無色にして多彩な世界を描き出すその筆は軽妙洒脱

第2章完結でひとまずの区切りということでそこまで拝読した内容です。

或る日SNSに投稿された1枚の怪写真がネットをざわつかせる中で、パリの学生街カルチェ・ラタンから始まる物語。
オッドアイ、重度の乗り物酔い、イケメン、そして色弱。そんなプロのアナログカメラマンであるマコトのもとに、押しかけ女房のように通い詰める自称弟子の可愛らしい女性・アーティ。彼女もまた色の視え方が他の人と異なるテトラクラマシーの持主であった。
そこに狸の如きデブ猫のタマキを加えた日常、更には題名ともなっているデイドリーマーズと呼ばれる不可視の異形を描いた第1章、そして第2章では舞台をドイツ・リューゲン島のビンツに移し、徐々に明らかにされていくデイドリーマーズ、マコト、そしてデイドリーマーズ討伐を使命とするヴィジブル・コンダクターの正体。
果たして彼らは人類の敵か味方か――


カルチェ・ラタン、それからビンツの場面に合った軽妙洒脱さ、アクションシーンでは緊迫感のある文章で描き出し、そこに登場する人物たちはまるで実在するかのように生き生きとそこに在る。
マコトとアーティの関係は進展するのか、そしてデイドリーマーズ、ヴィジブル・コンダクター、マコト、タマキの正体が気になるところだが、第3章、そしてその先の結末をあれやこれやと妄想しながら待ち望みたい。

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