証明しろ。己が見る世界を。想像しろ。世界を理解するために。

「写真に写るのはこの世に存在することの証明だって、誰かが言ってた」
「――アーティはさ、自分が見ている世界を他人にも理解してほしいって思ったことはない?」


2色覚の世界で生きる、カメラマンのマコト。
4色型色覚《テトラクラマシー》のアーティは、彼に師事する弟子。
普通の人にはわからないのが、彼らの日常。そこに、猟奇殺人事件が入り込む。


「ついに生きている人間まで食ったのか、デイドリーマーズめ」


そこで明かされる、マコトの別の顔。
子どもの首を食べる老婆を素手で倒したマコトは、監視者《ウォッチャー》と呼ばれる黒衣の男に銃口を向けられる。

「知らないから、私は先生を理解したいと思うの」
「俺も、もっとアーティに知ってほしい。世界のことも自分のことも、ちゃんと伝えたい」

命の危険と恐怖が迫る非日常に、アーティは迷わずマコトの手をとる。


「センセーは、どうしてデイドリーマーズの存在を世間に広めたいの?」

精神体であるデイドリーマーズをカメラに収め続けるマコト。
承認欲求の化け物は、果たしてアーティと「何」を見るのか。


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