第30話 ライオキシンとの死闘

 トスポとマイナは残り2000のライフを集め終わっていた。シャーを呼びライオキシンに届けさせた。


それからすぐに魔の国から恐ろしい獣の雄叫びが聞こえて来た。


中神のシュリエから門から出てくるのは時間の問題だと連絡があった。


ゼノンはアマンと小神3人に水晶の盾を用意させ臨戦態勢を取った。


神の国に応援を頼んだが、守りに徹するので応援は出来ないと切り捨てられた。

ゼノンは私が戦うしかないと覚悟した。


「アマン、金髪より何か連絡はないか?」


「ないです、連絡しても好きな人と一緒にいるので有頂天になり、人間の生活を楽しんでいるようです」


「その剣の効力は時間が過ぎると消えるとか無いのか?」


「時間ではなく離すことで効力がなくなるようです」


「そうか、オルゴンは余り期待できないか?」


「また連絡してみます」


魔の国の門にライオキシンが現れた。赤い鎧に赤いマント、長く伸びた縦髪がライオンのような顔を半分覆っていた。


門番のシュリエは水晶の盾と剣を構えた。


「グアー」の一声で水晶の盾は半分ほど飛ばされ、次の一声で盾と剣を粉砕され、シュリエは体に毒を浴びて横たわった。


その様子を見ていた緑髪の小神が戻りゼノンに報告した。


「ライオキシンは叫び声で口から毒素を出す、かなり強力な毒で水晶の盾では避けられないようだ、黄金とダイヤの盾を用意しよう」


「ゼノン様、黄金とダイヤの盾は各1つずつしかありませんが?」


「アマン、お前が黄金の盾を持て、ダイヤは小神達に持たせる」


「黄金の盾は金髪が持って効果が出る物で、人間界から金髪を連れ戻します」


「間に合うのか?」


「間に合わせます!」と言ってアマンは人間界に向かって消えた。


私はライオキシンが復活して魔の国の門から出た事は気配で感じていた。


武器は一声で出す毒で3000程の人間を殺す力がある。


そして、人間界に降りたら地獄になり。私も欲は取れなくなるだろう? 琢魔の体では敵わないだろう? 唯一、可能性があるのは、ゼノンと戦った後は力が消耗しているはずだ、その時しかないが、天上界での戦闘形体は琢魔を連れて行かなければならない。


もう、それしかないのか? 金髪が琢魔の腕にしがみ付いて寝ている。


幸せそうな顔をしていると思った時、アマンが現れた。


「キラン、キラン、起きなさい」


「あっ、アマン様」


「今直ぐ天上界に帰るのよ」


「嫌だ、嫌だ、帰らない!」


不味い琢魔が起きる意識を切ろう。


「駄目! 力ずくで連れて行く」


「嫌だー」キランは手を離さないので、アマンは琢魔共連れて行く事にした。


丁度良い処に来た。連れて行かれてゼノンの戦闘が終わった時に変身すれば良い。


ゼノンは神殿でライオキシンと対峙していた。紫髪の小神がダイヤの盾を持ってゼノンの体を守っていた。


「グアー」の声でダイヤの盾はヒビが入り紫髪の小神はずずーと後ろに押された。


ゼノンはすぐさま銀色の鞭を撓らせてライオキシンの体に絡ませた。


「ゼノン様! 捕まえましたね!」


「いや、分からんから近づくな!」


その時にアマンが金髪を連れて現れた。


私は金髪の手を振り切りその場に佇んだ。


アマンと金髪は黄金の盾で防御しながらゼノンに近づいて行った。


「アマン! 鞭を打て!」

白い鞭がライオキシンに絡んだ。


「よし、一緒に念を入れるのだ!」


ライオキシンの体に二本の鞭が食い込む、さすがに駄目だろうと思った時、ビシッと二つの鞭は細かく千切れてしまった。


「グアー」と一声でアマンとキランは盾ごと飛ばされた。


ゼノンは空中高く手を揚げた。

すると金色の弓矢が現れてライオキシンを射抜いた。


「グエー」と叫び声を揚げて暫く苦しんだようだが、ゼノンに向けて「グアー」の一声浴びせた。


ダイヤの盾は粉々に砕け紫髪の小神は飛ばされた。ゼノンも毒を浴びて腰を落としていた。


今だと私は戦闘形体に変身した。盾は体を隠す為に細長くした。主に凶悪度とおばさんの欲で出来ていた。剣はストーカーの拘束剣にした。


「誰だ! お前は? 気配からオルゴンだな? 随分と可愛らしくなったな、そんな女の子の体では私には勝てない、帰って寝ていろ!」


「うるさい! ライオキシン!」とおばさんの性欲投剣を投げたが吸い込まれて黒い煙になるばかりだった。


「ガグー」と一声が飛んできた。盾で受けたが黒い煙が上がり、おばさんの性欲が溶けて、すかすかになっていた。


次は凶暴投剣を投げた。お互い反発しあいライオキシンの能力も少し落ちて来た。


あるだけ投げたが、ライオキシンの一声が飛んできた。盾は飛ばされ、拘束剣で受けたが全て受け切れず、毒を浴びて仰向けに倒れてしまった。


琢魔の体が毒で死にかけている。


人間界に帰るにも体が動かない。素に戻ってしまう、如何しよう・・・・・・


「緑髪、私の腰にある白い輪をあの子の体に向けて投げてやれ」


「はい、ゼノン様」緑髪はゼノンの腰の輪を琢魔の体に投げた、輪は琢魔の体に吸い込まれ、大柄な黒い鎧で黒いマントの男が出て来た。


ゼノンが輪の中に拘束していたオルゴンの体だった。


「やっぱし本体が出て来たか! 何時かは魔の国の支配者として戦わなければと思っていた。良い機会だ!」


「私もお前が人間を根こそぎ殺すのを黙って見ている訳にはいかない! 欲が取れなくなるからな」


「じゃー 毒まみれになれ! グアー」


一声を浴びたが少女の無垢な盾で受けた。


毒は全て吸い込まれた。また一声が飛んできて盾で受け吸い込んだが、毒で一杯で重くなり手から離した。


無防備になったがライオキシンの攻撃能力はかなり落ちている。無垢剣を出した、根本にブラックキシンの素を埋め込んであった。


また「グアー」と一声が飛んで来たが、毒は剣に吸い込まれて行きブラックキシンの素が多少大きくなった。毒を吸い込んでいる。


もうライオキシンの攻撃も尽きたが、私も攻撃する方法も無かった。


このまま逃げられたら二度とライオキシンが倒すことは出来ない。


最後の手段だ、母の和夫への性欲投剣しかない、少し純粋な気持ちがある

から聞くだろう。


「えいっ」と投げた。


「オルゴン! そんな投剣で私が倒せると思っているのか!」


「投げる本数が違う!連続して行く!」母の十二年間の思いが投剣になった。


「なにー」


1000本近い投剣がライオキシンに吸い込まれた。

ライオキシンは「ギャー」と叫び体が消滅し素になった。


すかさず緑髪がそれを受けてゼノンに持って行った。

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