概要
南北朝を戦い抜いた二人――足利尊氏と北畠親房、生者と死者、最後の激突
【あらすじ】
南北朝時代、南朝の宰相、そして軍師ともいうべき、准后(じゅごう)・北畠親房、死す。
その兇報と共に、親房の臨終の言葉として、まことしやかに「その一言」が伝わってきた。
「年明けこそ鬼笑う」――と。
親房の最期の言葉は何を意味するのか――
楠木正成、新田義貞、高師直、足利直義といった英傑たちが死し、時代は次世代へと向かう最中、ひとり生き残った足利尊氏は、北畠親房の最期の機略に、どう対するのか。
【登場人物】
北畠親房:南朝の宰相にして軍師。故人。
足利尊氏:北朝の征夷大将軍、足利幕府初代将軍。
足利義詮:尊氏の三男、北朝・足利幕府二代将軍。長兄夭折、次兄が庶子のため、嫡子となる。
足利基氏:尊氏の四男、北朝・初代関東公方。通称・鎌倉公方だが、防衛のため入間川に陣を構える。
足利直
南北朝時代、南朝の宰相、そして軍師ともいうべき、准后(じゅごう)・北畠親房、死す。
その兇報と共に、親房の臨終の言葉として、まことしやかに「その一言」が伝わってきた。
「年明けこそ鬼笑う」――と。
親房の最期の言葉は何を意味するのか――
楠木正成、新田義貞、高師直、足利直義といった英傑たちが死し、時代は次世代へと向かう最中、ひとり生き残った足利尊氏は、北畠親房の最期の機略に、どう対するのか。
【登場人物】
北畠親房:南朝の宰相にして軍師。故人。
足利尊氏:北朝の征夷大将軍、足利幕府初代将軍。
足利義詮:尊氏の三男、北朝・足利幕府二代将軍。長兄夭折、次兄が庶子のため、嫡子となる。
足利基氏:尊氏の四男、北朝・初代関東公方。通称・鎌倉公方だが、防衛のため入間川に陣を構える。
足利直
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!鬼のために生きるか、死ぬか。
一三五四年四月、一人の名宰相が死んだ。
名を北畠親房。またの名を准后。息子の顕家の将才が著名であるが、彼もまた豊かな知見と謀才を持つ名臣であった。
『年明けこそ鬼笑う』
その老人の不気味な遺言が、南北朝に別れた日ノ本を動かす。
すなわち、足利尊氏の子でありその弟直義の養子、直冬の挙兵。
観応の擾乱から始まる足利の骨肉の争い、建武の乱から始まる北畠家との因縁も佳境を迎えつつあった。
果たして鬼の意味するところは、何か――?
基本は中央の戦いがメインとなりながらも、関東からの視点を中心にしてくれるのが、この作者さんのシリーズを追っている者にとっては嬉しいサービス。
これはあまり語られるこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!説明は多ければ良いわけではないと再認識
作中の時代は、複雑怪奇で分かりにくい。
たとえば、登場人物の名前や舞台を、中世ヨーロッパ風にして、歴史に詳しくない編集者に読ませたら、「設定と人間関係が複雑すぎる」「人物の行動に合理性がない箇所が散見される」「ストーリーにリアリティがない」などと言われそうな時代である。
理解と説明が難しい時代なのだ。
そういう書きづらい時代を題材に選んだ作者だが、話を絞り込むことでうまく対応できているように思われる。
何というか、「説明しないこと」により、とくに、この時代にくわしくない読者を惑わせないことに成功しているように思う。その点、勉強になった。