第22話 二回目の決闘

 琢魔は悶々としていた。


私の言葉も存在も分からないと思うが少しでも学校に行くように念を入れた。


次の日、母の悲痛な声もあり琢魔は渋々学校に出掛けた。


学校に着き教室に入ると、同級生達は心配そうに寄って来て「大丈夫?」と言ってくれた。学校に来て良かったと思った。担任も挫けず来てくれたこと喜んだ。


直ぐ噂は広がり廊下に琢魔目当ての男子生徒が集まって来た。


案の定、聞きつけた清闘連の5人がやって来た。


「連長にあれだけ痛め付けられて、良く学校に来たね」と言いながらリーダー格が立っている琢魔の肩を押した。


琢魔は押されて後に一歩下がったが黙ったままだった。


「おい、何か言えよ!」とリーダー格が詰め寄った時、「止めて!」と同級の女生徒3人が止めに入ったが、パン、パン、パンと顔に平手を受け座り込んでしまった。


琢魔はじりじりと後に下がり続けた。


このままやられると二度と立ち上がれなくなる。私が取った怒りを入れるしかないが? ストーカーと変態おじさん怒りでは強すぎて魔気センサーに反応してしまう。


そうだ! 弟の小さい欲なら丁度良いだろう。(えいっ)入れてやった。


リーダー格が又肩を押そうとしたが、瞬時にかわして、その手を引いて転がした。後の4人も一緒に掛かって来たが、床に転がった。


琢魔は自分の能力が高くなっているのを確信した。


やはり、河原に呼びだされた。


清闘連女長は「大人しくしていれば良いのに、私もこんな事は何回もしたくはない」


「私も大人しくしていたよ。目立たないようにしていた、何故、絡まれるのか分からない?」


「お前のその容姿と男子生徒の注目の的になるのが気に入らないのだろう」

前と同じように正拳で突いてきた。


それを片手で払い、左からの上段の蹴りが来たので早い動きでその足首を掴んだ。


右からの蹴りも足首を掴み、一緒に手を離すと仰向けに女長は地面に落ちた。


女長は上半身を起こし琢魔を睨んだが、闘争心は失っていた。


自分の勝てる相手ではないと悟ったらしい。


女長が琢魔に負けた噂は学校中に知れ渡った。


清闘連男長は負けた女長を呼んで聞いた。


「お前見たいな強い格闘家が何故負けた? 相手も格闘技の有段者か?」


「いいえ、何もやっていないと思う、最初は少し合気道をかじった程度だったので簡単に倒したが、今回は格段に動作が早くなっていて人間離れしていた」


「馬鹿な、そんな事はあり得ない、偶々お前が舐めていたからだ、今度は俺が可愛がってやる」


「止めて! 大人しくしているようだから手は出さないで!」


「お前も焼きが廻ったな、まあ、今直ぐにはやらないから安心しな」

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