さあ今こそ新世界の創世を、目撃せよ。

超色覚<テトラクラマシー>のアーティは、赤毛でソバカスの非常に元気で魅力的な女の子だ。そんな彼女が師事するのは、色弱オッドアイの美青年カメラマンであるマコト。
「マコト先生!」と半ば押しかけ女房のごとくアパルトマンで世話を焼く彼女の日常が、ある猟奇的事件で崩壊する。

デイドリーマーズと呼ばれる不可視の怪物が、世界には存在していたのである。
ウォッチャーを擁する組織は、その『怪物』を観察・駆除する任務を負い、肉眼でそれらを見ることができる特異体質のマコトに近づく。なぜなら――

と、はじめは濃密に構築された世界観やSFの雰囲気に圧倒されるかもしれない。
けれどもいつの間にか、手に汗握るガンアクションに濃いキャラ、罵詈雑言と歯が欠け胃が壊れるほどの絶品!?料理、それから猫のタマキに夢中になっている。

この作品の光は、間違いなくアーティである。彼女の眩しいほどのまっすぐな気持ち(時々変態)を追いかけているうちに、世界の真相を知ってしまっている。

これは、狂おしいほどの愛の物語だ。
生きることは、愛することだ。
そうして私たちの世界は形作られている。

是非最後まで読んで、世界の終わりとはじまりを目撃して欲しい。恐れることはない。
あなたの側に未知の生き物は常に在るのだから。

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