第一話 少年、ナタニエフ(兄)と邂逅するという話(7)
土井少年はナタニエフ(兄=秋水)に武道を教わることになった。
「まあ、自慢じゃないが俺も大きな大人の喧嘩に付き合っていたことがある」
土井は不思議そうに聞き返した。
「大人の喧嘩?……戦争ですか?」
「それもあるし、日本国内でも多いよ」
「え?」
「戦争も平和も基本的根っこは同じ。ただ、一つのものだけが平和なときは超高値がつくのに戦争になるとどこもかしこも投げ売り状態になる」
土井からホッケーマスクをした秋水の表情は読み取れない。
「じゃあ、簡単で威力のあるやつを教える」
そう言って秋水はちゃぶ台を片付け、改めて土井の前に立った。
巨大だった。
健康診断で身長を測った看護師が「平均値的ね」と言っていた。
クラスでも高いほうに入るが秋水からすればようやく、へそ辺りに自分の頭の先が届くぐらいの差だ。
動画などでは画面の中に納まっていたが実際目の前に立たれると畏怖の念さえ出てくる。
その筋肉を作るためにどれだけの年月と努力を費やしてきたのだろう?
ここからナタニエフ(兄)こと秋水の武術指導が始まった。
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