日常に、アーティは迷わずマコトの手をとる。
「センセーは、どうしてデイドリーマーズの存在を世間に広めたいの?」
精神体であるデイドリーマーズをカメラに収め続けるマコト。
承認欲求の化け物は、果たしてアーティと「何」を見るのか。
最新話まで読ませて頂きました。
世の中に様々な人間がいるように、デイドリーマーズという怪物にも様々いる。
その怪物が不可視というのが恐ろしくもあり、同時に皮肉でもあると感じました。
目に見える人間でさえ見た目と中身のギャップがあることが多く、深く関わらなければ本当の姿は分からない。
そういう面では人間も不可視、という皮肉なのかなと思いました。
そして、分からなければ見えていないのと一緒で、それが承認欲求の暗示になっているのかなとも思いました。
個人的見解なので間違っていたらすみません🙇
ここからは明るく!٩( 'ω' )و
似ても似つかない性格や雰囲気などを持つ登場人物たちの言動が見ていてとても面白いです!
そして、そんなキャラクターたちによるほのぼのシーンと戦闘シーンの差がとてつもなく大きく、別種のドキドキが心臓にダメージを与えます(笑)
マコト先生とアーティの関係も最後まで目が離せません!
長々と失礼しました。
最後まで読ませて頂きます!
丁寧な描写としっかりと作り込まれた世界観に心が奪われました。
まるでわたし自身も隅の方で登場人物になっているような、そんな風に錯覚を起こしてしまうほどに。
物語の中心にいるアーティとマコト先生。
特に、アーティの存在は欠かせないものとなっています。
彼女のおかげで、変わることができた。そして、前を向いて歩き始めることができたから。
作中、何度「アーティがいてくれてよかった」と思ったかわかりません。
お話は最後に向かって走っています。
作者様の描写力の高さから映画を見ているような臨場感があり、ハラハラドキドキしつつも目が離せません。
何よりも、この二人は、絶対に幸せになってほしい。幸せになったところに、わたしも立ち会いたい。
そんな気持ちから、更に目が離せません。
皆様もぜひ、読んでみてください。
彩り豊かな世界観を、巧みな文章で表現された本作品。
登場人物たちがとても生き生きとしていて、コミカルに動く仕草、緊迫した戦闘。
さらに憂いを帯びたシリアスな場面まで、想像し易く、魅入ってしまいました。
コミカルさでは特に、アーティとマコトのやり取りが必見です。
押しかけ女房並の勢いでマコトに弟子入りしたアーティ。
彼女の目まぐるしく動く心情は、恋する乙女の領域を超える勢いがありました。
そんな真っ直ぐな彼女だからこそ、キャッチフレーズにある『承認欲求の化け物』に響いたのではないでしょうか。
重さと軽さ。シリアスとコメディ。その絶妙なバランスを、是非、皆さんにも読んで味わってほしいです。
怪物蔓延るヨーロッパ、人間の魂を喰らう不可視の怪物・デイドリーマーズ。
その世界をカメラマンのマコトと、マコトに師事する超色覚を持ったアーティが、シャッターチャンスを追い求めるお話です。
戦闘あり、コメディあり、シリアスあり。
本当に盛りだくさん、でも洗礼されてて、本当に面白いです。
特に話の明暗というところが、上手に描かれており、物語を一気にひっくり返す転調もすごくお上手です。
また、この作品、本当に個性的なキャラクターが沢山出てきます。本当に一筋縄では行かないキャラクターたちがスタイリッシュな戦闘を繰り広げてるのも、またかっこよいです。
個人的には二章が本当に好きで、デイドリーマーズと人間を深く描かれてるのは、ずくずくと心に来ました。
全体的にはスタイリッシュで、でもどこか人間の泥っぽい臭さもあり、でもそのバランスが美しい作品です。
第二章末まで読ませていただきました。
スタイリッシュな世界観とキレッキレのアクションに惹き付けられます。
マコト先生とアーティー、二人が抱えるものも物語の進行と共に没入してゆく面白さがあります。バディとして、そしてキャラクターが何よりも魅力的な証拠だと思います。
ストーリー自体は決して明るいものではありませんが、きっちり暗部を書きつつも、全体の味付けでグイグイ読ませてしまう力量は流石だと思います。本筋はかなり骨太なんじゃないかな……と思ってみたり。
それぐらい惹き付けられるものがありました。
私はスピンオフ作品である「ロマンスインパクト」から入りましたが、作者様は人間をよく見ているなと思いました。その上で、視点に優しさがある。
第三章が始まったと言うことで、オンタイムで追いかける悦びを味わいたいと思います。
じっくりと味わって、万全の体制でレビューしたいと時間をかけたくなるほど面白い作品です。今もなお本文全てに感想をつけたいと叶わぬ願いを抱いてます。
主人公マコトさん、美青年かつ秘密を持つ男。魅力にあふれており、彼の存在感は凄まじいです。性格がというより隠された部分やギャップに私自身も惹きつけられました。
それを凌駕するがこどく勢いがあるヒロイン、アーティさん。天真爛漫かつ恋する乙女全力の女の子。嫌味なところはなく素直なところがとてもかわいい子です。彼女が喋ると一気に明るくなり、このお話に吸い込まれます。マコトさんに対する言葉は逸材で、私は「同じ気持ちだよ」としばしば感情移入しました。推しです。
このお話の魅力は、鮮やかな登場人物だけではなく、綿密に編まれたストーリーにくわえて巧みな描写です。戦闘シーンはまるで映画のように映像と迫力に満ちており感服しました。
アーティさんのマコトさんに対する描写は、とびっきり面白く、戦闘では引き締めていくメリハリがとてつもなく大好きです。惹き込まれ、するすると続きを読ませる力が強く、出会えて良かったと思います。これからも引き続き彼らの話を、そっとそばに寄り添うように追っていきたいです。
第2章完結でひとまずの区切りということでそこまで拝読した内容です。
或る日SNSに投稿された1枚の怪写真がネットをざわつかせる中で、パリの学生街カルチェ・ラタンから始まる物語。
オッドアイ、重度の乗り物酔い、イケメン、そして色弱。そんなプロのアナログカメラマンであるマコトのもとに、押しかけ女房のように通い詰める自称弟子の可愛らしい女性・アーティ。彼女もまた色の視え方が他の人と異なるテトラクラマシーの持主であった。
そこに狸の如きデブ猫のタマキを加えた日常、更には題名ともなっているデイドリーマーズと呼ばれる不可視の異形を描いた第1章、そして第2章では舞台をドイツ・リューゲン島のビンツに移し、徐々に明らかにされていくデイドリーマーズ、マコト、そしてデイドリーマーズ討伐を使命とするヴィジブル・コンダクターの正体。
果たして彼らは人類の敵か味方か――
カルチェ・ラタン、それからビンツの場面に合った軽妙洒脱さ、アクションシーンでは緊迫感のある文章で描き出し、そこに登場する人物たちはまるで実在するかのように生き生きとそこに在る。
マコトとアーティの関係は進展するのか、そしてデイドリーマーズ、ヴィジブル・コンダクター、マコト、タマキの正体が気になるところだが、第3章、そしてその先の結末をあれやこれやと妄想しながら待ち望みたい。