第52話メイド喫茶
「つ、疲れました…」
「楽しかったですね!太郎君!」
お化け屋敷を出たの時の反応は両極端であった。疲労困憊な綾乃。そしてどこかツヤツヤして元気いっぱいの凛。結局2人ともずっと俺にくっついたままお化け屋敷を踏破した。終わった後の表情を見る限りやはり凛のは演技だったようだ。まぁ役得っちゃ役得だが。
「太郎先輩。疲れました…。どこかで一休みしませんか?」
やはり綾乃は相当ダメージを受けたようだ。そんな提案をしてくる。特に異論はない。
「良いぞ。凛も大丈夫か?」
「大丈夫です」
凛も異論はないようだ。綾乃の提案によりカフェ的な一休みできそうな場所を探す。
「メイド喫茶でーす!どうですかー?」
しばらく歩いているとそんな声が聞こえてきた。まさに今探していた場所だ。
「あそこでどうだ?」
「へぇ。太郎君はああいうのが好きなんですね」
「太郎先輩!今度メイドさんの格好してご飯作りに行きますね!」
ジト目で俺の方を見る凛と、とんでもないことを考えている綾乃。待て。勘違いするな。
「ち、違うぞ。俺はただ休める場所をと思ってだな…」
「別に太郎君がどんな趣味でも私は大丈夫ですよ?」
「太郎先輩。自分に嘘をつかなくても良いですよ!」
「だ、だからだな…」
「はいはい。もういいから行きますよ!」
言い返そうとしていると綾乃に腕を引っ張られ連れていかれる。そのまま3人でメイド喫茶に入る。
「「おかえりなさいませ。ご主人様!」
入ると数人のメイドさんにお決まりの挨拶をされた。その姿が珍しくつい見入ってしまう。確かに可愛いが隣にいる2人の方が可愛い。
「「太郎君(先輩)?」」
そのまま数秒メイド服って凄いなと思いながら見つめていると両隣から圧のこもった声が投げかけられた。
「ご、ごめん」
「いえいえ。好きなんですよねメイド服」
「こういうのってどこで買えば良いんですかね?やっぱり通販?」
やはり勘違いしている凛とさっきより一歩進み買う場所を決めようとしている綾乃。もしかして本気でメイド服でうちに来るつもりか?
「こちらへどうぞ!」
そんなことを考えているとメイドさんの1人に声をかけられ席に案内される。そのまま3人でテーブル席に着く。
「こちらメニューです。ごゆっくりどうぞ」
メニューを渡しメイドさんは去っていく。それを少し目で追った後メニューに視線を落とす。やばい。もしかしたら俺は本当にメイド服が好きなのかもしれない。つい視線が吸い寄せられてしまう。あの揺れるスカートが良い。
「メニューは普通なんですね」
対面に座った凛は既にメニューを見ていた。良かった。メイドさんを視線で追っていたのはバレていないようだ。
「本当ですね!メイドさんの愛がこもった特性オムライス的な感じじゃないんですね!」
綾乃も同じ感想を抱いたようだ。俺もメニューを読み始める。確かにそうだ。メニューにはオムライスやハンバーグなど普通のレストランで出されるようなラインナップが記載されている。
「そうだな。俺は特に何も食べないから適当に食べて良いぞ」
「そっか。太郎君はボディビルが控えてますもんね」
「そ、そうなんですね…。そこまで気を使うものなんですね。ごめんなさい太郎先輩。カフェに来たいなんて言ってしまって…」
「全然大丈夫だ。2人は気にせず食べて良いぞ。ボディビルは好きでやってることだし」
そう。ボディビルは好きでやってるのだ。それで相手に気を使わせたりするのは筋違いなのだ。
「じゃあ私はオムライスいただきます」
「わたしも!」
2人にも俺の気持ちが伝わったようで特に気にせず食べてくれるようだ。ていうか同じ物食べるのか。いつも言い争っている2人だがこういうところは気が合うようだ。ちなみに俺は店員さんに許可をもらい家から持ってきた味気ない食事を食べた。悪くはないがやはり目の前のオムライスは色鮮やかに映った。減量後の食事が今から楽しみだ。
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