第24話詩乃さんとデート?
岩崎さんに連れられ俺はジムに来ていた。デートのはずだったのになぜジムなのか。それは俺に聞くのではなく岩崎さんに聞いて欲しい。まぁ俺にとってジムは聖地。むしろ望む所だが。
「それであんなに『私がリードしてあげるわ』って息巻いてたのにどうしてジムなんですか。岩崎さん?」
「ま、まぁいいじゃない」
さてはこの人デート慣れしてないな。見た目は派手なのに案外可愛いところもある。あれ、急になんだか可愛く見えてきた。これがギャップ萌え?
「そんなことよりそれよ!」
「それ?」
「いい加減苗字で呼ぶの辞めてもらえないかしら?」
「別に良いですよ。詩乃さん?」
別にそこまで名前で呼ぶことに抵抗はない。筋トレのし過ぎでその辺の羞恥心はどこかに行ってしまったのかもしれない。
「そ、そうよ。それでいいわ」
「何照れてるんですか?」
「て、照れてないわ!」
やばいこの人可愛い。
「まぁせっかくジムに来たんですし筋トレしますか」
「何か納得いかないけど分かったわ」
「詩乃さんは何かしたい部位とかあります?」
「特にないけどこの前は足やったからそこ以外かしら?」
「じゃあ今日も胸やりますか。ベンチプレスだけじゃなくてダンベルフライやりましょう」
「ダンベルフライ?」
「胸の代表的なトレーニングの1つですね」
ダンベルフライは筋トレをある程度やっている人なら名前くらいは知っているだろう。ベンチプレスで満足できなくなった人は大体このダンベルフライかダンペルプレスをするだろう。
「同じ胸を鍛える種目なんでしょ?ベンチプレスとは何が違うの?」
「詩乃さんはPOF法って知ってますか?」
「知らないわ」
「簡単に言えばどのタイミングで筋肉に負荷がかかってるかのちがいですね」
「どういうこと?」
「POF法で分けると筋トレは3種目に分かれます。ストレッチ、ミッドレンジ、コントラクトです」
「急に横文字が出てきたわね」
「名前は特に覚える必要ないです。説明すると筋肉が伸びた時に負荷がかかるか、それとも収縮させた時に負荷がかかるか、はたまたどっちもなのかっていう3種類の分け方ですね」
「まぁ何となく分かったわ」
「で、この3つを意識して筋トレすることで効果が上がるっていうのがPOF法です」
「なるほどね」
「で、今回やるダンベルフライは筋肉が伸びた時に負荷がかかる種目。ベンチプレスはどっちもですね」
「そんなこと考えたことなかったわ」
「そう。まさにそれです。これが分かったことで大胸筋が伸びることをより意識すれば効果が上がるってことが分かりますよね」
「確かにそうね」
「こうして筋トレの効果を高めていくわけです」
「なるほどね」
筋トレは知識が無くても効果は出る。しかし知識があればある程効果が上がり効率も上がる。だからそれを教えるトレーナーなんて人種もいる訳だ。もし伸び悩んでる人がいれば一度勉強してみるのも手かもしれない。
それからは充実したデート(筋トレ)になった。夏休み初日から素晴らしい日であった。やはり筋トレは楽しい。
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