概要
無人水素タクシーが走るパリの街並みにカメラを向ける超色覚<テトラクラマシー>の少女、アーティ。
多くの秘密を抱えた色弱オッドアイの美青年カメラマンのマコト。
写真を通じて出会った2人がレンズを向けるのはデイドリーマーズ。凶悪事件、怪異、戦争、疫病、天災などを引き起こす、不可視の怪物だ。
「想像は理解の前段階だ。不可視の存在は、理解を経て初めて人の目に映る」
誰かに理解してほしい。自分を見つけてほしい。認めてほしい。
承認欲求でシャッターを切る2人は、ウォッチャーと呼ばれるデイドリーマーズの監視・駆除を行う者たちに狙われ、硝煙漂う暗闘に巻き込まれていく。
「知らないから、私は先生を理解したいと思うの」
恐れるのは相手を知らないから。知
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!こんなに重厚な物語が、こんなに読みやすく仕上がっているなんて!
恋するパリジェンヌ、アーティの軽やかな日常から始まったはずの物語は、気がつけば不可視の化け物、それを追う秘密組織、人の理を外れた不死者たちに取り囲まれて密度を濃くしていきます。
色鮮やかな絶望、抱えきれないような憎しみ、心が痛くなるほどの愛……さまざまな出来事を、人より少し多くの色を映すその瞳で捉えながら、それらとまっすぐに向き合ったアーティが辿り着く、新しい世界とは。
残酷な描写もあれば、胸の痛くなる事件も起こります。
けれど、だからこそ、差し込まれた日常や何気ないやりとり、関係性を変えていくキャラクターたちの人間模様や明かされていく過去が輝いているのだと思います。
ラストまで読み終えれ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!さあ今こそ新世界の創世を、目撃せよ。
超色覚<テトラクラマシー>のアーティは、赤毛でソバカスの非常に元気で魅力的な女の子だ。そんな彼女が師事するのは、色弱オッドアイの美青年カメラマンであるマコト。
「マコト先生!」と半ば押しかけ女房のごとくアパルトマンで世話を焼く彼女の日常が、ある猟奇的事件で崩壊する。
デイドリーマーズと呼ばれる不可視の怪物が、世界には存在していたのである。
ウォッチャーを擁する組織は、その『怪物』を観察・駆除する任務を負い、肉眼でそれらを見ることができる特異体質のマコトに近づく。なぜなら――
と、はじめは濃密に構築された世界観やSFの雰囲気に圧倒されるかもしれない。
けれどもいつの間にか、手に汗握るガンア…続きを読む - ★★★ Excellent!!!そんな貴方に、オススメしたい♪
SFが苦手? 大丈夫です!
長編小説は自信ない? 大丈夫です!!
(TVショッピングでは、ありません)
冒頭の、SNSを賑わす不思議な画像とモノローグに、グッと引き込まれたら……
舞台は、花の都パリに。
天真爛漫(物理)な可愛いパリジェンヌ、アーティと、彼女が恋するカメラの師匠、マコト先生。
2人の軽妙な会話や、パリの街並みを楽しんでいると……何とも物騒な事件が。
そこからお話は、どんどん転がって行きます!
キャラが濃くて魅力的な登場人物達(猫のタマキ含む)、映画の様にドキワクするアクションシーン、そして『デイドリーマーズ』の謎を読み解く楽しさ。
それらがギュギュッと圧縮された、こ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!証明しろ。己が見る世界を。想像しろ。世界を理解するために。
「写真に写るのはこの世に存在することの証明だって、誰かが言ってた」
「――アーティはさ、自分が見ている世界を他人にも理解してほしいって思ったことはない?」
2色覚の世界で生きる、カメラマンのマコト。
4色型色覚《テトラクラマシー》のアーティは、彼に師事する弟子。
普通の人にはわからないのが、彼らの日常。そこに、猟奇殺人事件が入り込む。
「ついに生きている人間まで食ったのか、デイドリーマーズめ」
そこで明かされる、マコトの別の顔。
子どもの首を食べる老婆を素手で倒したマコトは、監視者《ウォッチャー》と呼ばれる黒衣の男に銃口を向けられる。
「知らないから、私は先生を理解したいと思う…続きを読む - ★★★ Excellent!!!分からなければ見えていないのと一緒。不可視は現実でもすぐそばに。
最新話まで読ませて頂きました。
世の中に様々な人間がいるように、デイドリーマーズという怪物にも様々いる。
その怪物が不可視というのが恐ろしくもあり、同時に皮肉でもあると感じました。
目に見える人間でさえ見た目と中身のギャップがあることが多く、深く関わらなければ本当の姿は分からない。
そういう面では人間も不可視、という皮肉なのかなと思いました。
そして、分からなければ見えていないのと一緒で、それが承認欲求の暗示になっているのかなとも思いました。
個人的見解なので間違っていたらすみません🙇
ここからは明るく!٩( 'ω' )و
似ても似つかない性格や雰囲気などを持つ登場人物たちの…続きを読む