第30話寝床問題

多くの人はキャンプと聞いたらどんなことを思い浮かべるだろうか。テント、自然、バーベキュー。色々あると思う。その中でも良く連想されるものにキャンプファイヤーがあるだろう。


だが実際にキャンプをしたことがある人の中でも、キャンプファイヤーをやったことがある人というのは意外と少ないのではないだろうか。それはしょうがないことだ。準備。後片付け。中々大変だ。しかし今回のキャンプは一味違った。


「綺麗ですね」

「この音が落ち着くのよねー」

「管理人さんには感謝ですね」


今回は何とここのキャンプ場の管理人が可愛い凛と詩乃さんのためにと、用意したくれたのだ。後片付けもしてくれるらしい。まさに至れり尽くせりだ。


「キャンプファイヤーなんて初めてだが、落ち着くんだな」

「お、太郎君がいつになく穏やかな顔してます」

「失礼な。俺はいつも穏やかな顔してるだろう」

「あなた自覚ないのね…」

「え、いつもそんなに怖い表情してますか?」

「うーん。実際学校でも太郎君の事怖いと思ってる人多いですよ?」

「そ、そうだったのか…」


衝撃の事実発覚。そんな中でも仲良くしてくれているこの2人とかけるには感謝しなければならないな。


「じゃあそろそろ本題に入りましょうか」

「「本題?」」


俺と凛の声が綺麗にはもった。


「そうよ。ずばり今日の寝床どうするか問題よ」

「寝床ですか?」

「実はね、私とした事が1つ忘れ物をしてしまったの」

「忘れ物?」

「来てすぐにテント建てたでしょう?何張り建てたかしら?」

「1張りですね。あっ…」

「問題に気付いたようね。私と凛だけなら何の問題もなかったわ。しかし今回は太郎くんもいる。このままじゃ一緒に寝ることになるわ!」

「わ、私はべつに構いませんよ…?」


凛。気持ちは嬉しいがさすがにまずいだろう。男女七歳にして席を同じゅうせずだ。だが俺はすぐに解決策を思い付いた。


「いや、大丈夫ですよ。ハンモックがあるじゃないですか」

「ハンモック…?あっ、しまった。凛、余計なものを持って来たわね…。それは盲点だったわ」

「盲点?てか何で残念そうな顔してるんですか?」

「な、何でもないわ。そうね。仕方ない。申し訳ないけど太郎君にはハンモックで寝てもらうことにするわ」

「そ、それなら私もハンモックで寝ます!」

「凛まで!分かったわ。私もハンモックで寝るわ」

「いや、べつに無理しなくても…」

「「無理なんかしてません(ないわ)!」」


そういう訳で3人揃ってハンモックで寝ることになりました。まぁ3人でテントで寝るよりはマシとはいえどうしてこうなった?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る