第26話 シップの捕獲
中神のアマンはセイニチ教への侵入を考えていた。
魔気センサーを付けた高校生の親が信者である事が分かり教義会に同伴させた。
教祖のセイランとマイナ、トスポとシップを確認し、ライフがもうすぐ4万になる事が分かった。
アマンは教内には入れないが、ある方法を考えていた。
夜8時頃、家の廻りの騒々しさに私は薄く意識を飛ばした。
隣のセイニチ教の敷地内に機動隊のバスが何台も止まり隊員が続々と降りて来た。スーツを着た刑事らしき男達が建物の中に入って行った。
丁度教義中でセイランは信者達を押し分けて来た男達に「何事ですか!」と一喝した。先頭の男が「公安です、貴方達、特にセイランさんは国家転覆を企んだので内乱罪で逮捕します」と逮捕礼状を見せた。
セイランは抵抗せず拘束された。
マイナはセイランから離れ、シップは変身を解き、トスポも幹部より離れて宙に浮き状況を見ていた。セイランと数人の幹部は連れて行かれた。
マイナが異変に気が付いた。「外に中神のアマンと小神の気配がする、セイランのシールドは彼女がいないと外れてしまう、如何しよう」
「溜まったライフを今直ぐライオキシン様に届けよう、シャーを呼ぼう!」とトスポが叫んだ。シャーが現れライフを3万8千程持って消えた。
間一髪でシールドが外れてアマンと小神が入って来た。
トスポ達は消えれば逃げられる訳ではなかった。時間を空けなければ追跡され捕まってしまう。
「私が囮になるから逃げてくれ! 後のライフの2000は頼む」とシップは叫び、アマン達に向かっていった。
投剣をしたが小神の念力で落されて、アマンの白い鞭に巻かれて身動き
できなくなった。
「ライフは如何した?」
「しらねえよ・・・・」
アマンは小神達に屋敷中を捜すように指示した。
暫くして銀髪の小神が「シャーの空気伝票がありました。3万8千のライフをライオキシンに送ったようです」
「しまった、処分し忘れた・・・・」とシップは後悔して気を失った。
アマンが政治家を操って刑事達を呼んで、セイランを逮捕させてシールドを外した。策略家だな、でも3万8千のライフを送ったらしいのでライオキシンが出てくるのも時間の問題になって来た。
「さあー 天上界に戻りましょう。シップは白日の鏡で溶かすから、素が逃げないように見張っていてよ」
「アマン様、誰かの意識を感じるのですが、多分、オルゴンだと思います」と金髪が伝えた。
しまった、感づかれたか?
「オルゴンの事はまだ関わらなくて良い」
「いいえ、私は暫く残ります。そして、見つけます」
「分かった、無理をしないで、何かあったら直ぐ戻るように」と言ってアマンと銀髪はシップを連れて消えた。
金髪の小神が残っていた。
私はこれ以上飛ばしているのは不味いと意識を切った。
暫くしてセイランは無実で帰って来た。
シールドを張り、信者も半分ほど戻って来て活動を始めた。
マイナとトスポはいないようだ、セイランに意識を繋げよう。
「セイラン、私だ」
「あっ オルゴン様、生きていました?」
分かっているくせに世辞かな?
「生きていたよ、慎ましく、それでマイナとトスポは戻って来るのか?」
「戻って来ません。この場所を神達に見つかったから、それと残りのライフを集めるのに必死だから此処へは来ないと思います」
「欲は大分溜まったか? 私はまだ完全体でないので欲しいが?」
「大分溜まりました、性欲、食欲、名誉欲、物欲など信者より貰いました。唯、ゼノンの魔気センサーに反応してしまうけど良いですか?」
「構わない、金髪の小神に感づかれているし、ゼノンはライオキシンの事で精一杯だろう」
「分かりました。意識から送ります」
(来る、来る、凄い量だ、力がみなぎって来る)
「終わりました。また足りなくなったら意識を飛ばして下さい」
「有難う!セイラン」と礼を言い意識を切った。
魔気センサーに反応することは金髪の小神に宿主が分かってしまうか?
「ゼノン様、只今帰りました。ライフは既にライオキシンに送られた後でしたが、まだ2000程足りないようです」
「御苦労、門番のシュリエの話しだと今にも出て来そうな魔気を感じたそうだ。金髪の小神がいないが如何した?」
「オルゴンの意識を感じたので少しの間人間界に残るそうです」
「そうか、確認するだけで戦闘は避けるように伝えてくれ」
紫髪の小神が焦ってやって来た。
「オルゴンの魔気にセンサーが反応しました。もう十分欲の皮を纏って
いるようです」
「随分早いな?」
「そういえば、トスポ達と一緒にセイランを見ましたからセイランから欲を貰ったようですね」
「では益々金髪にオルゴンとの接触を避けるように伝えないと」
「はい、分かりました。では魔人シップを白日の鏡に連れて行きます」
「いや、時間が掛かるので銀髪に一人で行って欲しい、アマンは此処に残って戦闘の準備してくれ」
「はい、分かりました」
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