第31話 戦争準備

 順調にハクシュトアを発展させていたとき、とある情報が入ってきた。


 トレンス王国の現国王、シンシアの父親が、シンシアを名指しで大々的に批判し、全ての領地の支配権を剥奪すると宣言したらしい。


 それに対して、シンシアは真っ向から抵抗し、力尽くで奪いにこいと言い切ったらしい。


 それから反帝国派と親帝国派の緊張は、一触即発の状態になっており、いつ内戦が起こってもおかしくないという状態になっている。


 僕は、兵は増やしていたが、その情報を受けて以降は、いつでも出陣できるように更に兵の練度を高め始めた。


 信頼できる人物に、魔法を増やしたりもした。

 まずはレンティの魔法は最初に増やした。


 彼女には僕の事情も全て説明した。

 帝国に追放されたこと、成長魔法の件全てである。


 レンティは僕の話を真剣に聞いてくれて、


「帝国は最悪です。ライル様のために、戦います!!」


 とかなり激昂した様子でそういった。


 レンティなら裏切ったりする心配はない。

 オールマジックアップを一回と、それからハイマジックアップを10回使い、ローマジックアップを50回使い、かなり大量の魔法を使用できるようになった。


 オールマジックアップは今の所レンティ以外には使っていないけど、複数の兵士にローマジックアップとハイマジックアップは使った。

 また、元から魔法を習得していた人もいた。

 僕並みに使える人はいなかったけど、探せば上級の魔法を数回使える結構能力の高い人もいたので、その人たちは積極的に兵士に採用した。


 オールマジックアップ以外の成長魔法は、全て使い切った。

 全員で200人くらいの魔法隊を編成した。魔法兵は本当に少ないので、帝国でも200人いる魔法隊は、作れていないと思う。まあ、全員が上級の魔法を使えるわけではないので、質はそこまで高くはないけど。


 僕も今では自分に成長魔法を使用し、魔法を大量に使えるようになっている。


 セルフ・オールマジックアップは5回セルフ・ハイマジックアップは約100回、セルフ・ローマジックアップは約500回使用できた。


 魔法兵だけでなく、通常兵たちも成長魔法の力で、ほとんどが精鋭となっている。

 通常兵の数は1000人くらいなのだが、そのうち500人くらいは、達人クラスの強さを持っている。


 通常、達人なんて兵を率いている指揮官クラスの人物だろうから、それが500いるのはおかしな部隊だ。


 また、自分のステータスも上げ切り、予想通り凄い数値になった。


 全ステータス三千を超えている。


 身体能力が上がりすぎて制御できない、ってことにはなっていない。ちゃんと、思うように体は動かせている。


 本気を出せば、太い剣を圧し折るくらいパワーがある。

 走れば湖の上を駆け抜けられるくらい、速度が出るし、ジャンプすれば木を余裕で飛び越えられる。さらにそこから落ちても平気なくらいの耐久力も持っている。

 剣術や弓スキルも凄まじい数値に上がっているので、まさに超人になってしまった。

 これ魔法使わなくても、めちゃくちゃ強い。僕みたいなのが一人いれば、戦争では有利になるのでは?

 なんか、いろんな人を強化するより、十人くらいに絞って強化した方が良かったのではと、思うくらいだ。


 また、知力が上がったおかげか、記憶力や計算能力が異常に高くなった。ただ、発想力が上がったりはしていない。発想力などは、ステータスで測れるような物ではないんだろう。

 器用さが上がったことで、何だか異常に字を書くのが早くなったとか、その字が信じられないくらい綺麗だとか、日常生活でいろいろ人間離れしたところが出来てきた。


 戦に役に立つのは、やはり身体能力の向上だろう。

 知力も上がったのは良いが、軍略を思い付いたりするわけではないので、思ったほど役には立たないかもしれない。もちろん記憶力だったり計算力も、必要な能力なので、プラスになることは間違いない。


 兵は僕とファナリアが指揮をする。

 僕は魔法兵の指揮を、ファナリアは通常兵の指揮を行う。


 まだシンシアから、具体的にいつ行動を起こすかという書状はきていないけど、いつでも出陣できる準備は整っていた。


 そんな時、


「や、やっぱりライルじゃ!! 髪は長いけど! 間違いない!!」


 僕が帝国にいた時の恩人、ルベルトがハクシュトアにやってきた。

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追放賢者の領地改革! 〜成長魔法で優秀な人材を育てまくっていたら、弱小領地が最強領地になってた〜 未来人A @abcddi23

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