第10話新キャラは金髪爆乳モデル

土曜日の朝。リュックに着替えとトレーニングシューズを入れて家を出る。いつもなら歩いてジムに向かうところだが今日は違う。ジムとは反対方向にある最寄駅に向かう。今日の目的地は水着を買いに行くために2駅離れたショッピングモールだ。

俺の住んでいる町は都会とも言えないし田舎とも言えない微妙な立ち位置だ。なのでそこまで遠出しなくてもある程度のショッピングモールはあるのだ。




電車に10分程揺られショッピングモールに到着した。


「ここに来るのも久しぶりだな」


前に来たのは1ヶ月前くらいだろうか?トレーニングの時に使うシューズを買いに来て以来だ。トレーニング用品を買いに何回か来たことはあるのでスポーツ用品店の場所は分かるので向かう。




「これでいいや」


スポーツ用品店に到着し5分程で水着を選び終えた。こう言う事にはあまり時間はかけない方だ。

会計を終え、帰ろうとすると外国人のモデル?かと見紛う女性が目についた。金髪に長い足、身長も170cmはあるだろうか。それだけではない。なんとあの桜井さんを遥かに凌駕する爆乳だ。そんな彼女が筋トレコーナーの前で右往左往しているのは凄く目立つ。


「すみません!そこの店員さん。少し良いかしら?」


ついじっと見ているとこっちを見て話しかけてきた。


「いや、俺店員じゃないです」

「あらそうなの?こっちをじっと見てくるから声をかけ損ねてる店員かと思ったわ。でもちょうど良いわ。あなた筋トレとか結構する方かしら?」

「そうですね。まぁ人並みには」


ここで謙遜するのはトレーニーの嗜み。本当は人並みじゃなく週6でジム通ってます。


「私実はモデルをやってるだけれどもう少し体を引き締めたいのよね。だからジムに通おうと思ってるだけれどいざ来てみると器具が多すぎて何が必要なのか分からなくて…」


いや、どこをそれ以上引き締めるのだろうか?もしかして胸?


「あなた視線がいやらしいわよ」


つい視線が下がってしまったのがすぐにバレた。


「す、すみません。それでえっとジムで筋トレするには何が必要なのかってことですよね?」

「そうよ」

「それなら最初は室内用の靴だけあれば良いと思いますよ」

「そうなの?なんだ。じゃあ靴買ったらあとはジムに行けば良いだけかしら?」

「そうですね。ジムも色々あるので迷うと思いますがそれは予算とか何をしたいかとかで決めれば良いかと」

「分かったわ。じゃあとりあえず靴買ってくるから待ってなさい」

「え?わ、分かりました」


何かよく分からないが金髪のモデルさんはその長い髪をたなびかせて靴を買いに行ってしまった。つい返事をしてしまった手前帰るわけにもいかないので仕方なく近くのベンチに座って待つことにする。




20分程経過し、彼女が手に靴を持ち帰ってきた。


「待たせたわね。じゃあ行くわよ」

「行くってどこにですか?」

「決まってるじゃない?ジムよ」

「はい?」


いつの間に決まったのだろうか。



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